ADVANCE PREPARATION
お早う、疲れていたのかぐっすり寝た、ゼルダとボルタも起きてきた。
朝食の前にシカタと鬼丸を渡し説明する。ゼルダには電離についても。
「おとぎ話だと思ってた。しかも、1日が1週間って・・・。」
「とんでもねえな、でも修行はできる。」
ティーターンの件は話してない。盛りだくさん過ぎるからね。
食堂へ行くと父さん達、バート夫妻、シゲさん夫妻、夫妻?がいた。
「みなさん、お揃いで。」
「カエデちゅわ~ん♡。」
「お早う、母さん。父さん、箱庭が復活した。」
「ああ、バートから聞いてるよ。1度、連れていってよ。」
「そうだね、みんなも自由で行き来できるようにしておくよ。
母さんとかマリア先生は箱庭の連中と戦ってみたいでしょ?」
「もちろんよ。やっと鈴音さんと戦えるのね。」
「程々にね。父さん、バート叔父さん、いつ戻るの?」
「そうだね、後2,3日休んだら帰るよ。」
「私達もだな。」
「了解。夜にでもちょっと時間をとってもらっていい?」
「いいよ。」
さてと、朝食だ。おっと、その前に・・・。
「シゲさん、カスミ、お早う。」
「お、おう・・・。」
「久しぶりかしら?カエデも諭吉も。」
「たくましくなったな、おい!」
「やめて!自覚してるわ。ツバキ様やマリア様にも教えてもらってる。」
「帝国最強でも目指してるのか?」
「なわけないでしょう!何としても来年Fクラスに行くために早く白峯の許可
をもらわなくちゃいけないのよ。」
「逆じゃね?」
「い、いや、そのう・・・シーゲルが居るからコネは必要ないというか
なんというか・・・。」
「ああ、そうだったな。お前ら付き合ってるんだったな。」
「「ブッフー!」」 ゼルダとボルタが吹いた。
「ゼルダ、ボルタ。大人の階段っていうのは意外に身近にあるんだよ。」
「まじかあ・・まあシーゲルはとっちゃん坊やだからな。」
「なんか達観してるよね。」
「ほっとけ!お前らは空島ドーピングか?」
「ドーピング言うな!」
「ちょっと急展開で事情が変わってさ。シゲさん、この後ちょっといい?」
「いいぞ。」
うまい朝食を食べ、2人は諭吉達に任せシゲさん、カスミと中庭でコーヒー。
2人に・・まあカスミはシゲさんの相方だしいいだろう。
変わった事情を話す。
「はぁ、てんこ盛りだな。俺も箱庭に行きたい、面白そうだ。」
「黒国に屋敷を作るよ。玄さんの国は物作りには良い環境なんだよ。」
「それは楽しみだ。玄武様に会えるのか・・・。当面は武道大会に集中か?」
「そうなるね。野外研修やティーターンの件は白国も動いてくれるから。」
「そのソドムアームス探しは?」
「そっちは青国と橙国が動いてくれる。まあ僕も休みに入ったら参加する。」
「じゃあ俺達はバーサーカーか?」
「う~ん、実際ティーターンが学生を誑かして実験しようとしてるならかなり危険
だね。それに丁度いいカモがいるでしょ?」
「ああ、アレクサンドル家か・・・。確かに冒険者も抱えてるし武道大会も優勝
したいか・・・。条件が揃ってるな。」
「カスミ、アズールはおかしな事をしてないかい?」
「おかしな事・・・どうだろう、元々おかしいから。ああでも皇女に自信満々で
『お任せを。』なんて言ってるわね。後、怒りっぽいというかイライラしてる
感じかしら、誰構わずケンカをふっかけてるわね。」
「クロじゃん!」
「違う意味でドーピング確定だな。」
「ティーターンもさすがに同じ過ちは犯さないと思うから暴れても死ぬ事はない
と・・・いいなあ・・・。」
「大会は仮想空間だし、相手も死ぬって事はないがデータをとるには
もってこいだな。」
「やれやれ・・・迷惑な。」
「野外研修はどうすんだ?」
「それなんだけど、班分けする時オマタクラブの連中を分散させて。」
「了解。」
「カスミもブッシュクラフトで野営道具を揃えた方がいい。」
「わかったわ。野外研修は全く興味なかったけど面白くなりそうね。」
「いや、いつからそんな武闘派に・・・。」
「なってないわよ。けど、白峯に認めてもらうチャンス。」
「無理はしないでね。その白峯は?」
「円さんの所でメンテナンス中。」
「そうなのね。」
2人はこれからマキナの所に遊びに行くそうだ。
僕はゼルダにプラズマ指導だな。
訓練場に行くと、模擬戦をしていた。ゼルダの相手は諭吉でボルタの相手は九郎。
美月と才蔵が見当たらないがエステにでも行ったんだろう。
「諭吉、どう?」
「少し剣が重くなったみたいで、それに慣れる感じだ。」
「妖玉をコーティングしたからね。ゼルダ、ちょっと休憩、プラズマの使い方を
見せるから。」
「ふぅ、お願い。」
