IFRIT
「僕がソドムアームスを回収しようと思ったのは、人間が変な気を起こさない
為だよ。ティーターンがソドムアームスを手に入れてもそれはオリンポスに
向けるのであって人間に向けるもんじゃない。意味ないからね。」
「帝都はどうなのですか?」 キリコが着替えてきた。
「オリンポスと密約を交わしてるし、1部の人間や眷属が関わるんだろうけど
1般の人に手は出さないと思うよ。ティーターンだって信仰の力は必要だ。」
「それだと野外研修を狙う理由がわからなくなりませんか?」
「それなんだけどさ、クロノスが復活する頃に僕達の世代が良い戦士に成長する
だろうから今の内に潰しておこうって事だと思ってたんだけど、よくよく考え
るとちょっと無理があるよ。」
「どういう事だ?」
「だってさ、たかだか7,8年じゃあそうそう強くならないよ。神々の戦争に
参戦する程になるのは最初から神か眷族でしょ。」
「確かにな・・・。」
「いくら帝国がオリンポスと密約を交わしてると言っても、それはクロ兄と
ベル姉達で1般生徒が戦いに巻き込まれるとは思えないんだよ。」
「もしかして・・・。」
「うん。ティーターンの狙いは僕達だ。もちろんバーサーカーの実験がメイン
だろうけどね。白さんから連絡が来てると思うけどスタンビートが
起こってる。」
「ああ、聞いてる。」
「そのスタンビートや原因でもある魔王がどこまでオリンポス系の眷族達に
通用するか見たいんだろうね。」
「迷惑な・・・。」
「僕やアトムは参戦する気はないけど、みんなはわからないしそういう事は
ティーターンの連中は知らないからね。しかも何度も思惑を潰してるし。」
「今の所、参戦するつもりはないですが将来はわかりませんからね。」
「1般生徒を守りながらっていうハンデだね。なんだったら魔王を潰すけど?
ねっ、青ちゃん。」
「そうだな。この世界自体にあまり干渉する気はないがキリコが関わるなら話
は別だ。」
「ハンデ、大いに結構です。良い修行ですわ。」
「だってさ、青ちゃん。」
「ううむ・・・しかしなあ・・・。」
「あなた、自分の娘を信じられないの?」 白竜が帰ってきた。
「白竜、そうは言うがなあ・・・。」
「カエデが付いてるんだから問題ないわよ。きっとカエデ10%くらいで
なんとかなるでしょ?魔王ごとき。」
「いや白竜、子供相手に何言ってんの?魔王だよ魔王。」
「箱庭が稼働してるんだから鈴音や白華が使えるじゃない。」
「そうだった・・・。」
「カエデ、なるべく手出し無用でお願いします。修行になりませんから。」
「武闘派っすね。わかったよ、キャンプを楽しむ事にする。」
「お願いします。みなにはその旨を伝えておきます。」
野外研修は楽が出来そうだ。
その後、キリコの所で夕食。白竜もキリコも料理は駄目だがブラウニーの皆さん
が作る料理は美味い。
「カエデ、水晶ドクロはレプリカだったわ。」
「そっか。本物もどっかに封印されてるんだろうね。」
「おそらくね。方舟の件はキリコから聞いたわ。」
「夏休みに入りましたらクラブの女子でツアーを組む予定です。」
「ツアーって・・・。」
「大丈夫よ。ザードごときに遅れをとる子達じゃないわ。なにより氷系最強に
近いヒカミちゃんがいるのよ。」
「まあ、そうだけど・・・タイタンソードとブラストソードのスレイズは
近場にあるから。」
「ああ、テムが転生してるんだったな。他の連中はどうなんだ?」
「わからない。けどヘリオポリスの事だ、みんな転生してるかもね。
もしそうなら、きっとほっといてもアトムの元に集まるさ。」
「・・・・そうだな。」
屋敷に戻りリビングに行くとベル姉が居た。
「ただいまー。」
「カエデちゃん♡。」
「ゴブアン、ありがとう。助かったよ。純鉄のインゴットが300本作れた。
ギャラはどこに振り込めばいいかな?」
「必要ないわよ。」
「だめだよ。そういうのはちゃんとしないと。」
「そう・・・じゃあギルドの方に振り込んでおいてもらおうかしら。」
「了解。明日、振り込んでおくよ。」
「カエデちゃん、スタンビートの件は知ってるわね?」
「うん。」
「父さん達から連絡が来て明日から私達も行くわ。」
「ベル姉達も駆り出される位の大物なの?」
「イフリートとイフリータだそうよ。」
「げっ、つがい・・・。」
「帝都はクロ兄達が明日戻るようだから大丈夫だと思うけど、少し時間が掛かか
