REUNION
食堂に行くとみんな起きてきていた。
「お早う、よく眠れた?」
「カエデちゃん、すごいよ!久しぶりにシュリ達に会ったのもあって結構
吞んじゃったんだけどスッキリなんだ。」
「気持ちが良すぎて起きれんかったわい。」
「ははは、爺ちゃん疲れてたんじゃない?」
「温泉もやばいわカエデちゃん!トュルットュルッよトュルットュルッ。」
「母さん、それは知らない。」
「えっ?」
「ああ、それは女性用の温泉はお肌の肌理を整える成分が強化されてますから。」
「ラスプ・・・知らんかった。」 言い忘れてたけどラスプは女性だから。
「カエデ、めしも旨い!料理長は凄腕なのか?」
「バウンズは凄腕だよ、ヒカミクラス。」
「今なんてったー!」
「えっ、バウンズは凄腕かな・・・。」
「何ー!料理長はバウンズ様なのかー!」
「シュリ叔父さん、バウンズを知ってるの?」
「知ってるも何も俺の心の師。Sランク冒険者にして最強のグルメハンター。
バウンズ様の著書は全て家宝だ!」
「ああ、あの金庫にしまってある本ね。」
「クソー、持ってくれば良かった。サインほしー!」
「全く・・朝から騒々しいですね。シュリ、あなたは宗主なのですから
もう少し威厳をですね・・・。」
「あらツムギ、久しぶり。思ってたより老けないわね、何で?」
「ス・ズ・ネ・様ー!」 婆ちゃんは号泣しながら鈴音に抱き着いた。
「ちょ、ちょっとツムギ。清春も変わらないわね、妖怪か何かかしら?」
「違いますよ。ちゃんと老人です鈴音様。」
「あらバロンも居るわね。あなたは・・・じじいね。」
「いや、これが普通じゃから!」
「それ以外の人達もやばいわね。楓、何なの?人外の集まりかしら?」
「違うから!僕の家族だから!」
「やっぱり人外じゃない。」
「・・・・そうかも。」
「カエデちゃん、そこは否定してくれなきゃ。
初めまして、ロイド・ガーネットです。そして弟のバート母のヘンリエッタ。
おそらくこの3人は普通です。」
「えっ?神格持ってるじゃない。普通は神格持ってないわよ。望めば神よ神。
しかも既に神が何人かいるじゃない。」
「えっ?そうなのカエデちゃん?」
「まあそうだね。アス姉は既に神化してるし母さん以外は人間やめれるね。」
「えっ?私は違うの?何か嫌!」
「ああ、母さんは僕と同じでこの世界の特異点なんだよ。」
「カエデちゃんと同じ・・・ならいいわ!」
鈴音の登場で大騒ぎになったよ・・・シュリ叔父さんは厨房に突撃したし。
「鈴音、キリコ達は?」
「寝てるわよ。みんなそこそこ強いけどまだまだあなたの嫁とは認めない。」
「違うから!」
コーヒーを飲んでやっとみんな落ち着いた。
シュリ叔父さんは帰ってこない・・・。
「さてと、父さん達は観光?」
「そうだね、勉強のためにもなるべく多くの国を見たいな。」
「了解、ラスプお願い。イド君使って。」
「承知しました。」
「清春爺ちゃん、スザさんは朱国に居るから。」
「何か緊張してきたよ。」
「ははは、大丈夫だよ。バロン爺ちゃん、響さんは。」
「橙国じゃろ。懐かしいのう・・。」
「ツムギ婆ちゃんは鈴音の所ね。」
「ええ。」
「鈍ってないか勝負よ!」
「望む所です。今日こそ1本とります。」
「ヘンリエッタ婆ちゃん、レイピアの達人も居るけど?」
「ほぅ・・・。是非、お会いしたいですね。」
「カモナ、婆ちゃんをビーの所へ案内してあげて。」
「かしこまりました。」
「カエデ、ビーとはもしかして天使族の方ですか?」
「そうだよ、知ってるの?」
「空島のレイピアの会の皆さんが口を揃えて最強は天使族のビーだと
仰ってたの。」
「いや、レイピアの会って・・・。まさにそのビーだよ。」
「楽しみが増えました。」
みな、それぞれのツアーに出掛けた。夜までは戻らないだろう。
さて、僕はのんびりと・・・銃を作ろう。
