CHACHA
「少しのんびりしてから学園に行こう。円ー。」
「準備できてるぞ。」
「さっすが、じゃあちゃちゃっと造くっちゃおう。」
「んっ、カエデ。何か作るのか?」
「オマタクラブなんだからオートマタを造るさ。」
「オートマタか・・・見た事ないな。」
「えっ、見てるじゃん。」
「えっ?」
「ほれ、そこに居るだろ。」
「えっ、円さん・・・。まじで?」
「まじで。そうはいっても円は特別だけどな。」
「驚いた・・・普通にできるメイドさんだとばかり・・・。」
「ははは、見る目があるじゃないか狼。よし、特別にいいモノ作ってやるから
ピアスをよこせ。」
「は、はい。」
「ボルタ、手伝って。お前もオマタクラブなんだから、覚えておいて損は
ないだろ。エイルはエステでも行ってくるといいよ。」
「わかった。」
「では私はサウナでデトックスでもだしてきます。」
3人でアトリエへ。
「う、うわっ。何だここ!すげえ!」
「武具を作るのとわけが違うからな。いずれクラブハウスにも作るよ。」
「すげえっ!」
まあ男子は好きだよね、プラモデル感覚。
「念の為、メレル先輩の護衛用のオートマタを造ろうと思ってさ。丁度
シゲさんとも子猫のオートマタを造ろうかって話もしてたし。」
「オートマタってカラクリとは違うのか?」
「似たモノではあるけど、どっちかって言うとIAに近いかな。
自立型のIAというか。」
「なんかすげえ!魔導銃にも驚いたけど・・・。」
「表には出せない技術だから内密にね。」
「わ、わかった。」
そんなに戦闘力が高くなくても大丈夫だろう、メインの機能はシールドだな。
光学迷彩も付けておこう。垂れ耳のマンチカンタイプだ。
円が用意してくれた設計図に手を加えボルタに指示をだしながら組み上げる。
仕上げに最近開発したという人口毛をつけてっと。
「完成だ。」
「クッ、可愛い・・・。」
「ありがとニャン、オオカミ。」
「喋った・・・。」
ニャ、ニャンだと・・・・。
「カエデ様、名前を付けて下さい。」
あれ?語尾がニャンじゃない。
「そうだなあ・・・ボルタ、何かいいのない?」
「名前かあ・・・そうだチャチャなんてどうだ?」
「茶々か、いいなそれ。君の名前は茶々だ。」
「ありがとニャン、オオカミ。」
「お、おう。」
「君は僕達と帝都へ行って、オマタクラブのマスコット兼当面の間、メレル
先輩を陰から護ってもらう。」
「かしこまりました、お任せ下さい。」
「おい、オオカミ。お前の鎧を改良したぞ。」
円がボルタ用の新しい鎧のピアスを持ってきた。
「ありがとうございます。」 早速、付けている。
「何が変わったの?」
「狼、ピアスに触れて『ガル』と言え。」
「ガ、ガル。」
「そんな小さい声じゃだめだ。むしろ叫べ!」
「ガルッ!」
ピアスが光り子狼になった。おお、可愛い・・・。
「それが第一形態だ。そして腕をクロスしてから右手を天に掲げ
『ソウチャク。』と叫べ。」
だ、駄目だ・・・面白すぎる・・・。
「ソウチャク!」
子狼が光りばらばらになり空中を1周してからボルタに装着した。
輝くシルバーで目の部分が点滅している。なんだ・・この無駄なエフェクトは。
だがしかし・・・。
「最高だ!円!」
「だろう。脱ぐときは今まで通り『キャストオフ』だ。」
「キャストオフ。」 バイーンとピアスに戻る。
「ありがとう、円さん。かっこいい!カエデの鎧はどんなだ?」
「えっ・・・ああ僕はほらスピード命じゃん・・・。」
「めっちゃ軽いぞこの鎧。」
「う、うん知ってる・・・ほらなんと言うか。流儀?」
「そっかあロイド流は鎧をつけないんだ。」
「そ、そうなんだよ。」
「あれ?華様達、煌びやかな鎧だったような・・・。」
「い、いかん!遅刻するぞ、行こう。」
「お、おう。」
「円、また来るよ。」
「待ってなんかないんだからー!」
「えっ!」
「気にするなボルタ、あれは行ってらっしゃいと同義だ。」
「そうなのか?」
茶々はボルタの頭の上にいる。気に入ったのかな?
