CAMPING 2
「テントの設営からだね、ザイル、指導してあげて。」
「わかりました。」
初めて組はザイルの指導の下、テントの設営をする。経験者は手際よく設営。
みんな、楽しそうだ。フフフ・・・楽しんでいられるのも今の内だがな。
昼食には早いが火を熾しておこう。直火オーケーだよ。
薪は森で落ちているものを使う。念の為、初めて組に鉈か斧を渡す。
「落ちてる木で十分だとは思うけど、足りない場合は切るしかないからね。」
ボルタは森林サバイバーなので問題はないのだが、ファイヤースターターや
ファイヤーブラスターに感動していた。わかるぞーその気持ち。
落ちてる木はしっかりと乾燥しており焚火をして下さいと言わんばかりだ。
刑部も悟空も子供には甘いからな。気づいてるのは諭吉、才蔵、ザイルくらいだ。
逆にスズメは「乾燥してる・・・この森は・・・。」などと混乱中。
「それでは皆さん、レーションもありますが昼食は現地調達に挑戦してみます。
橙国の森は豊ですので美味しい食材が沢山ありますので。」
「留守番は僕ととザイルでするから、みんなは森を探検して食材をとってきて。」
「おおっ!」 みんな、思い思いの方向に散って行った。
「大丈夫でしょうか?かなりの気配がありますが。」
「どうだろ?刑部がモンスターを想定してキャスティングするって言ってたし
眷族が居るのも知ってるからね。キリコ達も簡単にはいかないと思うよ。」
「気配には気づいてるとは思うのですが。」
「森林あるあるだね。この沢山の気配の中で動物なのかモンスターなのかを
見極めなくちゃいけない。探知に優れていれば逆に神経を使うからね。」
「確かに・・・。ソロキャンとは違い緊張しますね。」
「ははは、ここはそこら辺のうさぎ達でもぶっちゃけキリコ達と戦えるくらい
強いからねえ。」
「ええ、驚きました。眼帯をしたうさちゃんがリーダーで集団行動してました。」
「ああ、レックだね。彼の指揮能力はシゲさんやスズメと遜色ないから。」
「私はやはり橙国の森林をベースにします。良い修行になりますので。」
「そうだね。おっ、始まったみたいだ。」
周りからバトル音が聞こえてきた。
「ザイル、たぶんここも狙われるよ。」
「迂闊でした。結界杙をうたせるべきでした。」
ドドドドと何かが走ってくる音が聞こえる。
「ベースは守らないと・・・ちょっと行ってきます。」
さて、僕は焚火を楽しむ事にしよう。
すぐ近くから落雷が聞こえる。あの足音はユニコーンだったんだ。
がんばれザイル。
コーヒー淹れよう。この間ガクちゃんから新作のサンプルを沢山もらったんだ。
最近は獣人達がコーヒー豆の栽培をしている。ガーネットの豆には至らないが
ガクちゃんを中心に試行錯誤されている。
ふぅ・・・十分旨いよガクちゃん。カフェで出しても問題ないと思う。
豆の匂いを嗅ぐ、そうか炭火で焙煎したんだ。工夫は大事だよね。
んっ?鳥達が何かを焚火に入れてる。何だ?
げっ、栗だ。ここの栗は爆竹栗といって旨いがよく爆ぜるんだ。まずい・・・。
全焚火のコントロールをしなければ。
なんだ?このありがたいけど精神に来る攻撃は?
