OGRE
「カエデ様、お客様です。」
「了解。」
エントランスに行くとマチルダ先輩が居た。
「マチルダ先輩、こんにちわ。」
「はい、こんにちわ。」
「どうされました?」
「ベル様に頼まれて、これを届けに。」 あっ、アイテムバッグ。
「ありがとうございます。素材がなくてどうしようかと思ってました。」
「カエデ君の依頼だったのですね。何でわざわざゴブリンを壊滅させたのか
不思議だったんです。よっぽどストレスが溜まってるのかと。」
「ははは、実際そうかもです。」
「本物の鬼神をみましたよ、しかも複数・・・怖かったです。あと桃先輩と
クリスタ先輩も笑いながらオーガロードを屠っていてびびりました。」
「帯同したんですか?」
「はい、最初からこれを私に頼むつもりだったようですね。」
「それは申し訳ありませんでした。」
「お気になさらず、ギャラはしっかり頂きましたので。それでこれから
スズメさんとケーキを食べに行くのです。」
2人は仲がいい。
「フフフ、そうなんですね。あっ、スズメが来ました。」
今日はケーキバイキングだそうだ。エルブスさん、大丈夫かな?
「みんな大量のゴブアンが届いたよ。」
「おお・・助かった。今アトムと取りに行くか話してたんだ。」
「精製しないとだけどね。」
という事で皆で精製。アトムもミナミも覚えたそうだ。そりゃ助かる。
どんどん純鉄のインゴットにして倉庫に収めていく。
「すごい量だね。全滅させたのかな?」
「そうだろうね。」
「僕達が行った時にリポップしてるかな?」
「それは大丈夫だと思うけど・・・。」
「シャドースカルか・・・。」
「まあ、アルファからデルタまでがなんとかするでしょ。」
「だな、俺達ゼータはゴブアン狙いだ。」
なんとか精製完了。ミナミはダウン。魔力を増やすのにはいい訓練だ。
ヒカミ特製ジュースでひと休み。
シゲさんとアトムはオーダーにとりかかり、僕は鉈と斧を1つ作る。
後は希望を聞いてからコピーだ。そういえばFクラスにアックス使いは
いないな。
「スズメ、ケーキバイキング中申し訳ない。純銀の相場ってわかる?」
「はい、純度100パーセントだと1Gで金貨2枚程です。」
「ありがとう。」
全部でインゴットが300個程、金貨600枚なり。
赤字だが今回はいいだろう。
「ちょっと魔導院に行ってくるよ。時間によっては直帰するね。」
などと営業マンのような事を言い、ザイルと共に魔導院へ。
僕は姿を隠しているよ、魔導エレベーターで最上階に到着。
「ちわー。」
「おうカエデ、待ちかねたぞ。」
「老けた?」
「よせ!まじで気にしてるんだぞ!たぶんストレスだな。」
「カエデ、魔導院は繁忙期でがっぽがっぽです。」
「がっぽがっぽ言うな!」
「でっ、何の用?」
「モンスターの活性化については先輩方に聞いている、魔王の事もな。」
「やれやれだよ。」
「全くだ。だがそうも言っておれん。という事でモンスターの討伐の依頼だ。
手が回らない所のを片付けて欲しい。」
「何のひねりもないね。」
「ひねってどうする!帝都からガーネットに向かう街道で商人や旅人がオーガ
に襲われている、生き残った連中の話だとかなり組織化された動きだそうだ。」
「オーガキング・・・。」
「おそらくな。」
「オーガキングの相手を子供に押し付けるとは・・・。」
「しょうがないだろ!人手が足りん!蘭先生に相談したらカエデ達に頼めって
言うし。」
「あんのババア!おっと危ない、蘭お姉様ったら・・・。まあガーネット方面なら
ほっとくわけにもいかないから受けるよ。」
「おお、助かる。ギャラは探偵社の方に振り込んでおく。」
「さてと、じゃあちょっと行ってくるけどザイルも行く?」
「もちろんです。」
「他にも行きたい人居るかな?」
「シーゲルとアトム以外は。」
「よし、呼ぼう。まずは作戦会議だね、イド君。」
「かしこまりました。」
街道上空へ移動。コーヒーを飲んでたらぞくぞくと集まってきた。
戦闘狂共め!アカリも居るし・・・。
「急だけど街道に出るオーガの討伐を頼まれた。組織的な動きをするそうだから
間違いなくオーガキングが居るね。今回は特に制約もないから好きに
暴れてくれて構わない。」
「カエデ様、キャラバンがオーガに襲われています。」
「了解。行こう、念の為狐のお面をつけてね。エイル、上空から巣を。」
「わかりました。」
キャラバンを襲っているオーガは6体。指示を出してる奴がいる。
「諭吉と才蔵でリーダー、頼む。」
「わかった。」
「キリコ、ヒカミ、アカリで他のを。」 アカリもお面は付けている。
「「「わかりました。」」」
「ザイル、キャラバンで怪我してる人の治療を。」
「わかりました。」
おお・・・さすがはオーガ、でかいな。僕は増援を警戒しつつ観察。
ずいぶんちゃんとした武具を使ってるな・・誰が供給してる?
