BONE REST
「ねえカエデ、皆に弱点はあるの?」
「ソレハアルヨ・・・。」
「何で片言?」
「カエデ達はあれですね、アトムばかりが戦ってるようですが。」
「い、いや、僕達はAMSのデータを取ったり、グラファイトソードを強化
したりと・・・・ねっ、シゲさん。」
「そ、そうだぞ。それに、ほら見ろちゃんとトカゲを倒してるだろ。」
「大王蟲だって倒してるんだからー!」
「お、俺だって獅子頭、狙撃したんだからー!」
「何できれてるんです?」
「ミナミ、どうだった?」
「驚きの連続でした。キリコがすごいのは知ってたんですが、皆さんすごいです。
AMSのお陰で少しだけお役に立てた感じです。あの、カエデ・・こんなに
金貨をもらっていいんでしょうか?私の実力は・・・。」
「まあ、気になるのはわかるけど均等割りは僕達のルールだから。気になるなら
その分、強くなればいいよ。」
「ミナミ、私達も最初から強かった訳ではありませんよ。」
「そうですね、修行がんばります。」
「それと今日のバイト代。」
「必要ないです。」
「それはそれ、これはこれ。AMSのテストはほぼ人体実験だったからね。」
金貨10枚を渡す。これでミナミは今日だけで金貨110枚を稼いだわけだ。
「アカリじゃないですが価値観が変わりそうです。」
「ミナミ、将来何が起こるかわからないしこれからやりたい事や趣味ができる
かもしれない。あったに越した事はないよ。」
「やりたい事や趣味ですか・・・考えた事なかったです。」
「急には無理かもしれないけど、学園生活は5年もある。ならさ、楽しく過ごし
たもん勝ちだ。」
「フフフ・・・そうですね。そうします、私は鍛冶に興味があります。」
「鍛冶に?」
「はい、ハンマーを振り下ろすとスッキリした感じが。」
「了解。じゃあこれからも手伝って。」
「ありがとうございます。」
ギルドファントムの生産部門が1人増えた。
「さて、僕は帰るよ。来週からまた大会出場組を鍛えないとね。」
「あと、3週間ほどですか・・・。」
「まっ、なんとかなるでしょ。」
転位で屋敷に戻る。明日からの2日間、スピナーの所で過ごすつもりだ。
海の中は綺麗だし静かだからね。いや、もう行ってもいいか。という事で
スピナーに転位。
「ばんわー、ラムダ来たよ。」
「カエデ様!」
「2日ほど、ゆっくりさせて。」
「お任せください、夕食は?」
「まだだよ。」
「すぐ、ご用意しますのでお寛ぎ下さい。」
「ありがとう。」
「いらっしゃい、カエデ。」
「スピナー、世話になるよ。」
「私も含めここはカエデの家だ。断る必要はない。」
「ありがとう、調子はどうだい?」
「いつも通りだ。この海は美しいから泳いでいるだけでも飽きないよ。」
「綺麗だもんねー。」
「うむ。」
「カエデ様、準備が出来ましたので食堂の方へ。」 はやっ!