るかもね。」
「炎系の頂点付近だからね。ファイアーバードは?」
「かなり大きくなったけどイフリートは無理ね。」
「そっかあ・・・スタンビートの事は任せて。すごくやる気になってるから
キリコ達が。」
「フフフ、カエデちゃんじゃないのね。」
「手を出すなって。箱庭行きは延期だね。」
「残念だけどしょうがないわね。」
「アリ姉か華姉、氷系の極大魔法を使える?」
「華が何とかニブルヘイムを数発という所かしら。」
「足りない。父さん、白氷いけるかな?」
「どうかしら?まあ、いざとなったら神化して輝を使うわ。」
「神化・・・そっか、アス姉も神化してたもんな・・・。」
「クロ兄も私も、もう人でいるのが難しいわね。」
「いいの?」
「別に構わないわ。神界で暮らすわけでもないし師匠がそう簡単に消滅する
わけないし。何も変わらないわね。」
「大丈夫だと思うけど、助けが必要だったら呼んで。白氷使えるから。」
「フフ、ありがとう。」
檜風呂で考え事。
イフリートもイフリータもめっちゃ強い。炎の魔神とか炎の精霊とか呼ばれ方
は様々。炎系の神も雷系に負けないくらい多いけど、紅葉は舞にへーパイトスは
鍛冶の方の要素が強い。2柱と違うのは炎に特化してる事だろうな。
心配ではあるが輝を使うベル姉はおそらく最強だろう、クロノスと戦えるほど。
であれば僕は僕の出来る事をしよう。つまりキャンプ。グフフフ・・・・。
おやすみなさい。
お早う。ベル姉達は既に出発したようだ。何かあったら呼ばれるだろう。
今日はゴブアンの仕入れがんばるぞー。
クラブハウスへ行くと全員集合していた。
「キリコ、オマタのキャンプなんだけどベル姉達が急に出張になってさ
明日からでも大丈夫になったんだけど、どうする?」
「皆さん、明日からキャンプへ行けるようなんですが予定を入れてる人とか
居ますか?」
特には居ないようだ。
「では、明日クラブハウスに集合という事にします。カエデ、場所は?」
「そうだね安全を考えて橙国でやる事にしよう。」
「わかりました。今日からチームごとにアタックします。問題はないと思い
ますが怪我がないようにお願いします。」
コクーンで移動しチーム単位で受付する。
「こちらのチームは男子のみですが、大丈夫ですか?」
「ゴブリンのフロアーだけなので大丈夫です。」
「・・・パラサイズ。」 いや、まあそうなんだけど!
アルファとは道を変える。うまくいけばゴブリンキングの所で会うだろう。
僕らはじゃんけんをして布陣を決める。
1人はドロップ品の回収に専念、2人で倒す。
僕は回収係をゲット、ラッキー!
「それじゃあ2人ともよろしく。拉致されないでね。」
「・・・俺、ブラスターとF40使うわ。」
「僕はブッフ様オンリーで行くよ。」 銃がメインだな。
「来たよ!」
ゴブリンの集団が現れた。僕達が男だけのパーティーだとわかるとやる気を
失ったようで何か譲り合ってる・・・。
「・・・・。」
「何か申し訳ないような気が・・・。」
ヒュイン!シゲさんがブラスターをぶっ放した。
「おお、光魔法。久しぶりに見たよ。」
「アトム、1体逃げそうだぞ。仲間を呼ばれたら面倒だ。」
「了解。ブッフ様、お願いします。」
「わかった。炎弾でいいか?」
「御心のままに。」
ドンッ!火の玉がゴブリンを襲う。
「お見事です、ブッフ様。」
IAとの付き合い方って色々あるよねー。さっ、回収、回収。
「あら、おかわり来たよー。」
その後、次から次へとゴブリンが現れ30体程狩る。
「前に進めん。」
「まあ、攻略が目的じゃないからいんじゃない。ゴブアン、集まるし。」
「そうだな。」 回収してやっと前に進む。
「シーゲル、ストップ!」
「えっ?」
「トラップだ。ゴブリンがトラップ?」
「あれじゃない、ダンジョンの意思。」
「僕達を強敵認定したって事?」
「たぶんね。これから強敵がでてくるかもね。」
トラップに注意しながらゆっくり進む。アトムが斥候を務める。
「このでっかい鋸とか殺しにきてるよね。」
「ここはダンジョンなんだ、気は抜けない。」
「いや、鋸も回収してるじゃん!」
「オブジェクトだと思ったら回収できる不思議。」
「来たぞ・・・何か厳つい。」
「ムッキムキ。カエデ、あれって・・・。」
「気を付けてねー、男を狙うゴブリンだ。」
「えー!なんか嫌ー!」 ヒュインヒュイン!