数個焚火に投下し、残りは横に綺麗に並べてくれた。最後に八咫烏が敬礼を
して去って行った。いや、ありがとうなんだけど・・・。
そこからの僕は爆竹栗を焼くのに焚火から焚火を駆けずり回った。
ついでだ栗ごはんも作ろう。とりあえず昼食にはなるだろう。
さらにショートジャンプを駆使。
栗はホクホクに焼け、栗ごはんもうまく炊けた。う~む、栗づくしだな腸詰も
焼いておくか。丁度、焼き上がる頃、ボロボロになった皆が戻って来た。
「お疲れー、昼食できてるよー。」
「カエデ、何ですかこの森!お猿が先回りして奪っていくんです。」
「何でキノコが涙目で見て来るんですか!」
「モフモフ集団にやられました。あんな可愛いうさちゃんに攻撃できるわけ
ないでしょう!」
「俺達は釣りをしてたら戦艦から砲撃を受けた。」
そこに皆よりさらにボロボロになったザイルが戻ってきた。
「強すぎです。あんな雷撃の絨毯爆撃、避けきれませんよ。ヒールが間に合い
ませんでした。」
「ここも攻撃されたよ、鳥達に。」
「その割には料理をしたりと、いつも通りなような?」
「いや~栗を焚火に放り込んでいくんだよ。焦って火の管理したよ。
爆竹栗はやばいからね。」
「それでこの美味しそうな焼き栗があるんですね。」
「うん。ついでだから栗ごはんと腸詰も作っておいた。食べよう。」
「やっぱりいつも通りじゃないですか・・・。」
頂きます。
「えっ!何ですかこの栗・・・味が濃いです。」
「爆竹栗は小ぶりなんだけど旨いんだよ。当たり外れが多いんだけど、鳥達が
当たりを持ってきてくれたみたい。」
「温度差、激しくないですか?」
「まじ危ないんだって。見てて。」
小型ストーブに炭を移しそこに爆竹栗を入れる。少し待つと・・
ドッカーン!ストーブ事吹っ飛んだ。
「ねっ。」
「ねっ、じゃないですよ!爆竹じゃなくて爆弾じゃないですか!」
「火加減が大事なんだ。」
「腸詰も相変わらず美味しいですねえ。トヨさんのですか?」
「そうだよ。」
「美味しいご飯を食べたら元気がでました。午後からはリベンジです。
必ず夕食の食材をゲットします。」
「ええ、必ずお猿さんよりも先に松茸を・・・。」
「よし、俺達も必ず魚を釣り上げるぞ!」
「俺は狸と狐と勝負だ。狼の端くれとして負けられん。」
ボルタはそんな事やってたんだ。
「暑苦しいくらい燃えてるな。しかも、みんな戦闘服だし。」
シゲさんとカスミが合流した。
「焼き栗と栗ご飯あるよ。」
「いいな。まだ昼を食べてなかったんだ。」
「良い匂いですねえ、あらアカリさん。」
「おお、これはカスミ夫人。」
「いいなあ、アカリさんはオマタクラブなのよね。」
「はい、充実してます。」
「うまっ!何だこの栗?」
「爆弾栗ですよ。」
「違うから!」
「シーゲル達もそれ食べたら、食材探しお願いします。」
「了解。」
さて、僕はベース地を守りながら読書でもするか。リベンジないし。
ふぁ~、いかん眠くなってきた。
「眠そうね。」
「やあ悟空、久しぶり。コーヒー飲む?」
「頂くわ。」
キャンプ用に作った新しいコーヒーポットを使おう。銅で作ったんだ。
「色々、仕込みありがとね。」
「私達も少し刺激が必要だから丁度いいわ。みんな強いし。」
「眷族やら半妖やら、神も混ざってるからね。けどまだ子供だ。」
「感情のコントロールかしら?」
「そうだね、今回の場合はムキにならず食材を確保するのが最優先事項。」
「まあね。子供なんだからそれ位の方がいいと思うけど。あなたみたいな
じっちゃん坊やじゃないんだし。」
「何だよじっちゃん坊やって!まだ11歳です。」
「転生ってえぐいわね。あっ、お肉を届けにきたのよ。無理だと思うから。」
「ありがとう。」
「さてと夜の部に備えて帰るわ、私の参加するし。」
「まじ?」
「響や刑部も参加するって言ってたわよ。」
「げっ!」
やれやれ、みんな大丈夫かな。まあ、いい勉強になるだろう。戻ったら
スタンビートもあるしね。
良い肉をもらったしカレーでも作っておくか。
大鍋を用意してっと、食材は持ってるけどみんなも探してるし僕も探すか。
「カモナ、留守番お願い。すぐ戻るから。」
「かしこまりました。」
姿を消して気づかれない様に動く。野菜の替わりになるものを探す。
おっ、あの白い花は芋系じゃないか。なんと普通にジャガイモ。
玉ねぎは絶対欲しいが自生してるもんでもないだろう。んっ、あの茎は・・・
やはりペコロスだ。ウサギが一杯いる、ばれないように茎ごとアイテムボックス
へ。気にも登ってみる。かなり上のほうだが茄子みたいなのがある。
転位して確認、ズッキーニかな?キープしておこう。
ベースに戻る途中でパースニップも見つけた。結構あるじゃないか。
そう言えばFクラスの連中は食べられる植物とか知ってるのだろうか?