空島からクラブハウスへ。
「お早うー。」
「おはよう・・・、ボルタ!その頭の上の愛らしいのは何ですか?」
「えっ、ああこいつは・・・。」
茶々はボルタの頭の上から飛び降り、みなに挨拶。
「よろしくニャ、チャチャニャ。」 茶々よ2足歩行になっとるぞ。
「「「キャー!」」」 女性陣の反応が半端ない。
「茶々は昼間はここにいて、夜は探偵社の仕事を手伝ってもらうんだ。」
「それはいけません。こんなお子様使うなんてワイズ探偵社はブラック企業
ですか!」
「えっ、い、いやその子は・・・。」
「チャチャの替わりに私が手伝います!」
「あっ、あのですね・・・。」
「お前達さっきから何を言ってる?チャチャはオートマタじゃないか。」
「「「えっ?」」」
「2足歩行で言葉を話す子猫なんて居る訳ないだろ。」 小梅・・・。
「そう言えばそうですね・・・。」
「詳しい話は後で。教室へ行こう。」
「明日からいよいよ野外研修です。という事で午前中は野外で使える魔法や
行動の復習にあてます。」
丁度いい。念話で茶々を造った経緯を説明する。
「そんな事が・・・。」
「学園に居る間は大丈夫だと思うんだけど、解決するまで放課後から登校する
までは念の為、茶々に護衛してもらう。」
「全く・・・貴族ってやつは。」
「まあエイルが当主を完治させたから、様子見だね。」
「あの私達も参加しても?」
「光学迷彩を使える人は頼むよ。」
最後にシゲさんがまとめる。
「明日からの野外研修の準備はできるだけやった。だが今回は自然と
モンスターが相手だ。思い通りにはいかないだろう。順位などどうでも
いいからまずは自分の身を守る事を第一に考えて行動してくれ。」
スタンビートの事を知らない連中はワクワクしてるようだ。
あと、うちの戦闘狂共も。
昼食を食べにクラブハウスへ。茶々は夜に備えて寝ている。
「今夜は私が手伝います。」
「スズメ、野外研修に影響がでないようにね。」
「わかってます。」
午後から通常の授業。リナの蛇腹剣を渡す。
明日から使いたいだろうしね。
反応は・・・大喜びだ。特に柄のバラのエフェクトは感動していた。
変態め!
「スネ、このパーフェクトの名前は何?」
「考えてなかったな・・・。シゲさん、何かない?」
「えっ俺?」
「シーゲル様、是非お願いします!」
「ナ、ナイトローズィ・・・。」
僕とアトムは笑いを堪えるのが大変だ。
「ナイトローズィ・・・素敵です!一生大切にします!」
「い、いや、作ったのカエデだから・・・。」
リナはナイトローズィ、プププを抱きしめて既に話は聞いていない。
僕はカーミラに呼ばれているので学園長室に。
「失礼します。1年Fクラス、カエデ・ガーネット出頭しました。」
「カエデ様、どうぞこちらに。」
「堂島さん、ご無沙汰しております。」
「いらっしゃいカエデ、待ってたわ。どう、学園生活は?」
「そうだなあ・・・、楽しくやってるよ。」
「そう・・ならいいわ。早速なんだけど明日からの野外研修ねハードになり
そうね。」
「スタンビート?」
「ええ・・。堂島が調べてくれたんだけど、軍と謎の組織がかなり間引いて
くれたわ。」
「聞いてる。残りのモンスターはキリコ達が張り切ってるから大丈夫じゃない。」
「そう・・。ミノタウロスが100体以上、オーガキングが200体、地龍と
ワイバーンが50体くらいかしらねえ。」
「はっ?間引いたんじゃないの?」
「間引いてるわよ、ただ大元が収まってないから・・・。」
「大物がそれだけ居たら小物のモンスターはそれ以上居るよね?」
「そうなるわねえ・・・。」
「帝宮は、雷帝は何と?」
「魔王で手一杯だから黄金の世代で何とかしろ。」
「はぁ?何言ってんだあの野郎!」
「カエデ、仮にも皇帝陛下ですよ。」
「いや、カーミラも大概だから。」
「それでカエデへの依頼の変更です。」
「聞きたくない!」
「駄目です。もう面倒なんでまるっと全て解決して下さい。」
「えっー!イフリートとイフリータは父さん達が戦ってるよ。」
「存じてます。ですが時間がかかり過ぎです。」
「まだ、兄と義姉が居ます。」
「彼らは別件で動いてます。というか既に戦闘に入っています。」
ポイべか・・・。
「という事で今回の野外研修の課題はモンスターを帝都に入れない事です。」
「ワイバーンも居るのに・・・。帝都に残ってる戦力は?」
「私達と上級生。それぞれの道場の方、そして冒険者の皆さんです。」
「結構、残ってんじゃん。」
「私達は帝都から出れません。スタンビートの中にメイジが多数います。」
「転位してくると?」
「はい。」
くそー、舐めてたというか、ポイべの奴・・・何がしたいんだ?
