TOURNAMENT 7
「まあ、魔剣や妖刀の更に上のランクになると話せるのも結構居るんだけどね。」
「更に上って・・・カエデ、もしや・・・。」
「このブラストソードはどうやら神剣のようだよ。」
「驚いたのう・・・。」
「私の残光も話しますね。」
「神刀だからね。婆ちゃん、ジュリに渡していいの?」
「それは構わんが、大丈夫なのかのう?」
「スレイズがジュリを立派な剣士に育てるってさ。」
「あのう、皆さん。先程から何の話を?1人増えてるような・・・。」
「ああ、ごめん。」 スレイズの偽装を取る。
「いや~ん。」 あ~なぐりてえ・・・。美しい水色の剣に。
「ジュリ、こいつは神剣スレイズ。」
「はっ?神剣?」
「そう神剣。さっきまで僕達も気づいてなかったけどね。これ使って。」
「えっ、嫌です。私には畏れ多いですしお金持ってません。」
「ああ、金ならカエデからもらうからええわい。」
「えっ、そんな・・・。」
「ジュリ、その人のために作られた神剣や神刀と違って野良の神剣は持ち主を選ぶ
んだ。スレイズがジュリを選んだんだよ。」
「ジュリよ、お前水属性だろ?」
「は、はい。」
「しかもただの水属性じゃないな。」
「・・・・。」
「どゆ事?」
「ジュリにはオケアノスの加護がある。」
「ああ成程ねえ・・・って、出来過ぎじゃねえ?」
「知るか!ジュリは2日前からこの辺うろうろしてたんだ。だから呼んだ。」
「ええ、確かに何かに呼ばれてるような気がして、丁度ミナミにも誘われて
ましたし。」
「そういう事だったんだ。婆ちゃん、ジュリでいいね?」
「もちろんじゃ。ジュリがどう成長するか楽しみじゃ。」
「成長ですか・・・。」
「婆ちゃんの趣味なんだよ。」
「趣味ですか・・・。」
「スレイズは目立つな。これ使って。」
小さいウエストバッグを渡す。もちろんアイテムバッグ。あとは・・・。
「ジュリ、クラブとかギルドとかは?」
「特に何も。貧乏ですから。」
「カエデ・・・。」
「わかってるよミナミ。じゃあさうちのクラブとギルドに入りなよ。
お金かからないし、神剣持ちは色々起こるからね。」
「・・・私、何もできませんよ。」
「別に何かしなきゃいけないって事はないよ。」
「ジュリ、そうして下さい。私も所属してますが楽しいですよ。」
「そう言えばミナミは変わりました。よく、笑うようになりました。
私と同じ陰キャ枠だったのに・・・。」
「クラブとギルドのお陰です。やりたい事も見つかったんですよ。」
「私もミナミのようになれるでしょうか?」
「任せろ、俺が笑えるようにしてやる。」
「スレイズさん・・・。」
「スレイズでいい。ジュリ、お前は持ってる力の1%も使えてねえ。
まず、ランニングからだ。」
「へっ?」
「フフ、私も残光に走らされています。」
という事でめでたくジュリは神剣所有者になり仲間になった。
オケアスノ、元気かな?
「婆ちゃん、いよいよ決勝戦だ。」
「そうじゃのう、年甲斐もなく胸躍るわい。」
「鬼丸は紅桜とやるんだ。」
「なんと!奇跡のマッチングだのう。鬼丸の小僧だけじゃなくFクラスの
応援をする事にするわい。」
「店は僕達に任せて。みんな決勝戦を見るだろうし暇だよ。」
「自分のクラスじゃろう?」
「モニターで見れるし、何かあったら転位するから。」
「わかったのじゃ。」
「会場は混んでるだろうから、スズメに迎えにきてもらうよ。」
「すまんのう。」
カモナに店の端っこにモニターを出してもらった。
「楽しみだねえ、どうなるか・・・。」
「1年生どおしの決勝戦とは・・・さすが黄金世代。」
「実力的には間違いなく5年Aクラスなんだけど棄権したから。」
「えっ、そうなんですか?」
「集団食中毒なんだってさ。」
「かなり暖かくなってきましたら・・あれは辛いんですよねえ。」
「・・・・。」
「あっ、あれですよ。学園に来てからは寮と学食で美味しい物を頂いてます。」
「・・・・。」
「おい、大丈夫なのかカエデ?ランニングもそうだが食事も大事だぞ。」
「・・・・。」
「何で私を見るんですか?私はガーネットでお世話になってましたから食中毒に
なった事はないですよ。ヘンリエッタ様には感謝しかありません。」
「良かった・・・おっ、雷帝の挨拶だ。決勝戦っぽいね。」
「あれが皇帝陛下ですか、という事は隣にいるのは聖女様。」
