LAID BACK
「それじゃあ僕は婆ちゃんの所へ行って来るよ。」
「カエデ、僕が言うのもなんだけどちゃんと休んでるの?」
「・・・・休んでない。」
「大丈夫だアトム。こいつは普段から3%の出力だ。」
「失礼な!5%くらいだ。」
「つまり省エネってわけね。あれ?アズールの時は?」
「3%ぎりぎりで処理できたっていう事だ。」
「さすがは我が王ってところだね。」
「省エネだって疲れるものは疲れるんだぞ。あー早くキャンプしたい。」
ワイズ邸に転位、ここからはコクーンで行く。転位ばかりだと疲れるからね。
「ワイズ―、ちょっと塔のダンジョン街に行ってくるよ。」
「承知しました。」
「婆ちゃん、居るー。」
「おお、カエデ。旅の準備をしていたところじゃよ。」
「丁度いいところに来た。婆ちゃんの旅のお供を持ってきた。」
「お供?」
「ちょっと中庭に行こう。」
中庭でラバンさんを出す。
「な、なんじゃこれは?」
「キャンピングジープ。旅の脚であり宿でもある。中に入ろう。」
「うおっ!広い。外から見たサイズとは全然違うのう・・・。」
「まあ、一応ガーネットだからね。」
「時空魔法・・・。」
「運転はラバンさんがしてくれる。IAだよ。」
「なんと、既に人化しとるではないか。」
「お初にお目にかかります、ラバンと申します。旅の安全はお任せを。」
「カモナと同じで外でも行動できるから、運転兼護衛。ラバンさんは強いから。」
「ええんかのう・・・。」
「大丈夫だよ。僕もラバンさんで旅がしたいんだけど学園があるし、
ラバンさんだって走りたいでしょ?」
「ええ、眠ってばかりいました。」
「食事はカモナと繋がってるから好きなの頼んで。酒もあるしね。
お風呂も露店風呂があるから。」
「至れり尽くせりじゃのう。」
「気にしないで、戻ったら黒竹を売って欲しいから婆ちゃんに何かあったら
困る。」
「フフフ、わかったのじゃ。」
「じゃあラバンさん、よろしくね。」
「かしこまりました。」
無国に戻る。そろそろ皆戻るだろう。
テラスでコーヒーを飲んでるとキリコ達がきた。
「お早うございます。コーヒー頂けますか?」
「どうぞ、もう夜だけどね。」
「すいません、自分達より強い相手と戦うのが久しぶりでした。
今日はツムギ様がいらっしゃると思って・・・。」
「まさか朝までやってたの?」
「はい・・・途中から他の神刀の方達も参加しだして・・・。」
「いや~全員、強いのなんのって。」
「色々学ばせて頂きました。私は2刀流という事もあってちょっと力み過ぎ
だと指摘して頂きました。」
「私もです。剛の剣も柔の剣も基本は変わらないと。」
「修行、修行なの!」
「皆さん口を揃えてカエデの扱い方が刀の到達点だとおっしゃってました。」
「そうなの?意識した事はないけど。けど・・・確かに刀を握る時、強くは
握らないかも。」
「結果、私達はまだまだという事ですね。」
「いやいや、みんなまだ子供じゃん!全く・・・夕食にしよう。」
「カエデ様、皆様今日は戻らないそうです。それぞれの国に宿泊するそうです。」
「了解。それもいいね。」
諭吉とアトムも合流して夕食。そういえばヒカミが居ない。
「キリコ、ヒカミは白国に戻ったの?」
「いえ、こちらの厨房ですよ。よくわかりませんがサインをもらうとか?」
「えっ、ヒカミも?」 バウンズすげーすっ。
「素材はわからんが、全部うめー!」
「本当だね。これはすごいわ。」
「いつも美味しいですが、今夜はまた一段と・・・。」
「昨夜、大人化して戦ったせいでしょうか食が進みます。」
「朝、昼、食べずに寝てましたからね。」
「これは驚きですねえ・・・。」
「私、最近胸がきつくて・・・。」
「・・・・仕立て直しですね。」
「栄養が全て胸にいってるのでは?」
「そ、そんな事・・・美味しすぎて食べ過ぎてしまうからでしょうか?」
「それでしたら、女子全員です。」
「いや、皆の衆も十分に魔乳ではござらんか?」
「才蔵、あなたもさらしで隠しきれてませんよ。」
「ア、アトム、だ、駄目だ見るな。」
「えっ、でも自然と目が・・・ギャーッス!」
フェニックスとサンダーボールのデュエルだ。生きてるのかこいつ・・・。
プスプスいってるけど・・・まあ神だし大丈夫だろう。
にしても料理が美味いから何で魔乳の話に・・・。
「諭吉・・・魔乳って何だ?」
「念話といえども俺に聞くな!」