「カエデ、巣を見つけました。しかし、そちらに増援が30体程向かってます。」
「うへぇ・・・、了解。ザイル、治療は?」
「終わりました。」
「どっちに向かってるキャラバン?」
「帝都だそうです。」
「輸送用のジープは走れるかな?」
「ええと・・・。」
「俺が直すから大丈夫だ。」 シゲさんとアトムがきた。
「直したらすぐに帝都に向かってもらって。」
「了解。」
ここにいたオーガは全滅。
「みんな、30体程おかわりがくる。」
「こいつら結構硬い。あと、魔法も使ってくるぞ。」
「それなら森の中より街道で迎え撃ったほうがいいか。諭吉、頼む。」
「了解。」 スズメとエイルも加わる。
「エイル、巣までの案内よろしく。」
「私も行きます。って天舟が言えって・・・。」
「天舟、大丈夫なの?」
「いえ、ぎりです。ですがオーガキングを見せておきたく。」
「成程。エイルがいるし死んでも大丈夫か。」
「え、えー・・・・。」
大量のオーガが街道に出て来た。皆なら大丈夫だろ、過剰戦力かもだし。
3人で木から木へ移動。へぇ・・2人とも身体能力が上がってるな。
エイルはともかくアカリはちゃんと修行してるんだなあ。
「あそこです。」
うわぁ・・巣というより砦じゃん。けっこう残ってるし・・・。
「サンダーボルト。」 バリバリバリ!門を吹き飛ばす。
「おじゃましま~す。」
「ひぇ~。」
「んじゃアカリ、キングいってみよう。他のは僕にお任せを。」
「スパルタッ!ふぅ、しょうがないですねえ・・・。」
アカリは何か呟いた。すると額に菱形の紋章が現れた。
へぇ、雰囲気が変わったな。
「オーガキングごとき瞬殺だ!」 言葉遣いも変わったー!
「行くぞ、天舟!」
「はっ。」
「・・・何あれ?」
「あれは強化紋だそうです。普段から額に力を貯めておいて、いざという時に
解放。そして寝込む。」
「駄目じゃん!エイルはアカリのサポートしてあげて。」
「50体以上いますけど・・・。」
「大丈夫、魔法を使うから。神刀やIA達が箱庭に居るからリソースあまってる
んだよ。フレンドリーファイアに注意して。極大使っちゃう、ウフ♡。」
「ウフ♡じゃないですよ。程々でお願いします。」
エイルは斬鉄剣プラス鎧にチェンジして向かっていった。
さてと、まず外とキングの所に行かないように結界を張ろう。お久しぶりの
陰陽術。祝詞をつぶやく印を結ぶ。「封」
でかい六芒星が天から降りオーガ達を囲む。こんなもんだろ。
そんじゃあ1発、でかいの打つか。今の僕には枷がない。
「加具土命。」
炎というより光がオーガ達を包む。1瞬でオーガ達が消えた。
やばっ!溶岩化してる!
「白氷!」 ピキピキピキ・・・溶岩が凍った。
ふぅ・・・制御は難しいな・・・。
さて、オーガキングはっと。ありゃ、アカリが傷だらけ。
「エイル、大丈夫なのあれ?」
「天舟がギリギリまでタイマンさせてくれって。それよりあの永久凍土は
何ですか?」
「いや~魔法の制御が難しくってさ。溶岩になっちゃったからとりあえず
凍らしたんだよ。」
「数分もたってないですよ。」
「強力な魔法も考えもんだね。」
「・・・・。」
「ふぅ・・・しんどいな。じじいも天舟も覚醒せずに強くなれとは
無茶を言う。」
「アカリ、人間をやめる気がないならそれしかないですよ。」
「わかってるさ。いい手本が目の前にある。」
「カエデ様・・・・。」
「さて2人が見ている。そろそろ終わらせようか。」
「そうですね。」
んっ、アカリの構えが変わった。あの構えは見た事あるな、確か・・・。
「柊枷。」
棍棒みたいなごつい槍に天舟を走らせオーガキングの首をはねた。
お見事!