それもレクチャーしないとまずいな。
ベースに戻りカレー作り再開。とってきた野菜を切って大鍋に。
しまった香草を探し忘れた・・・あれ?普通に生えてるし・・・。
さっきまで生えてなかったような・・・まっ、いいか。新鮮な香草を入れ
しばらく煮込む。肉は別に焼いてしっかりと焦げ目をつけてから投入。
よし、あとは秘伝のスパイスで完成だ。そろそろ皆、戻ってくるだろ。
焦げ付かないよう混ぜてると皆が再びボロボロになって戻ってきた。
「お疲れー、どうだった?」
「・・・松茸、もらいました。勝負には負けました・・・。」
「諭吉達も?」
「あ、いや・・・何と言うか、最終的に色々と持たされた。」
「俺はよくわからんが果物をもらったぞ、妖怪達に。」
フフフ、何だかんだここの連中は子供好きだからな。
「俺、妖術教えてもらった。身体能力ばかりに頼るなって説教された・・・。」
「てっきり手ぶらだと思ってたからカレーを作っておいたよ。もらった食材は
トッピングとかにして。」
「スパイスの匂いがたまりませんね。松茸を焼いてトッピングします。」
「魚介類も沢山あるぞ。」
「それも入れます。」
「鍋、持ってきてー。」 皆にカレーを配給。
「カエデ、野菜は自前ですか?」
「現地調達だよ、ヒカミ。」
「じゃが芋とか玉ねぎとかありました?私も探したんですけど。」
「なかったよ、全て代用野菜。ペコロスとかあったからさ。」
「・・・知識がたりません。」
「僕も思ったよ。シゲさん、食べれる植物ってわかる?」
「全くわからん。」
「スズメ、マニュアルにそれって?」
「全部載せると膨大なページ数になりますので代表的なものだけ載せます。」
「了解。」
頂きます。僕は諭吉達からエビや貝を分けてもらいシーじゃないけどシーフード
カレー。うっまー!
「美味しいですね。正直、こんな美味しいカレーは初めてです。」
「本当ですねえ・・・学食のカレーも美味しいですがこれは・・・。」
「バグってますね。」
「ええ、バグってます。」
「あっ、爆竹栗で栗巾着も作っておいたから炙って食べて。」
「まじ、パティシエ・・・。」
「楽しいですね、キャンプ。はまりそうです。」
「みんなでワイワイするキャンプもいいけど、ソロキャンもいいものだよ。」
「やってみます。」
「修行とはひと味違うな。旨いし。」
「諭吉やボルタは熊野の森で修行してるんだから、わかるでしょ?」
「いや~毒キノコを食べて死にかかってから水だけで耐える身体作りを。」
「それ断食だから!」
「私は既にそのような身体になってたでござるが、今は無理でござるな。」
「どういう状況でも食事はしっかり摂らないと、いざという時の動きが鈍る
からねえ。みんな、ガクちゃんから新作の豆の味見頼まれてるから飲んで
みて。」
ガリガリとみな一斉に豆を挽く異様な光景・・・。
初めて組はヒカミと優に習っていた。
「香りも悪くないですね。これは特区のですか?」
「そうだよ。たぶんガクちゃんが炭火で焙煎したんだろうね。」
「カフェでだしても問題ないんじゃないでしょうか。」
「ボルタ、無理しないで砂糖とミルク入れていいんだぞ。ジュリはそう
してるだろ。」
「へ、平気だ。う、旨いな・・・。」 言葉と顔が一致してないからな。
「!」
ザイルが結界を張った。
ドーン!どでかい狐火が結界にぶちあたって砕け散った。すごい霊気だ。
ちょっとお・・・響さん・・・。
「やばい!」
僕は転位でミナミ、ジュリ、カルラ、優をテントの傍に連れてくる。
「「「「えっ?」」」」
「結!」 ふぅ・・・間に合った。
「いや、ふぅ・・じゃなくて、私にも結って。」
「がんば、アカリ。」
「えっー!この霊圧の中でですかー!」
「ボルタ、従者の仕事しろ。」
「わかってる!獣化!」
「みんなも鎧化しないと危ないよー。」
「わかってます!」 おお、既に大人化&鎧化済み。
「大人・・・ですか・・・。」
「ああ、あれは眷族の能力だね。襲ってきてるのが神とも戦える連中だから。」
「えっ、えー!」
「聞いてはいましたが初めて見ます。」
「4人に渡してるブレスレッドも鎧化するから念の為、つけて。魔力を流せば
いいから。」
ブンッ!4人は鎧化した。ミナミの鎧は甲冑みたいでカッコイイ。ジュリは
小さいオケアノスだ。カルラはガルーダの鎧・・・八部衆じゃん。優の
鎧姿も初めて見たが肘と手首の間に刃がある、さすがカマイタチ。
シゲさんがカスミを抱えて転位してきた、アトムも。
「うぉ!オケアノスと八部衆・・・それと、まさか・・・。」
アトムが驚いている。