「才蔵、魔乳って何?」
「ああ、それはでござるな、ただでかいだけなら巨乳。それに加え形、張り等を
総合してフェロモンを出す乳でござるな。」
「へぇ、くノ一用語?」
「そうでござるよ。」
そんな会話をしながら僕はフェニックスやサンダーボール、糸からひょいひょい
避けてる。
「クッ、ちょこまかと・・・。」
「避けながら会話しさらにご飯も食べている・・・やはりカエデが最強ですか。」
「いえ、諭吉もすごいですよ。カエデがほとんど盾にしてますが全て避けきって
います。」
「さすがはファントムのアタッカーというところでしょうか。」
「おい!お前ら!いい加減にしろ!」
ちなみにシュリ叔父さんとヒカミは明日、バウンズと狩りに行くそうだ。
キャンプ飯について現場で討論するそうだ。僕も参加したいがバウンズの狩りは
命懸けなのでパス。休みもあと1日なんだから、ダラダラしたいじゃないか。
男子で温泉。
「あ~死ぬかと思った。神で良かったよ。」
「見て見ぬふりを覚えないと、神といえども消滅するぞ。」
「何、その極意!」
「うちは女子の方が圧倒的だ。カエデのせいで。」
「何で僕のせいなんだよ!アトムやボルタも居るだろ!」
「アホ!それ以上に新女子を連れてくるだろ!」
「何、新女子って!」
「休み明けから神剣持ちも来るだろ。」
「そうだった・・・。」
「当面は野外研修とバーサーカー?」
「そうなるかな。Fクラスはみんなに任せるよ。僕は目安箱とたまには探偵社に
顔も出さないとね。魔導院にも呼ばれてるし。」
「1年生とは思えない多忙ぶりだね。」
「フフフ、アトムよ。忙しくなるのは僕だけじゃない、大会優勝様。」
「・・・・そうだった。」
「表彰式と祝勝会があるな。」
「まあ僕はともかく、他のみんなは頑張ったからね。」
「学園も少しは変わるか・・・。」
「そうだといいね。その為にみんな頑張ったんだし。」
翌朝、ランニングと素振り。
おっ、みんなの素振りの音が少し変わったかも。
キリコなんて今までゴウッ!だったもんな。ザイルも大鎌をゴウッ!だったけど
アルナイルを剣にして素振りをしている。エイルの剣は少し変則だ、斬鉄剣を
両手で持つ事はない。スズメは素振りの時、2刀ではなく1刀だ。
何だかんだとみな個性がでるもんだな。
さて朝食だ。バウンズ達はすでに出掛けたようだがバウンズが居なくても
ちゃんと美味しいから。
「みんな、今日はどうするの?」
「私はビショップさんの所へ。いい物件が見つかったそうなので。」
「私は開業準備ですね、建物はできたそうです。早い!」
「私は橙国の森へ。ディキャンプをしに。」
「私は一足先に帝国へ戻ります。」
「了解。」
「カエデは?」
「そうだなあ、ダラダラするつもりだったけどディキャンプもいいね。
よし、僕も橙国へ行くよ。」
という事でザイルと橙国の森へ。天気もいいし湖に行く事にしよう。
ジープ泊用のターフのテストができる。
「うわー、綺麗な湖ですねー。」
「魚も沢山居るんだよ。昼食は釣った魚にしよう。」
「いいですねー。」
早速、ジープ用のターフを張る。雨避けにも日除けにもなる優れものだ。
「成程、それはそう使うんですね。私はハンモックとターフにします。」
「おお、玄人だね。ジープは?」
「私はバイク派ですね。風を切る感じが好きです。」
「わかるわあ、それ。釣り竿持ってる?」
「はい。」
「よし、じゃあ早速釣りに入ろう。UWBをつけておいて。」
「えっ?」
「釣ればわかるよ。」
釣り糸を垂らした瞬間にあたりが来る。
「キャー!」
ザイルが湖に消えた。僕はわかっていたので何とか踏みとどまる。すげえ、
あたりだ。これはおそらく・・・・
「フンッ!」
釣れたー!やはりキングサーモン・・・。しかも僕の身長くらいある。
1匹あれば十分なサイズ。
ザッパーン!ザイルがキングサーモンに鯖折りを極めていたププ。
「ふー、驚きました。」
「ここの湖の魚やエビはでかいんだよ。」
「久遠島のマグロクラスの力でしたよ。」
「2匹あればスズメが来ても大丈夫だろう。」
「フフフ、そうですね。」
ザイルにキングサーモンの捌き方を教える。
「普通に塩焼きで旨いけど、沢山あるしちゃんちゃん焼きも作ろう。残りは燻製
にして野外研修に持っていこう。」
「わかりました。」
塩焼きはザイルが担当、僕はちゃんちゃん焼きと燻製。魚卵も沢山とれたので