「そうそう。」
「更に隣にいるのは宰相様と勇者様。私、勇者様のファンなんです。」
「へぇ、そうなんだ。母さん、喜ぶよ。」
「へっ?今なんと?」
「母さんも喜ぶよ。かな。」
「えっー!もしかして、カエデはガーネット家の方ですか?」
「もしかしなくても、そうだけど。」
「ガーネットは地方貴族の憧れナンバーワンですよ!」
「そうなんだ。でも僕は出来損ないの次男坊だからね。」
「あっ、聞いた事あります。・・・本当に?」
「ジュリ、カエデは出来損ないではありません。戦っているところはまだ
見た事がありませんがクラブの皆さんは最強と言っていました。」
「はっはっは、メインの武器はモップだけどね。」
「モップですか・・・はっ、もしかしてガーネット家のお笑い担当?」
「違うけどね。」
こいつら全然、雷帝の挨拶を聞いてないな・・・。
「あれ?剣からじゃないのかな?」
「総合部門からみたいですね。」
「という事はゼルダと雷子か。」
「いえ、皇女じゃないみたいですよ。」
「あー!アズールのアホか・・・。」
「なんか皇帝陛下達に挨拶してますね。」
マイクのボリュームを上げる。
「皇帝陛下、聖女様。私はこの日のために修練を重ね、遂に神の力を手に
入れました。必ずや皇女様を優勝に導いてごらんにいれます。」
雷帝は苦笑いだ。あの、うんうん頷いてるのが諸悪の根源か・・・。
それにしても神の力か・・・。
「諭吉、シゲさん。」
「ちょっと控室に行くわ。仮想空間だから滅多な事はないと思うが・・・。」
「よろしく。ヒカミ、スズメ、クラスのみんなを。」
「「わかりました。」」
「エイルとザイルは怪我人に備えて。」
「「わかりました。」」
「ぬぅ・・・カエデ・ガーネットはどうした?」
「カエデは代表じゃないよ。」
「腰抜けめ!我に恐れをなして逃げたな!」
「当然だけど、そんな訳ないから。早くやろう、待ちくたびれた。」
「何だと!貴様、無礼だぞ!」
「はいはい、無礼で結構。プラズマボール。」
おお、ゼルダ。いかすじゃないか!試合はとっくに始まってるんだ。
プラズマボールを作ってたんだな。
「ぐわっ!貴様、不意打ちとは卑怯だぞ!」
「いやだって、とっくに試合は始まってるし後にも試合があるんだから
お前こそ進行の邪魔をするな。見せてみろよ、神の力ってやつを。」
ナイス!ゼルダ!いい煽りだ。
「メガネに似合わず滅茶苦茶、煽ってませんか?」
「メガネ関係ないから!でもいい作戦だよ。あのアホは沸点が低い。
見なよ、怒りで顔が真っ赤だ。」
「赤すぎます!」 やべっ!
「キリコ!おそらくあれがバーサーカーだ。気を付けて、棄権してもいい。」
「わかりました。ですがゼルダはやる気です。」
うっわー・・・角生えてるじゃん。1本だけど・・・戦闘服もびりびりだ。
「見よ!この姿!これぞ神!鬼神だ!」 鬼神?大嶽丸の力?
「何か苦しそうだけど?」
「この姿になると破壊衝動が抑えきれん!さっさとお前を血祭にあげてカエデ・
グワーネットを引きずり出す!」
「主旨、変わってんじゃん!」
「シゲさん、本体は?」
「鬼になってる!魔力がやばいぞ!」
「少しの間、みんなを守って。」
「わかった、武装する。」
「これ武道大会ですよね?」
「何かカエデ・グワーネットを狙ってるようですが・・・。」
全く・・・迷惑な話だ。
「ゼルダは大丈夫でしょうか?」
「いざとなったらキリコが介入する。」
ゼルダも強くなったがあれは駄目だ。神にはほど遠いがそれでも眷族くらいの
力はありそうだ。
Aクラスのチームメンバーも異変に気付いたようだ。
「ちょっと、アズール!これは武道大会よ!」
「黙れ、最弱!」
「何ですって!」 リナが切れとる。
「元々、おかしい奴ですが鬼と神は別物です。皇女、下がって下さい。
仮想空間とは言えあの霊気は危険です。」
おお、さすがキャンパー。冷静だ。
「アズール!皇帝陛下も見てるんです!変な仮装はやめてください!」
「クララ!だからお前は駄目なんだ。仮装ではなく鬼神だ!」
まだ言い合いするくらいの自我はあるか・・・。でも、自分で破壊衝動が
抑えられないって言ってたしな。
あっ、ゼルダが向かって行った!無理しないでね。
アズールが何かを一振りした。
「うわー!」
ゼルダが吹っ飛ばされた。危ねえ!あの戦闘服じゃなきゃ終わってる。
何を振ったんだ?