ブラスターを乱射。そうかと思えばF40を出して狙撃。
絶対に近くに来させたくないようだ。そりゃそうか。
「何それカッコイイ。」
「僕、あんま使わないからあげるよ。」
「まじ、ありがとー。」
アトムも狙撃を始める。マシンガンじゃないし限界はある。
シゲさんがオートマタを出した。ボクサータイプのカンガルーだ。
「ぴょんちゃん、頼む。」
ぴょんちゃんが厳ついゴブリンの集団に突入。
漫画のようにゴブリンが飛んでいく。
「ねえカエデ、ぴょんちゃんがヒットマンスタイルなんだけど・・・。」
「そうだねえ・・・。」
シゲさんが1人で壊滅、主にぴょんちゃんが。
「ふぅ、生理的に無理。」
「ちょっと回収するから休んでて。」
さすがはゴリマッチョ集団、大きい武具が多い。生理的には厳しいが効率は
いい、僕が戦った訳ではないのでこれはこれでオーケー。
折れた武具も残さず回収。
「終わったよ。お昼にしよう。」
外に出るのは面倒なのでカモナで昼食。僕はパスタで2人はホットサンド。
「午前中だけでも結構回収できたし、もういいかも。」
「そうだな。バックオーダーを処理した方が来週が楽になる。」
「魔導具を入れると20個くらい。保留にしてるけど銃の依頼もあったよ。」
「へぇ・・・。じゃあ僕らは引き揚げてクラブハウスで仕事しよう。」
という事でキリコとヒカミに連絡しその旨を伝えダンジョンを出る。
それなりの数を討伐してるので受付で白い目で見られる事もなかった。
「カエデ様はゼロ・・・。」
「いや~、僕はポーターでしたから。」
「クズ鉄を集めていたんですか?」
「学園で使うんですよ。」
アトリエに戻り製作開始。
まずは今日の分をインゴット化。沢山あったような気がしたがインゴットに
すると20本くらいだった。まあいいだろう。
剣と刀は2人に任せ僕は魔導具と銃の製作だ。
銃のオーダーは2年の生徒、普段使いというよりは護身用に忍ばせておきたいと。
狙われる覚えでもあるのか?小さければ小さい程いいという事。
う~む、特尉時代、非常用にカード型の銃を持っていたがほとんど使う事は
なかった。魔石の問題もあるしデリンジャーくらいにしておこう。
錬金術で型を作り溶かした鉄を流し込む。お、重い。
女の人だし軽量化のサーキットを仕込み色はシルバーにしよう。
冷えるまで他のを作る。おお・・・ピッケルだ、登山クラブでもあるかな?
使いようによってはもちろん武具になる。
柄の部分の目立たない所にファントムのロゴをうつ。いいじゃん!
登山はしないが欲しくなる。ブッシュクラフトで取り扱ってもいいな。
次は・・・箱?あっ、背負子か。
なになに、料理道具を持ち歩きたい。どこへいこうが美味しい料理を
作りたい。成程、アイテムバッグは子供がこずかいで買える値段じゃない。
少しだけ拡張しておこう。未来の料理人だ。
「カモナ、桐ってあったっけ?」
「普通の桐でなければあります。」
「ああ、久遠島の。」
「はい。」
「う~ん、まっ大丈夫でしょ。少し貰える?」
「かしこまりました。」
おお、軽い。中に仕切り付け2段に、・・・・おかもちじゃん。
ショルダー部分は担ぎやすいように太く厚く。よし、完成。
背負ってみる。うん、いい感じだ。
ショルダーが緩いと背中が痛くなっちゃうからね。
さて、ひと休みだ。