鬼灯のガティックブラスターを見て僕も欲しくなった、ブラスターと名が
付いてるがリボルバーだ。ブレイクオープンに改良しよう。
357マグナム弾で小型の割には強力なんだよ、出力も抑えない。グフッ。
そうだ、スリルの分も作っておこう。神銃なんだけどね・・・。
よし!完成。漆黒のボディが超カッコイイ、ホルスターも作って腰に下げる。
おお・・・、この重みも良い。いつ使うかわからんが・・・。
後は久遠島に行ってコーデックス達の世話だ。
「紅緒さん、昼食お願い。」
「良いエビがありますのでグラタンなんかいかがです?ヴィータ様の好物
なんです。」
「グラタンなんか久しぶりだよ。っていうかヴィータってまだ居るの?」
「植物三昧だと生き生きしてますよ。今日は笑君と森の奥へ。」
「学園どうすんだ?」
「ここから通うって仰ってました。」
「まあ、毎日行く訳じゃないから大丈夫か。サンルームに居るからできたら
呼んで。」
「承知しました。」
鼻歌を唄いながら水をやる。
パキポ系は大きくはなっているがまだ親指大。だが、それがいい。
1鉢1鉢、生長のチェック。いや~、楽しいなあ。
箱庭の森の植生ってどうだったかな?戻ったら散歩がてら調べよう。
鉢がほすいー、ベンソンに行くのも面倒だな。よし、陶器体じゃなくカーボン
で作ってみよう。昔使ってた3Dプリンター製の鉢を思い出しながら作る。
これも漆黒でいい感じ・・・箱庭でコーデックスが無ければ山野草盆栽も
いいな。早速、グラキリスを植え替える。おお・・・カッコええ・・・。
グラキリス達も嬉しそうに見えるよ。
「カエデ様、出来ました。」
「今行くよ。」
食堂に行くと玄君が居た。
「楓、来てたんだ。」
「うん、サンルームの様子を見に。久遠は?」
「修行。」
「そっか、どうここは?」
「素晴らしいよ。創作意欲が湧きまくり。ヴィータが居て驚いたけど。」
「ヴィータは学園で教師をしてるよ。」
「そうらしいね。まあ、植物に関して右にでれるのは楓くらいだろ。」
そんな話をしているとヴィータと笑君がモクちゃんに乗って戻った。
まさに筋斗雲ね。
「おうカエデ、武道大会は終わったのか?」
「終わったよ。」
「そうか、来週から週一で戻るとしよう。ここは天国じゃからのう。」
「そうして。笑君、問題は?」
「ないぞ。ニイもしょっちゅう来てるしな。」
「僕ももっと来たいんだけどねえ・・・。」
みんなで超美味しいえびグラタン。
紅緒さんはおかもちにえびグラタンを入れ、先生と久遠に届けに行った。
出前かよ!
「ここは崑崙山にも繋がってるんだね、久しぶりに八仙と会った。」
「そうなんだよ。今外で龍神交代レースが行われててね。玄君、ヒカルって
覚えてる?」
「ヒカル・・・あのはぐれ陰陽師の青坊主?」
「そうそう、ヒカルがキングドラゴンだったんだよ。」
「まあ人間じゃないと思ってたけど・・・。」
「何だ、気づいてたんだ。」
「あの女好きは人間だったらもう何回も死んでるよ。」
「ははは、違いない。それでディアナドラゴンの力を借りにね。」
「成程ね。加担してるの?」
「いや、なるべく関わらないようにしてる。ヒカルにはヒカルの物語がある。」
「その方がいいね。また死ねなくなるよ。」
「いや、今生こそ絶対に死ぬ!」
「カエデ・・・何か違うような気がするのう・・・。」
コーデックスの事は笑君にナッツをたっぷり渡し頼み。
「まあ、ポリポリしょうがポリポリまかせポリポリ。」
ポリポリという新しい言葉に聞こえたよ。無国に戻りアトムの屋敷に。
「たのもー。」
「カエデ様、お久しぶりです。」
「やあ、ゾルダム。」
ゾルダムはテムの部下だった女の人。最終決戦の時、テムは彼女を残して
行った。なにか予感するものがあったんだろう。
「また仕えるのかい?確か高学の教師になったはずだけど。」
「仕えませんよ。教師の仕事が好きですし。ただ、何かあればお手伝いします。」
