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ACADEMIC LIFE  作者: 一聖
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OVERTIME

さて、僕はワイズ邸の闇オマタクラブに行く。

リナの蛇腹剣を作るためだ。忘れてないよ。


「ワイズ―、コーヒーお願い。」

「承知しました。カエデ様、メレル・プライムから依頼が来ております。」

「剣を一振り作ったら聞くよ。」


地下にあるアトリエで蛇腹剣を作る。通常だと・・・いや通常はないな。

ワイヤーを使うのはやめよう。実際伸ばしたり縮めたりするんだから魔力糸

一択だ。リナなら使えるだろう。

ゴブアンだとさすがに魔力の通りが悪い。しょうがないミスリルでつくって

偽装するか・・・。

刃がギザギザのレイピアだ、プププ。柄はバラの蔓が伸びて棘が刺さって

魔力を吸うように見える仕様にしよう。いや~まさに魔剣。

おどろおどろしい・・・やりすぎちゃったかな?駄目なら作り直そう。

ワイズ邸の指令本部に移動。


「ワイズ、お願い。」

「承知しました。メレル・プライムとその母は本家ではなく別宅で暮らして

 いました。当主であるソードスは本妻、子供達よりメレルとその母親を

 愛していたようです。本妻達はそれが許せなかったようで、かなりの

 嫌がらせを。あげく使用人を潜り込ませ遅効性の毒を食事に混入させ

 殺害。」

「いや、それ普通に殺人罪じゃん。」

「そうです。犯人の使用人は逮捕されすでに極刑になっています。」

「本妻達は疑われなかったの?」

「一応、疑われましたが使用人と母親の関係をでっちあげたようです。」

「・・・・つっこみどろこしかない。」

「そうですね。」

「基本、ソードスが全部悪いよね。この国は一夫多妻を認めてはいるけど、

 あくまで跡取りができなかったり、経済的な余裕つまり多くの家族を

 養えるかどうかとか審査みたいなのがあるでしょ。

 とは言え、メレル先輩の母親が毒殺されたのは事実だ。ソードスは

 現役なんでしょ?」

「これも一応はでしょうか。寝込んでますね。」

「それって毒じゃないの?」

「おそらくは。」

「はあ・・・まず護衛だけど学園に居る間はリング達に監視させるから問題 

 ないだろ。放課後から学園に来るまで間はワイズの監視とオートマタを

 作るよ。何かあったら僕が動くしね。サポートの方はどうであれソードスに

 復帰してもらう。家督を継ぐと言っても12歳じゃね。先輩が望む本妻達の

 排除は証拠を掴まないとどうにもならない。誰を雇ってる?」

「本妻の実家のセントレ家が糸を引いてます。」

「セントレ家?」

「南の地方貴族です。そこの私兵、暗部が動いてます。メレルを襲撃したのは

 暗部の者かと。」

「成程ねえ、プライム家を傀儡にして帝都進出を目論んでる所で家督が先輩に

 いくって知ったわけだ。」

「セントレ家を潰しますか?」

「いや、物騒だね。まあ最終手段としてはそうなるかもだけど、ソードスは

 生きてるからね。先輩と話すよ、今どこに居る?」

「自宅に戻ってます。屋敷の周りをうろうろしてる連中も居ますね。」

「おっと、急がないと。ちょっと行ってくるから場所のナビよろしく。」

「お一人で?」

「そうだなあ・・・ボルタは寮かな?」

「クラブハウスで鍛錬中です。」

「よし、じゃあボルタを連れていくよ。」

「大丈夫ですか?あまり隠密行動には向かないような・・・。」

「そうなんだけどね、何事も経験かなって思ってさ。」

「お優しい・・・。」

「いやいや、鬼丸分は働いてもらわないとね。」

「フフフ、わかりました。私がサポートします。」

「お願い。」


クラブハウスに逆戻り。訓練場へ。


「お疲れー。」


「んっ、帰ったんじゃなかったのか?」


「まあな、ちょっと仕事に付き合え。」


「仕事?」


「探偵社。」


「まじ?本当に探偵やってんの?」


「やってる。ちょっと急ぎだ。」


「・・・いいぜ、面白そうだ。」


「春さん、狼のお面ある?」

「あります。今持って行きます。」


「エイル、今どこに?」


「入浴中です。来ますか?」


「行くか!バイトだ!」


「はぁ、しょうがないですねえ。わかりました、どこへ?」


「ワイズ邸で待ってて。」


「わかりました。」


「カエデ、持ってきました。」

「ありがとう春さん。」

「お仕事ですか?」

「そうなんだよ。ついでにボルタをデビューさせようと思ってさ。」