イクラに加工。ライスはカモナの頼む。
アースコントロールで小屋を作り桜花のチップを引き詰める。
大量の切身をぶら下げてファイヤーボールで点火。
小1時間程度で完成するだろう。Fクラス全員分のだ、米さえ炊けば旨い飯が
食える。
「さすがカエデ、流れるような作業です。いい匂いですねえ。」
「こうやって燻製にしておけば日持ちするからね、時間があれば干物にしても
美味しいね。」
「食材の持ち込みはNGじゃなかったですか?」
「そうだけど、何が起こるかわからないからねえ。あくまで非常食さ。」
「成程。」
大きなバナーヌの葉に野菜やキングサーモンを敷き甘めの味噌で味付け。
骨もこんがり焼いて出汁をとる。いいスープができるんだ。
「いい匂いですねえ。」 やはりスズメが来た。
「昼食はキングサーモン尽くしだよ。」
「いいですねー。私もハンモックにしましょう。ザイル、隣いいですか?」
「もちろんですが、ハンモックを吊るす木が・・・。」
「ああ、大丈夫です。」
スズメが地面に手をついて何か呟いている。精霊術だ、ハンモックを吊るすのに
丁度いい木がニョキニョキと生えてきた。
「こんなもんですね、ありがとう。」
そそくさとハンモックを吊るす。
「カエデ、こんなに燻製を作って売り出すんですか?私、買いますけど。」
「売り物じゃないよ、野外研修前にFクラスの連中に持たせるんだ。」
「過保護ですね。でも、嬉しいです。金網を用意しておきましょう。」
「そうか・・・あった方がいいな。色々、焼けるし。」
「まさか金網も用意するつもりでは?」
「大丈夫だよ、コピー出来るから。」
「いえ、そういう問題ではなくて・・・。」
「そうなるとサバイバルキットを作りたくなるな。小さいアイテムバッグを
作って戦闘服に収納できるようにしよう。」
「・・・・。」
「いんじゃないですか。スズメ、実際何かが起こるでしょうし。」
「確かに。」
「塩焼きが完成しました。」
「こっちも出来たよ。スズメ、燻製も食べるでしょ?」
「もちろんです。」 米を炊きあがっている。
「スープはねぎしか入ってないけど、美味いから。」
「こ、これは・・・。」
「はぁ・・・。」
「久しぶりに食べたけど、塩焼きも旨いねえ。刑部もどう?」
「「えっ?」」
「何だ気づいてたのか、久しぶりだな我が王。いい匂いに釣られた。」
「ははは、匂いだけじゃないよ。まじ、美味いから。それと今はカエデね。
2人とも紹介する、橙国の刑部。彼は妖狸で響さんの補佐をしてる。」
「初めましてギョウブ様、スズメ・スザクです。」
「んっ、朱の姫か・・・そっちの嬢ちゃんは確か橙国にだったな。」
「はい。ザイル・ミヨシと申します。屋敷は持ちませんがこの森での
キャンプをメインに考えてます。」
「女の子だろ?」
「ザイルは北の2柱の娘。まあ、神だな。」
「何と!神であったか・・・の割には普通?」
「はい、結果として神ですが普通の人と変わりませんよ。まだ11歳ですし。」
「そうか、それでも2人が来た事で森がざわついていてな様子を見に来た。」
「そりゃそうだよ。スズメはエルとアフロディーテの孫でもあるから。」
「何と!精霊王のお孫様・・・。」
「刑部は僕の槍の師匠みたいなもんだよ。」
「やめてくれ、恐れ多いぞ我が王。」
「我が王はやめてよ。それより冷める前に食べよう。ソーマ飲む?」
「はぁ?相変わらずでたらめな・・・もちろん呑む。」
「その徳利にも入れておくから響さんとでも呑んで。」
「おお・・・響も喜ぶ。」
「今、僕の家族も来てるんじゃない?」
「バロン達の事か?」
「うん、バロンは爺ちゃんだ。」
「響にこき使われていたぞ。」
「ええ・・・それで戻って来なかったのか。」
「春にも驚いた。玉藻かと思って焦ったぞ。」
「ははは、間違いではないんだけどね。今は三尾だけど。」
「春が響をサポートしてくれれば俺は土木工事に専念できるから助かる。
建築ラッシュなんだ。」
「そっか、諭吉達も橙国に屋敷を建てるって言ってたもんな。」
「愛染の息子か?」
「そうそう。」
「あれだな、カエデは転生しても変わらないのな。」
「いや、変わったよ。今はスローライフ命だ。」
「それもよかろう。馳走になった、ゆっくりしていってくれ。」
ボンッ!て消えた。
「ギョウブ様もお強いですねえ。」
「そうだね。槍を扱わせたら青ちゃんクラスだよ。」