「僕は妖力がないから魔力で代用するけど、感覚的には同じだと思うから。」
桜花の剣はミスリル製だから丁度いい。
「まず気体、これは空気でいいかな。この空気の中にも電子か含まれてるんだ。
その中から電子だけをとりだす。」
僕の手の平でプラズマ球ができた。バチバチいってて怖いー。
「おお・・・。」
「これが物質の第4の状態。この中は中性子分子とプラスイオン、マイナスイオン
が混在してて活性化してるんだ。」
「簡単にやってるけど、それって超難しくない?」
「妖力を使うのも魔力を使うのも結局、イメージが重要でこのプラズマを見たん
だからイメージはできるでしょ?そしてこのプラズマで剣をコーティング。」
僕は桜花の剣に魔力を流しプラズマに近づけた。するとプラズマは剣に吸収され
青白く光りだした。おそらくこの状態はザイルのサンダーボールとヒムリンの
エレクトリックの間くらいの威力だと思う。
このプラズマを使えば1発くらいはプラズマボールを撃てるだろう。
「なんとなくわかったよ。やってみる。」
元々、プラズマを操る力は受け継いでるはず。
ブーンとうなってプラズマが出来た。僕が作ったモノより大きい。
後は剣に妖力を流して吸収する。
バチッと音がしてプラズマはシカタに吸収された。
「くっ!」 ゼルダが苦しそうだが慣れてもらうしかない。
「ゼルダ、APSを2倍にしてみて。」
「うん。ふぅ・・少し楽になった。これなら動ける。」
「相手が絶縁体の武具じゃない限り痺れると思うよ。プラズマを作って剣に
吸収させるまでの動作をいかに速くするかだね。」
「こんなに時間をかけてたら隙だらけだもんね。練習する。」
「了解、昼食まで練習して。」
ボルタの様子を見に行く。
「九郎、どう?」
「十分強いぞ。この狼。」
「いや~九郎もすげえ強いな。前までの鬼丸だったら速攻やられてたと思う。」
「刀の使い心地がいいのか?」
「そうだな。なんていうか重さが変わるっていうか・・・。」
「あーもしかして千疋狼の奥義ってグラビティか?」
「グラビティ?」
「重力操作ってやつだ。」
「そう、それ。相手の剣や刀が少しずつ重くなるんだ。けど、この鬼丸は
刀自身の重さを変えれるようだぞ。」
「成程、振る時は軽くして当たる時に重くするって事か。」
「横になぐのは難しいけど、振り下ろす時に使える。」
「俺、見た目より怪力なんだと思ってた。」
月華流に近いのか?いやでも、月華流は刀の重量が変わるわけではない。
剣速が変わるんだ。しかも戦ってる間に得物が重くなったら面倒だぞ。
千疋狼、恐るべし。
「妖力を使わないとそうはならないけどな。」
「いや、すげえ武器だと思う。後はそれを自在に操つれるかだな。」
「そうだな、練習するわ。」
2人の方向性が決まった。後は息をするかのごとく操れるかどうかだ。
それはロイド流ではないが反復練習しかないだろう。
夜までみっちり練習した。才蔵のエナジードレインに2人はびびっていた。
夕食を食べみんなは昼間の疲れをいやす為、温泉に。
僕は父さんとバート叔父さんに話をする。
もちろん、母さんとマリア先生もいる。
ティーターンの連中の事とバーサーカーの事。念の為ソドムアームスの事も。
「どう思う、バート?」
「おそらく奴らが仕掛けてくるのは野外研修でしょう。バーサーカーは冒険者と
対抗戦の代表者の誰か。まあ、カエデの予想通りだと思いますが。」
「まったく古狸にも困ったものだね。」
「いい機会じゃない。潰すのには。」
「ツバキ、そう簡単に行かないよ。古狸というあだ名は伊達じゃない。
おそらく証拠になるようなものは一切残してないだろうね。」
「カエデちゃんはバーサーカーと戦闘した事あるの?」
「うん。モンスターだったけどね。正直、やばかった。」
「イカルガ様でも・・・。」
「そもそも脳のリミッターは身体を守るためだからね。」
「常に火事場のくそ力状態か・・・やっかいだな。」
「まあ学園の方のバーサーカーは何とかするよ。」
「ベル達にも伝えておくよ。野外研修の方は秘密裏に軍を動かす。」
「うん、レベッカ将軍にくれぐれも気を付けてと伝えて。」
「わかった。バート、マリア、悪いけど帝都に来て。」
「わかりました。丁度、決勝戦も見たかったですしアリスにも会えます。」
それから1週間程、相手を変えひたすら練習。みんなで観光もしたけどね。
偶然ペルと会って沢山おごってもらった。
ゼルダは父さんに、ボルタは母さんにそれぞれアドバイスももらった。
母さんのアドバイスはドカーンとかシュシュとか意味がわかなかったけど
ボルタにはわかったようだ。野生の勘だろうか?