どうする?箱庭を動かすか?
いや、これはあくまで野外研修だ。あくまで1年生を主体に考えたほうが
いいだろうな・・・。やれやれ・・・。
「AとBには?」
「皇女とヒカル君には伝えてあります。討伐数が多い方をAクラスに
すると。」
「いや、変な煽り!」
「張り切ってましたよ。」
だがヒカル達に暴れてもらった方がいいな、Aもリクオ君のお付きがいるし。
「わかった、何とかする。」
「お願いします。武道大会のバーサーカーといい私も少々
頭にきていますので。」
ブワッと物凄い魔力が吹き荒れる。そこには大人のカーミラが居た。
「帝都内の事は任せておいて下さい。・・・血祭りです。」
完全に始祖状態だ。学園長室を後にクラブハウスに戻る。
「リング、みんなを集めて。」
「承知しました。」
全員にカーミラからの依頼の話しをする。
「・・・子供に任せる数なのか?」
「どうするんだ?」
「そうだねえ、わざわざ明日まで待つ必要ないでしょ。雑魚は野外研修に
まわして僕達はミノタウロスより後ろの大型モンスターを狩る。シゲさん、
キリコ、指揮はお願い。エイル、ザイルは皆のダメージコントロールを。」
「了解。」
「「「わかりました。」」」
「夜だし武装全開でオーケー。僕はちょっと元栓を閉めて来るから。
じゃあ行動開始だ。」
僕は直接カモナから転位する事にする。場所はわからんがレットア婆ちゃんの
所へ行けば大丈夫だろう。
「カエデ!」
「どうしたヒカミ?」
「私も行きます。イフリート相手なら私が居た方がいいでしょう?」
「ありがとう助かるよ。カモナ、レットア婆ちゃんの所へ。それとイド君と
ワイバーンを落として。」
「よっしゃー!久しぶりに暴れるか!」
「・・・・久しぶりに見たよ。」
「ええ・・・。」
「ここはどこだろう?」
「野営場所でしょうか?」
「誰だ!」
うわっ!超わけーレットア婆ちゃん。
「カエデとヒカミです。」
「おおカエデかい。久しぶりだねえ・・・。」
若い姿での婆ちゃん言葉の違和感!
まずは婆ちゃんから現状を聞いた方がいいだろう。
「鎧、ありがとよ。お陰で死なずに済んでる。」
「父さん達や姉さん達が居て討伐できないなんて、何があったの?」
「ああ・・・イフリート達を守ってる奴らが厄介なんだよ。モンスターは
沸き続けてるから私らはそれを減らすのが精一杯さね。」
「守ってる奴ら?みんなが苦戦する程って事は神か眷族か・・・。」
「向こうにロイド君以上の指揮官がいるようだよ。こちらの作戦の裏を
かかれると言ってたからねえ。」
「成程。」
父さん以上となると・・・大佐か・・・。イフリート達を守ってるのは
トライガンだ。となるとトライガンを何とかしてイフリート達は父さん達に
任せよう。早く片付けて向こうに戻りたい。
「カエデ・・・。」
「うん、早く片付けたいよね。僕達はイフリート達を守ってる奴らを排除
しよう。イフリート達は父さん達にまかせる。沸いてるモンスターは婆ちゃん
達に任せるよ。」
「ちょっとカエデ、お前達が強いのは知っとるがロイド君達ですら手を焼いて
おるんじゃぞ。」
「何とかするよ。別に倒す必要もないし引き離すだけだからさ。
ヒカミ悪いけど氷帝全開でお願い。」
「わかりました。」
婆ちゃんから全体の位置関係を聞く。
「ヒカミ、この守ってる連中はトライガンといってね、ティーターンの専属軍隊
みたいなものなんだ。」
「カエデはその指揮官を知ってるのですか?」