「カモナ、ズーム。」
「かしこまりました。」
「あれは・・・本物なのか?」
「何ですか、あの禍々しい剣は?」
「鬼帝、本物だったら国ひとつ滅ぼせる位の力はあるね。」
「本物ではないと?」
「本物はあれ程禍々しくはないぞ。むしろ、美しい剣だ。」
「スレイズも知ってるの?」
「うむ、何度か見た事がある。」
「ゼルダは起き上がれるでしょうか?」
「それは大丈夫だけど、これ以上は危険だ。ギブするんじゃない。」
「キリコが何かしてます。」
「棄権の申請だね。」 ナイス判断だ。
「アズール!ゼルダは棄権した!下がれ!」
「お待ちください皇女様。Fクラスなど我1人で十分でございます。」
「そういうルールじゃない!早く元に戻れ!」
「ぬう・・・まだ鬼神の力が理解していただけませんか・・・。仕方ありません
我の本当の力をお見せします!」
「アズール!お前は何をいってる!」
ああ・・・やっぱバーサーカーだわ。会話になっとらん。
「来たれ!我が下部達よ!」 鬼帝もどきを天に掲げた。従魔か?
「カエデ様!大量のキメラがそちらに向かっております!」
「街は?」
「飛行タイプで素通りしていきました。」
「学園には結界があって入れないだろ。」
と思ったらアズールが転位門を展開した。アホか!もう無茶苦茶じゃないか!
「ミナミ、ジュリ!クラブハウスへ!そこからみんなに状況を逐一報告して。」
「わかりました。行きますよ、ジュリ!」
「は、はい。」
僕は父さん達の所へ転位。もち姿は消してる。
「父さん、バート叔父さん。」
「カエデちゃん♡。あれ、やばいよ。」
「カエデ、あれがバーサーカーか?」
「多分。それよりキメラが大量にこっちに向かってる。」
「そうみたいだねえ。どうする?」
「ベル姉達が動き出すから大丈夫だよ。それより雷帝達を。」
「ああ、僕達も大丈夫だよ。ベル達の活躍を見れるなんてラッキーだよね。」
「ええ、見れるとは思ってませんでしたのでラッキーです。」
この親馬鹿共め!見ると雷帝もニコニコしている、イベントじゃねーし!
「それとアレクサンドルが囲ってる冒険者達を牢にぶちこんでるから。」
「ほう・・それはいいねえ。暗部に回収させるよ。」
「使えますねえ・・・。」 2人はとても悪い顔をした。
「ちょっと・・・母さん、マリア先生・・・。」
「カエデちゃん、いい機会よ。古狸には退場してもらいましょう。」
「そうですね。」 ああ・・・2人も悪い顔を・・・。
「んじゃちょっとあのアホ止めてくる。僕が狙いみたいだし。」
「カエデちゃん、ちゃんと武具は持ってきてるの?」
「学園ではモップを使ってるんだ。」
「モップって、掃除に使うモップ?」
「そうだよ。」
「新境地ね。」
転位で控室へ。みんなは既に仮想空間から戻っていた。アズールが暴れてるし。
諭吉が抑えていたようだ。
「おっ疲れー。」
「のんきだな、おい!こいつやべーぞ!」
「キメラが大量に来る。こいつが呼んだ奴だ。そっちなんとかして、隠れて。」
「また難しい事を・・・。了解。」
「おい!カエデ・ガーネット!アズールはどうしたんだ?」
「これは皇女様、本日はお日柄も良く。アズール様は強化しすぎておかしく
なったようですね。皇女様も生徒をキメラから護って下さい。」
「うむ、それは当然だが・・・。」
「リクオ君、皇女様をお願い。」
「わかりました、師匠。」
「リナもクララも。」
「わかりました。このアホはどうするんですか?」
「できるだけ死なないように止める。それまでキメラも止まらないと思うから
よろしく、テヘ♡。」
「テヘ♡じゃないです!このアホを早く何とかして下さい!」
「了解。」
みんなは外に飛び出して行った。さてと・・・。
「エイル、こっちを手伝って。ちょっと視てもらいたい。
訓練場にモップも持ってきて。」
「いつものやつで?」
「そうだね。」
「わかりました。しばしお待ちを。」




