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ACADEMIC LIFE  作者: 一聖
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EVIL EYE

ジュリは1人になっちゃったが、ラスプ達が面倒を見てくれるだろう。

僕も風呂入って寝よう。今回のキャンプも色々あったけど、僕は一つの結論を

得る事ができた。その結論とは成すがままだ。

目の前の事をやっつける、それだね。お休み。


朝起きて庭に出るとジュリが素振りをしていた。


「お早う、精が出るね。」


「少しでも皆さんに追いつきたくて。」


「オケアノスの加護があるんだから、すぐに追いつくさ。」


「カエデはオケアノス様にお会いした事があるんですか?」


「あるよ。ポセイドンと同一視する人も居るけど全く別な神だよ。ポセイドン

 は海神だしオケアノスは水神。」


水神といえばミズチだけど、オケアノスの方がちょいと格上。


「僕達に水を好んで使う人は居ないからキャラ被りもなし。」


「キャラ被り・・・。」


「人気のエレメントは神が集まりやすいんだよ。」


筋力が全然足りないが、いずれスレイズのコーチングで身につくだろう。


「ジュリ、朝食にしよう。遅刻する。」


「頂きます。ああ、朝食も美味しいです!」


コーヒー飲んでクラブハウス経由でFクラスへ。

午前中は武道の時間なので野外研修用の武具を試してもらう。


「ナミ、これを試してみて。」


「双槍?」


「に近いけど片方にしか刃は付いてないんだ。しかも鉈型。森の中だと鉈の方

 が使いやすいから。棒の方で受けて鉈で攻撃って感じかな。広い場所に

 出れたら合体して長槍化。レビ、双槍の使い方教えてあげて。」


「了解。」


「レードはこれね。」


「おお・・見た目より全然軽い。鉄製なの?」


「ゴブリンのクズ鉄。」


「まじかあ・・・。」


「魔力流してみて。」


「うん。」 シャキーン!