「ありがとう。」
おお・・・美味そうだ。頂き来ます、うっまー!ちゃんとフルコースだし・・。
「ラムダ、美味しいよ。」
「フフフ、ありがとうございます。ヒカミ様もご自身のお屋敷にいらしてます。」
「えっ、そうなんだ。」 念話で話かける。
「ヒカミ、スピナーに居るんだって。」
「あら、カエデもですか?」
「そうなんだよ。狩り?」
「はい、キャノンマグロが居ると聞いて。」
「キャノンマグロって僕でも知ってる高級魚じゃないか。是非、ゲットしよう。」
「わかりました。これから行こうと思いますが。」
「そうなの?」
「夜の方が多少、動きが遅いそうですなんです。」
「了解。イド君で外に出よう、来れる?」
「わかりました。」
夜の狩りか・・・。
「ラムダ、この海の夜ってどんな感じなの?」
「昼より危険度が少し増します。私達はカエデ様が来るのをお待ちしてました。
本来スピナーは回遊魚ですので世界中を巡ります。」
「えっ、という事はここはもうルーン砂漠の先の海じゃないの?」
「はい。今は割と神居のそばの海を泳いでいます。」
「ヒカミがキャノンマグロを狩りに行きたいって。」
「スピナーも好物なので現在、追いかけてるものと思われます。」
「了解。ちょっと、狩って来るよ。」
「お2人なら問題ないと思いますが、お気を付けください。」
ヒカミが来たので早速イド君に乗り込み出発。
「ヒカミ、キャノンマグロって見た事ある?」
「ないです。カエデは?」
「昔、料理されたものは夜叉の所で食べた事はあるけど、生きてるのはないな。」
「楽しみです。一応、ブラウニーの方に姿形は書いてもらいました。」
その絵を見せてもらう。えっ?これがマグロ?僕が知ってる魚で言うとサンマに
近い・・・。
「大きさは3メートル程で、ほぼ直線に泳ぐそうです。」
「まじか・・・3メートルもあるんだ・・・。」
「群れで物凄いスピードでかつ直線で泳ぐため、環境が破壊され海では嫌われて
いるそうです。」
「地形を変えるほどって事か・・・。」
「カエデ様、魚群探知機に反応が。」
ブリッジへ行く。うわ・・・この影が全部キャノンマグロ・・・。
そりゃ地形も変わるわ・・・。
「どうすんの?」
「正面からは超危険ですので、後ろから10匹程捕獲できれば。」
「う~ん、このスピードだしな・・・。イド君、同じスピードで追える?」
「瞬間的であれば・・・さすがに長時間は無理です。」
それ程のスピードか・・・。
「よし、目視できれば転位して背中に取り付いて瞬間冷凍だ。ヒカミ、そんな
魔法ある?」
「ニブルヘイムもコキュートスも範囲が広すぎますね。ピンポイントですか・・
鮮度も重要です、となると・・・。」
ヒカミが考え込んでいる、強力な魔法が多いのだろう。アイスニードルや
アイスランスじゃどうにもならないだろうし・・・。
僕がやってもいいが、雷系は危なくて海の中じゃ使えない。
アイスニードルを極細にして頭に撃ち込むのがせいぜいだな・・・。
「決めました。アブソリュートゼロを使います。中範囲事、凍らせます。
捕獲量が多少増えてしまいますが、みなにお裾分けします。」
「あのう・・。僕も凍らない?」
「大丈夫です。指向性を持たせれるようになりましたから。」
「よ、良かった。じゃあ行こう。」 僕はUWBを咥える。
「カエデ、必要ないんじゃないですか?」
「そうなんだけど、慣れなくて。念話でよろしく。」
「わかりました。」 ここからは念話。
「群れが見えたら即、転位するから。イド君、よろしく。」
「かしこまりました。」
僕達は甲板で待機。
「スピナーも好物らしいんだよ。」
「では、沢山狩りましょう。」
「・・・絶滅しない程度でお願い。」
「カエデ様、視認できました。もう少し近くに行きます。」
「了解。」
「今です!」
ヒカミを掴んで転位。最後尾っぽいサンマいやキャノンマグロの背に。
うひょ~!結界が無いから水圧がー!や、やばい飛ばされるー!