「そうなんだ。何もないのが1番だけどね。」
「ええ。テム・・・アトムはプールサイドに。諭吉様もご一緒です。」
「ありがとう。」
アトムの屋敷はいわゆる洋風。プール付き。
「やあ。」
2人はプールサイドにパラソルを立ててトロピカルジュースを飲んでいた。
何気に2人は仲がいい。ただ違和感しかねえけどな。
「・・・似合わんなあ。」
「ほっとけ!俺、橙国の屋敷はこんな感じにする。」
「いんじゃない。諭吉は今までほとんど神居風だったし。」
「随分と騒がしかったけど、鈴音のとこ。あっ、今もか。」
「すんません、うちの家族が・・・。」
「トロピカルジュース飲む?」
「飲む。」
「いや~いいな箱庭。」
「そう?他の所とそんなに変わらないと思うけど。」
「他の所だとつい仕事の事を考えるからな。いい食材がないかとか。」
「まあここは普通の食材しかないからね。」
「その普通がとんでもなく旨いんだがな。」
「アトム、頼みたい事があってさ。」
「何だい、我が王。」
「やめろ。アトムんちで黒竹の量産をして欲しいんだよ。」
「うち農家じゃないよ。」
「ああ、黒竹って野菜じゃなくて武具。これだよ。」
「棒?」
「そこの握りのボタンを押してみて。」 ジャキーンと伸びた。
「おお・・・でも棒?」
「警棒といって殺さずに制圧する時に使うんだよ。大会中に婆ちゃんの屋台で
置いてもらって結構、売れたんだ。スズメ達がそれのクラブも作った。」
「へぇ、確かに刃が付いてるわけじゃないし、エストックほど鋭くもないか。
殴られたら痛そうだけど。」
「スズメとマチルダ先輩っていうのがAランク冒険者をそれで制圧してたよ。」
「まじか・・・。そのマチルダ先輩っていうのもとんでもないね。
了解、わかったよ。伯爵達のお陰でうちもだいぶゆとりがでてきてさ
職人さんを雇ったりしてるから大丈夫じゃないかな。」
「完成したら婆ちゃんの所で売ってもらうから。」
「急ぎ?」
「いや、ゆっくりでいいよ。婆ちゃん、しばらく仕入れの旅に出るって
言ってたから。」
「モンスターも活性化してるし危なくないのか?」
「レットア様は元Sランク冒険者だよ。」
「まじか・・・。」
「アトムは知ってたんだ。」
「いや、みんな知ってるから。蘭様のパーティーメンバーだよ。」
「知らんかった。でもまあ、念の為僕のキャンピングカーで行ってもらう。」
「ああ、あれ。ラバンさんが居れば大丈夫か。」
「キャンピングカーか、俺も作ろうかな。」
「あれはあれでいいものだよ。売れてるみたいだし。」
「よし!発注した。」
「はやっ!」
「それと来週、新入部員が入るから。」
「週一で連れてくるというか、見つけてくるというか・・・。」
「あきらめろアトム。これはカエデの趣味みたいなもんだ。」
「趣味じゃねーから!しょうがなかったんだよ。ボルタコースだ。」
「えっ、刀をあげたの?」
「刀じゃないけどね。ブラストソードだと思ってたら喋りだしてさ、
神剣だったんだよ。」
「ブラストソードで神剣・・・名前、言ってた?」
「言ってたよ、名はスレイズ。水系の美しい剣だ。」
「・・・・カエデ、それソドムアームス。」
「えっ!まあでもいっか。」
「かるっ!封印するんじゃなかったの?」
「スレイズ自身が彼女を選んだ。」
「そっか・・・。」
「どういう事だ?」
「神は別だけど、大抵は所有者の方が早く死ぬんだよ。」
「ああ・・・そういう事か。」
「剣に関しては全くの素人なんだけど、スレイズが鍛えて立派な剣士に育てる
と言ってた。けど、神剣でさらにソドムアームスとなると色々起こる。」
「それで新入部員か。」
「目の届く範囲に居てもらった方が。それにミナミと友人みたいだし。」
「ここまで人数が増えるとダンジョンは完全にチーム分けした方がいいかも。」
「そうだね、キリコに言っておいて。」
「了解。」