「大王、久しぶりです。」
「久しぶり白峯。」
「来年にはカスミを皆さんの居る場所へ。」
「ははは、無理はしないでね。」
「心得ております。」
「さて、いよいよだ。2人はこの1週間で見違える程強くなった。自信を
持ってまずは3年Aクラスを撃破しよう。」
「「おう!」」
美月と才蔵もエステに通って見違える程、綺麗になったよ。
才蔵に接する諭吉が何かぎこちなくて笑う。
「諭吉、あとよろしく。僕は武具屋の婆ちゃんを迎えに行くから。」
「わかった。」
「円、箱庭が復活したから連中が来出す。よろしくね。」
「はぁ・・あの化物共が・・・。まあ、いいだろ。任せろ。」
ため息をつきながらも、なんだか嬉しそうだ。
イド君は終わったかな?
「イド君。」
「はい。」
「行ける?」
「大丈夫です。」
「じゃあ塔のダンジョン街の武具屋へ。」
「かしこまりました。」
「婆ちゃ~ん、迎えに来たよ。荷物は?」
「これじゃ、馬車か?」
「いや、飛行船。」
「へっ?飛行船じゃと!本当にガーネットなんだのう。」
ブラストソードも含めアイテムボックスに。
「でたらめじゃのう。」
「ははは、気にしない気にしない。さっ、乗って乗って。」
「う、浮いとるぞ・・・。」
「気にしない・・・。イド君、よろしく。」
「かしこまりました。」
学園まではほんの数分。婆ちゃんと屋台の場所へ行く。
「ナギサ先輩、お早うございます。」
「カエデ君、レットアさん、お早うございます。」
「おお、ナギサ。久しぶりじゃのう。」
「ここのところ生徒会の仕事が忙しくてダンジョンに行けてないんです。」
「それは仕方がないのう。」
ナギサ先輩が自ら案内してくれた。
「ここよ。キラ先輩のとこの隣。」
おお・・キャロル魔道具店の隣か。いいではないか。
「お早う、ザイル。」
「お早うございます。キャロルの隣がブッシュクラフトですよ。」
ブッシュクラフト、キャロル、レットアの並びか・・・なんか濃くね?
「野外研修がありますからビジネスチャンスです。」
「確かに。」
レットア武具店の陳列を手伝い、もちろん例のバケツも忘れない。
「じゃあ婆ちゃん、またあとで来るよ。」
「うむ、楽しみじゃ。」 進行のしおりをもらって見ている。
「ザイル、教室へ行こう。」
「はい。」
教室へ行くと代表チームを囲んでわいわいとしていた。
ニング先生が来た。
「今日から3日間、クラス対抗武道大会だ。代表チームは気張らずいけ。
言ってもあと5回はあるわけだしな。代表以外のみんなも見るだけでも
勉強になる大会だ。なるべく多くの試合を見てくれ。シーゲル。」
「はい、俺達の最初の相手は3年Aクラスだ。初戦から格上相手だが、
どのみち優勝を目指してるからな。今の代表チームの力であれば問題
ないと思っている。・・・ないよな?」
「・・・・。」