「アブソリュートゼロ。」
時が止まった。キャノンマグロが50匹ほど止まっている。
浮く事も沈む事なく、ただ止まっている不思議な光景。やべえなヒカミ・・・
クロノスとは違うが同じような光景だ。ヒカミ最強説再浮上・・・。
「カエデ、回収お願いします。」
「了解。」
どんどんアイテムボックスに入れていく。大漁、大漁。
「やばいね、アブソリュートゼロ。」
「お父様からは使うなと言われました。」
「白さんが?」
「私のエクストラスキルらしいのですが、神に目を付けられるそうです。」
「ああ、確かに・・・。」
「スピナーにお裾分けしましょう。」
「了解。」
「スピナー、キャノンマグロだよ。」
「おお・・・、嬉しいな。あいつら速いから中々捕まえられないんだよ。」
「ラムダに言って、今食べる分以外がアイテムボックスに入れておいてくれ。」
「了解。」
3匹程、口元に浮かすと一飲みにした。ええ・・・。
「うまい!」
喜んでくれて良かったよ。
「カエデ、明日の昼食はキャノンマグロを料理しますから、どうぞ。」
「おお・・・小梅達も呼んでいい?」
「もちろんですよ、タマももう来てますし。」
タマも普段は神居で暮らしていて料理の研究をしている。シュリ夫妻に可愛がら
れていて宗家で暮らしつつ厨房の手伝いもしている。
「ありがとう、連絡してみる。」
ヒカミの屋敷でキャノンマグロをアイテムボックスに入れ替える。
拡張もしておこう。10匹ほどスピナー用にもらった。
「ラムダ、スピナー分のキャノンマグロ。」
「こちらのアイテムボックスにお願いします。」
「了解。」
さて、海中を見ながら風呂に入ろう。チャポン、いい湯だなっと。
ニイが入ってきた。
「お疲れー。」
「うむ。」
「明日の昼はヒカミとタマががうまいもん、作ってくれるそうだよ。」
「それは楽しみだ。」
上を見上げる。夜の海で暗いはずなのだが、発光してる海月姫とか謎生物が
いるので意外に明るい。
「不思議な光景だな。」
「そうだね、神居の近くの海らしいよ。」
「そうか、ここも移動してるんだったな。」
「それも不思議だよね。」
「全くだ。」
風呂上りにはラムダがアイスを用意してくれていた。小梅達も上がってきた。
「うまいな。」
「香輝は相変わらず彫刻?」
「うむ、天照と豊受に頼まれて櫛を作っておる。」
「すごいねえ、神具まで作りだしてるんだ。」
「クロスと孔雀明王の結婚式の時に付けるそうだ。」
「・・・忘れてた。みんなも出席だからキリコの所で式典用の服を
作ってもらって。それと香輝に装飾品も作ってもらって。」
「装飾品ですか?」
「こう・・・なんだろ?ごめん、わかんない。紅葉に相談してみて。」
「わかりました。」
ぼくも早く頼まないと母さんにザビエルみたいなのを発注される。
「キリコ、遅くにごめん。今いい?」
「大丈夫ですよ。」
「くろ兄達の結婚式用の服をお願い。黒で思いっ切り地味なやつ。」
「フフフ、わかりました。」
「小梅達のもよろしく。」
「はい。」
ふぅ・・・これで一安心、ゆっくり寝れる。
この屋敷の寝室は広いしベッドも大きい。みんな子供獣化して寝るようだ。
香輝は自分の部屋に戻った。お休み。
お早う。ラムダが作る美味しい朝食を食べ、みんなで海水浴に行く事に。
このドームって転位以外で外に出る方法はあるのかな?
「ラムダ、転位以外で外に出る方法ってある?」
「ございます。」
「教えて。」
「では、参りましょう。」
ラムダに案内され付いて行くと、そこは港。船と言うか小型の潜水艇が何艘か
停泊している。
「ラムダ、この潜水艇は?」
「マーリン様達が造られたものです。整備は完了しますのでご自由にお使い
下さい。」
「ありがとう、早速乗ってみるよ。」
全員で乗りたいので1番大きいな潜水艇にする。むしろ潜水艦だな。
「ようこそ、朝風に。」 IAだ。
「お早う、朝風。ドームの外にお願い。」
「イエッサー、潜水開始します。」
おお・・・かっこええ。そうか、ゲートは海中にあるんだ。
「ゲートの外にでますと危険なモンスターもおりますので、ご注意を。」
「みんな強いから大丈夫だよ。よし、みんな行こう。」
UWBを咥えて外へ。ジェットで進む事も出来るがあえて手足を駆使して泳ぐ。
ついアワビやサザエに目がいってしまう。収穫しておこう、キャンプでも
食べれるしね。
「カエデは収穫してるんですね。」
「ははは、ついね。うまそうだし。小梅達は?」
「イルカ達と勝負してますよ。」
「おお・・・。」
見るとニイが犬かきではなくドルフィンキックをしている。成長したな・・・。
「何か大きいのが来ますね。」
んっ?何だ?あれは・・・魁皇亀・・・。
「大きい海亀ですねえ・・・。」
「大人しいよ。乗ってみよう。」
「はい。」
春さんの手をとってジェット推進。魁皇亀の背中へ。