「マチェットだよ。」


「す、すごい・・・。」


「後、念の為足甲も。」


「完璧だね。」


「モンスター相手だからね、命に関わるよ。」


「カエデはモップ?」


「いや、さすがにね。僕はこれ。」 ニュー黒竹を見せる。


「おお・・・・。」


「あれね、カエデは武器商人ね。」


後半はニング先生とエイルからナイフの指導。何かFクラスが特殊部隊に見えて

きたよ。体術の覚えもある連中はすんなりと覚えた、つまりうちの女性陣。

高速戦闘してたよね・・・。


「おいカエデ、あれ大丈夫なのか?」


「何が?」


「あいつらだけでモンスターを倒してしまわないか?」


「シゲさん、森の中でナイフを振るうのは結構大変なんだよ。彼女達でも

 それなりに苦労する。といいなあ・・・。」


「願望!」


諭吉とボルタは問題なし。シゲさんも光剣を短くして使うとの事。

アトムは自作のタイタンソードもどき。リーダー達が動ければ問題ないだろ。

エイルとザイルが手本を見せている。あのう・・・手元が見えないんです。


「アホか!参考になるか!カエデ!」


「はい。」


「超ゆっくり動いてエイルと闘え。」


「そんな、ご無体な!」


「ほう、カエデが相手ですか・・・本気で行きます。」


「やめてー!」


とは言え、手本を見せなければ・・・片手でナイフを扱うとなれば

ローコンバットか・・・。ナイフが消えたように見えるんだよね。


「しょうがない。エイル、ローコンバットをお見せしよう。」


「むむ、まだ引き出しがあるのですね。行きます!」


ローコンバットは超近接戦闘術だ。ポイントはナイフを左右の手に持ち替えながら

徒手も組み合わせる。足技は使わない。ゆっくりゆっくり・・・。


「器用ですねえ・・・。」


「あれたぶん、エイルから見るとナイフを持ってないように感じてるんじゃ

 ないですか?」


「太極拳っぽいな。」


「そういえばロキ様と渡り合ってましたね。」


「ゆっくり動いてるのに、エイルの攻撃を全ていなしてますね。」


「そこまで!カエデ、それ教えろ!私にも。」


「えっー!」


「ようし、では来週は全員でローコンバットとやらを学ぶ事にしよう。」


やれやれ・・・。珍しく全員で昼食。


「カエデ、ローコンバットのあの動きって。」


「ガンカタはローコンバットから派生したんだよ。」


「やはり・・・。」


「ぶっちゃけナイフが銃にかわるだけ。」


「精進します。」


午後からはクラブ活動だ。武具や魔導具を取りに来る生徒の相手、特に

邪眼な人。後はオーダーの製作と時間があれば目安箱。

新しくオーダーに来る生徒は女性陣が対応してくれる。

ミナミは特に変わった様子もなく、いつも通りだ。ナイフのオーダーも多い。


「カエデ、今更なんだが・・・。」


「何だい、シゲさん。」


「オートマタ、作ってなくないか?」


「・・・・。」


「あれじゃない。大きいのは目立つから駄目だと思うけど、カラクリ的な

 やつを作れば?」


「そうだね。クラブに希望者いるか聞いてみようか。」


「そうしよう。ミナミ、オートマタいるか?」


「オートマタですか・・・子猫なんていいかもですね。」


「よし、じゃあオマタクラブの第一号は子猫型にしよう。」


「皆様、武具の引き取りのお客様がおみえです。」


「了解。」


剣や刀はシゲさんとアトムに任せる。ナイフはミナミね。僕は銃のオーダーを

した生徒に会ってみる事に。エントランスに行くと凛とした女生徒がいた。

タイの色から2年生とわかる。


「お待たせしました。」


「大丈夫です。」


「銃のオーダーという事でしたが、ガンナーズギルドには?」


「登録してます。普段はこれを使っていますので。」


「ライノですか、渋いですね。」


「さすが、詳しいですね。」


「ええ、僕もガンナーズギルドに登録してますから。」


「ギルマスに聞いてます。ここの皆さんはほとんど銃を使用してると。」


「ズームさんが・・・成程。それで何故、小型銃を?」


「私はメレル・プライムと言います。」


「プライム家の方だったんですね。」


「よくある話ですが、私は正妻の子ではありません。ですが父上は私を

 溺愛しています。」


「ああ・・。ご兄弟は?」


「歳の離れた兄と姉が居ます。本来であれば家督を継ぐのはその方達なんです

 けど・・・・。」


「お父上は跡継ぎをメレル先輩にすると。」


「はい・・・。」


「う~ん、家の事情はわかりませんがそうする事で先輩が危険に晒される

 でしょ?貴族あるあるですが。もしかして試されてるとか?」


「あなたは?」


「申し遅れました。カエデ・ガーネットです。」


「まあ、ガーネット家の。」


「うちの場合は上2人が超優秀なので僕がガーネット家を継ぐ事はありません。

 不満も全くないです。」


「父上も羨ましがっていました。」


「先輩自身はどうなんですか?僕は貴族に何の興味もありませんが。」


「私はプライム家を継ぎたいと思っています。正妻や兄や姉が母にした事を

 許すつもりはありませんし、その方達を排除したいと考えています。」


「復習ですか?」


「そうです。いけませんか?」


めっちゃ重いっす・・・。


「あの・・・ちなみに既に命を狙われてるとか・・・。」


「何度か・・・。ですが普段はライノを持ち歩いています。こう見えてAランク

 ですので。」


「おお・・・。という事はパーティとか銃を持ち込めない所用ですか?」


「はい。」


「わかりました、銃は完成してます、これです。」


「ち、小さい・・・。」


「まあ、ライノと比べればかなり小さいです。ですが十分に殺傷力はあります。

 注意して頂きたいのは、上下2連の連装銃ですので弾倉がありません。

 あくまで護身用です。」


「2発撃てれば十分です。おいくらでしょう?さすがに銀貨1枚という訳には

 いきません。」


「銀貨1枚で結構です。その替わり・・・。」


「復讐を止めますか?」


「まさか、僕は復讐なんて不毛とか虚しいなんて言いませんよ。それは先輩自信が

 決める事ですし覚悟も出来てるでしょうから。そうではなく1人でやろうと

 するのは止めて下さい。いくらAランクでも限界があります。ですので、

 ワイズ探偵社にサポートの依頼を出して下さい。」


「不動産王ワイズ・・・。」


「そうです。」


「わかりました。それにしても、あなたは・・・噂とは当てにならないという

 事がよくわかりました。もっとも、あなたの事はロバート叔父さんにも

 聞いていましたけど。」


「ロバートさんの縁者ですか?」


「はい。ロバート叔父さんは復讐なんて不毛派です。」


「ははは、らしいですね。あの野郎。」


「フフフ、ありがとうございました。ワイズ探偵社に行ってみます。」


メレル先輩は帰って行った。復讐か・・・それもいいだろう。


「ワイズ。」

「はい、ここに。」

「プライム家を調べておいて。」

「承知しました。」


ガタガタ!突然テーブルをひっくり返す音がした。何だ?