「ふぅ、なんとかなったか・・・。」
額の紋章が消えアカリはぶっ倒れた。
「エイル。」
「はいはい。」 傷は瞬く間に消えた。
「魔力は自然に戻した方がいいでしょう。」
「これで依頼は完了だ。帰ろう。」
「はい。」
アカリをおんぶして街道に戻る。終わってるかな?
街道に出ると丁度キリコがオーガリーダーを倒したところだった。
「お疲れー。」
「そっちも終わったようだな。アカリは大丈夫か?」
「オーガキングを1人で倒したよ。」
「それはすごいな。」
「魔力切れです。」
アカリはカモナが回収して寝かせた。
「何か光りましたが?」
「カエデがオーガを50体程、瞬殺したのです。」
「・・・50体。」
「いや~久しぶりに魔法を使ったら制御がむずくってさ。使えないよ。」
「いい観光地になるんじゃないですか?あの永久凍土。」
「えっ?何を・・・まさか白氷ですか?」
「いや~加具土命を使ったら溶岩化しちゃってさ、それを冷やすのにテヘ♡。」
「加具土命!」
「私、まだ白氷はうまく使えません。」
「私も加具土命は無理です。」
「まあまあ、魔導院からの依頼は完了だ。夕食にしよう。」
なんとなくワイズ邸で食べる事に。
「ワイズ―、夕食いいかな?」
「用意できております。」
「それにしても硬いオーガでした。活性化の影響でしょうか?」
「そうかもね。でもみんなノーマルのままでやったんでしょ?」
「ノーマル言うな!」
「大人化すると能力は跳ね上がるのですが、それでは修行にならないかと。」
「大人になって戦うのは神だけでいいですよ。」
「まあその辺は任せるけど、鎧は付けてね。」
「わかりました。」
今夜は高級そうなしゃぶしゃぶだ。うめー!
「やつら、結構いい武具を使っていたな。」
「そうだ、調べたかったんだ。回収できた?」
「ああ、ギルドやレットアに売ろうと思って全て回収した。」
「オーガキングのごつい槍も回収しておきましたよ。」
「シゲさん、スズメ。後でちょっと見てみよう。」
「カエデ様、アカリ様がお目覚めに。」
「夕食にしてもらおう。ヒカミ、あれある?」
「ありますよ。」
「皆さん、申し訳ありませんでした。不覚にも気を失ってしまいました。」
エイルがジーっとアカリを視ている。
「大丈夫なようですね。魔力は2,3日もあれば完全回復するでしょう。」
「ありがとうございます。お腹空きました。」
「美味いよ、しゃぶしゃぶ。」
「おお・・・。」
「アカリがオーガキング、倒したそうですね。」
「ええ、天舟のスパルタのせいでそのような事に・・・。奥の手を放出して
しまいました。」
「ああ、あの額に紋章が浮き出るやつ。」
「はい、あまり使いたくないんです。」
「何で?人格が変わるから?」
「そうなんです。原因はわからないのですが男っぽくなってしまうんです。」
「別にいいと思うけど。」
「嫌です!乙女のまま強くなりないんですよ。」
「そういうもんかね、久しぶりに柊枷見たよ。」
「シュウカって何だ?」
「麻呂が使ってた剣技。簡単に言うとカウンターだね。」
「簡単すぎてわからん。」
「例えば僕がカウンターを使うなら相手の攻撃を避けながらになる。その場合
相手のスピードより絶対に速くないと無理。オーケー?」
「オーケー。」
「柊枷はスピードに関係なくカウンターを決める事ができる。もちろん、
目の良さとかタイミングは必要だけどね。」
「そういう事ですか・・・。確かにそれならカウンターの確立が上がります。」
「スズメ、わかったのか?俺はさっぱりだ。」
「諭吉もカエデと同じくスピードタイプですからね。ようは相手の武具で道を
作るんです。そうすれば相手の攻撃も逸らせますし
確実に相手に当てれますから。」
「わかったでござる。カエデ殿、いわゆる抜きですな。」
「近いね。オーガキングはごっつい槍を振り回していたんだけど、アカリは
その槍の上に刀を滑らせ首をはねた。」
「滑らせる事で攻撃の軌道をずらしたんだな。」
「それはそれで勇気がいるな。」
「もしかしたら男っぽくなるのはそれが原因かもね。」
「嫌です!」