「成程、それで狼の面が必要だったんですね。」

「春さんは神楽?」

「いえ、今週は響様のお手伝いを。お供しますか?」

「大丈夫だよ。エイルにもサポート頼んでるし。響さん、手伝ってあげて。」

「わかりました。お気を付けください。」


「なあカエデ、春さんって何尾だっけ?」


「3尾だよ。何で?」


「見間違いだな、じゃあ。尾が5本に見えたんだけど・・・。」


「まじ?」


「まじ。」


あれだな、春さんは天狐コースに入ったんだな。


「よし、じゃあ行くとするか。まずはメレル先輩の屋敷だ。」


「おうっ!」


ジープで向かう。カモナが運転してくれている。


「先輩の屋敷の周りに監視か狙ってるかわからん奴らが居るから畳んで。」


「獣化していいのか?」


「いいよ。結構な手練れだと思うから。」


「お面いた?」


「・・・・・。」


4か所ほどに分かれていたので手分けして処理。おお・・やるじゃんボルタ。

殺さずに無力化できている。

僕らは普通に正面から入る。コンコン。


「どちら様でしょうか?」 メイドさんが出て来た。


「ワイズ探偵社の者です。メレル様にお目通りを。」


「どうぞこちらへ。」


リビングに通されると先輩が緊張の面持ちでいた。


「失礼します。」


「子供が2人・・・狐と狼・・・。」


「ああ、大丈夫です。仕事はきっちりこなしますので。早速ですが護衛の件

 から。あっ、すいません念の為結界を張らせて頂きます。」


「はい。」


「結。」


「えっ?もう張ったのですか?」


「ええ、外に声は洩れません。それで護衛の方は解決するまで登校時と放課後、

 うちのスタッフが付きますのでご安心を。次にこちらの方でも事前調査は

 終わってますので今後の事を。」


「はい・・・。」


「まずお父上であるソードス卿に完全復活して頂きます。メレル様が家督を

 継ぐにしても、さすがに12歳というのは些か負担が大きいという判断です。」


「ですが父上は・・・。」


「ええ、病の床に伏しているとの事ですが、我々は毒のせいではと・・・。」


「やはり・・・。」


「その上でソードス卿にも協力を仰ぎ、毒物の証拠を手に入れ本妻達を

 追い込みます。襲撃者も確保してますが、おそらく口は割らないかと。」


「悔しいですが母上の時同様に証拠を残さないようにやってるはずです。」


「はい。ですのでソードス卿が復活すれば焦りだすと思いますしセントレ家も

 同じように尻尾をだすでしょう。」


「そこまで調べてるのですね。」


「本妻達が捕まればセントレ家にも調査が及びます。

 おとり潰しもあるでしょう。」


「わかりました・・・本来ならこの手で母上の仇は取りたかったですが

 それで区切りをつけたいと思います。」


「我々はこれからソードス卿の治療に向かいます。」


「私も一緒に行きたいところですが邪魔になりそうですので

 ここで待ちます。」


「申し訳ありませんがそうして下さい。ではまた報告に伺います。」


「よろしくお願いします。」


メレル先輩の所を後に1度ワイズ邸に戻る。

エイルは既に来ていてお茶を飲んでいた。


「ワイズ、カフェオレお願い。」

「承知しました。」


「あらボルタ、駆り出されたのですね。」


「まあな、それにしても驚いた。カエデが大人に見えた。それにあの人も

 12歳って感じじゃなかった。貴族ってすげーな。」


「陰じゃどろどろしてるよね。エイル、事情は?」


「ワイズさんから聞いています。」


「よし、これからなんだけどプライム家に忍び込んでソードス卿の治療と

 話をする。毒の種類はわからないけどエイルお願い。ボルタは周囲の警戒

 を頼む。これを付けて。」


姿を消せる指輪を渡す。


「ワイズ、屋敷内のナビお願い。」

「承知しました。」

「それじゃあ行こーか。」


時間が惜しいのでイド君で行く。特に結界もなかったので屋敷の庭で待機

してもらう。


「ドキドキする。」


「すぐに慣れるさ。」


「ええ、日常といえば日常です。」


「まじか・・・。」


「ソードスの寝ている部屋は最上階です。見張りが2名おります。」

「見張り?それじゃあ幽閉じゃないか。ボルタ、よろしく。」


「了解。」


なんとボルタは黒竹で2名を気絶させた。


「黒竹・・・。」


「いや~これいいな。買っておいて良かった。」


「・・・まいど。誰か来たら教えて。」


「了解。」


部屋の鍵はエイルが普通に開けた。ピッキングはデフォルトなのか?