見ると1人の女子生徒がぶつかっていた。


「大丈夫ですか?」


「はい、いつもの事です。初めてくる所は物の配置がわかりませんので。」


邪眼が疼くのはこいつか!


「とりあえずこのメガネを掛けて目を開けて下さい。」


「でも・・・・。」


「大丈夫です。このメガネは魔力を抑えますから。」


彼女はメガネを掛け両目を開けた。オットアイだ、しかも・・・・。


「はあ~、このようになっていたんですね。」


「あの、もしかして魔眼は片方だけですか?」


「そうですよ、あと魔眼じゃなくて邪眼です。」


「そうですか・・・。片目を開ければ済むのでは?」


「ウィンクが出来ません。無理にしようとすると口が開いてしまうのです。」


いや、ウィンクあるあるだけど!やべえ、こいつ面白いぞ。


「あら、ヤマイさん。」


「その声はアカリさん。そんな容姿だったんですね。」


「いやいやいや。」


「アカリ、知り合い?」


「はい、クラスメイトです。アリーナ・ウイルスさんです。」


「どこがヤマイだ!しかもウイルス家!」


「ああ、言動が。」


「・・・・。」


「このメガネはすごいですねえ、何も見えません。」


「アリーナ、ウイルス家と言えば教会付きのエクソシストの名家だよね。」


「まあそういう事になってますね。迷惑な話です。」


「となると、その青眼は見鬼だね。」


「お詳しい・・・。」


「まあ魔眼や邪眼も色々あるからね。それで疼くとは?」


「言葉の通りです。この邪眼は私の意思などお構いなく色々なモノを見せて

 きます。見えるだけで何も出来ないのにですよ。最悪なのは人の感情まで

 見えてしまう事です。」


「はっ?」


「ですから目を閉じる事にしました。なのに青眼が疼いて目を開けさせようと

 するんです。学園を卒業したら絶対に目を取ります。」


「過激だね。目を開けたうえで何も見えなければいいんだったら今がその状態

 なんじゃない。わざわざ取る必要もない。」


「確かに・・・。」


「一応、黒い眼帯も用意しておいたから。」


「おお、これは血が騒ぎます。ナイス眼帯。」


「余計なお世話だけど、その邪眼にも意味があると思うけど。アリーナ1人だと

 何も出来ないかもだけど仲間がいれば祓うんじゃなく救う事も可能なのでは?

 卒業まで時間もあるし、少しあがいてみてもいいと思うけど。」


「あなたの言ってる事は綺麗事です、青春です。私には絶対に得る事が出来ない

 ものです。私のコミュ力はゼロです・・・。友人など出来た事もないです。

 ましてや仲間など考えただけで・・駄目です、熱が出てきました。」


こりゃ重症だ・・・だが・・・。


「アリーナ、コミュ力ゼロという割には随分、僕と話してる気がするけど。」


「そういえば・・・妙ですね。」


「あれじゃない?自分で気がつかないうちに助けを求めてるとか。」


「まさか!1人で居るのにも慣れてます。いつも目を閉じてる私を気味悪がって

 誰も近寄ってきませんよ。家族ですらです。今回、眼帯をお願いしたのは

 さすがに授業に差し障りがあるからです。」


「だろうねえ、ひとつ試してみよう。メガネを外して青眼に魔力をこめて僕を

 見てみて。」


「えっ!」


「このクラブハウスには結界が張ってあるから、悪しきものは入れない。」


「わかりました、メガネと眼帯のお礼です。どうなっても知りませんよ。」


アリーナはメガネを外して僕を見た。


「なっ!これは・・・あ、あなたは何者ですか!」


やはりな、アリーナの邪眼は見鬼じゃない。青かった目が赤くなってる。

間違いない、これは浄眼だ。赤い目から涙が溢れている。


「アリーナ、邪眼が泣いてるよ。」


「えっ?なんで・・・。」


「説明する。メガネをかけて大丈夫だよ。ああ、それと僕を見て見えたものは

 内緒にしてね。」


「わ、わかりました。」


「まずアリーナのその目、残念ながら邪眼ではない。」


「な、何ですと!」


「魔眼でもない。」


「へっ?」



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