部屋に入ると少し甘い匂いがした。これは・・・。

ソードスは眠っているというか、意識がないというか・・・。


「エイル、これって・・・。」


「ええ、間違いなく青酸カリです。」


「まじか・・・いける?」


「問題ありません。」


エイルは小瓶を出しヒールを、いやキュアーか。

ソードスが淡く光り水蒸気のようなものが身体から出て来る。

水蒸気が小瓶に入り液化した。


「この量だと危なかったですね。あと数日といった所でした。」


「ぎりぎりだった・・・。」


エイルは更にエクストラヒールをかける。


「う、ううん・・・。」


「ソードス卿、起きて下さい。」


「う、ううん・・・だ、誰だ?」


「夜分遅くに申し訳ありません。メレル様より依頼を受け参上しました

 ワイズ探偵社の者です。」


「メレルから・・・、メレルは無事か!」


「ええ、大丈夫です。ソードス様に盛られていた毒は全て取り除きました。」


「毒だと・・・病ではないのか?」


「はい。おそらく少しずつ食事に混ぜられていたものと。」


「クソッ!医者もぐるか!」


「ソードス様、これからの事を話しましょう。」


完全に復帰してもらう事。正妻達はきちんと裁く事等の約束をしてもらう。

名門の当主だ、それくらいできなきゃダメだろ。


「メレル様の事もちゃんとして下さい。」


「もちろんだ。ここに来てもらう。」


証拠になる毒の入った小瓶を渡す。


「それではくれぐれもお願いします。」


「危ないところだった・・・。ワイズ殿にもよろしく伝えてくれ。」


「かしこまりました。」 再び姿を隠してイド君に。


「あれで良かったのですか?」


「そうだね。まずは空島に行こう。」


「空島?」


「円ー。」


「おう、ベットメイキングは終わってるぞ。」


「ゆっくり寝て。詳しい話は朝食の時にでも。」


さすがに眠い、ボルタは舟をこいでいたので円が担いでいった。

空島ならゆっくりしても遅刻する事はない。おやすみ。

お早う。ぐっすり寝たよ。

食堂へ行くとエイルもボルタも既に来ていた。


「お早う。」


「お早うございます。」


「お、おう・・・。」


円の朝食も、もちろん旨い。


「ボルタ、ここは空島といって色々ある別宅のひとつ。ここに来たのは

 時間の流れが下と違うからゆっくりしても遅刻しないからだ。

 下はまだ数時間もたってない。」


「まじか・・・。」


「それと昨日の件だけど、ソードスの毒抜きだけにしたのは事の発端が

 彼自身にあるからだ。」


「ソードスにも問題があると?」


「そういう事。それに何より名門のプライム家の当主なんだから本来なら

 12歳の娘に何とかさせるんじゃなくて、毒を盛られる前に自分で何とか

 しなくちゃね。」


「確かに・・・。」


「メレル先輩の母親が毒殺された時に本妻達を追放するか真犯人として証拠を

 つかむべきだった。本人の甘さや後ろめたさが今回の件につながった。

 メレル先輩が心配なら戦闘メイドとか護衛を付ければいいわけでさ、

 跡継ぎにするなんて中途半端な復讐をするからメレル先輩が襲われる。」


「さすがに今回は自分も死にかかった訳ですから、きちんとやるだろうと。」


「そうだね。これでまだメレル先輩が襲われるようなら、本妻の実家である

 セントレ家を潰すさ。」


「そうですね。」


「貴族ってこえーな・・・。」


「まあ大なり小なりどろっとした部分はあるよ。うちはないけどね。

 2人には探偵社の方からギャラがでるから。ボルタはリングに言って

 口座を作っておいて。」


「わかったけど、いいのかな・・・・。」


「もちろんさ。今回は助かったよ。」


「へへへ・・・。」






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