J CLASS
お早う、ランニングして素振り。ツバキ流を意識しながらゆっくり振る。銃を借り
に行くので少し早めに学園へ。朝食はクラブハウスで食べる。
自室でコーヒーを飲みながらぼーっとする、中々いいな・・・。
「カエデ様、少々よろしいでしょうか。」
「大丈夫だよ。」
「昨夜、襲撃がありました。」
「ああ、魔導ギルドの連中では?」
「はい。特に問題はありませんが報告だけ。」
「迎撃してもいいからね。」
「承知しました。」
潰した方が手っ取り早いが、それに構う時間が惜しい。ロッドや杖、魔導具を
ファントムが供給し続ければ勝手に潰れるだろう。
さて、銃を借りに事務局へ行こう。
「すいません、1年Fクラスですが午前中の授業で使う銃を借りにきました。」
「はい、こちらにサインを。1人ですか?重いですよ。」
「大丈夫です。アイテムボックスを使えますから。」
「あら、それはすごいわねえ・・・あっ、ガーネットの方・・。」
そんなやり取りをしてると、教師らしき女性が入ってきた。
「す、すいません、銃を借りに来ました。」
ずいぶんおどおどした先生だな。
「ライン先生、また1人ですか?何往復する気ですか?」
「す、すいません・・・。」
「堂々としてないから生徒に舐められるんですよ。」
「す、すいません・・・。」
「あのう・・・僕が運びますよ。」
「えっ、あなたは?」
「1年Fクラスのカエデ・ガーネットです。」
「まあ、ガーネットの・・・。」
「カエデ君、お願いできる?」
「わかりました。」 銃をアイテムボックスに収納。
「わあ、すごいですねえ。」
「どちらのクラスに運べばいいですか?」
「あ、はい、Jクラスまで。」
「わかりました。」 2人でJクラスに向かう。
「カエデ君は何故Fクラスなんですか?」
「えっ、試験の結果ですよ。」
「そうですか・・・。」
「先生はガンナーなんですよね?」
「一応そうですよ。ギルド職員なんですが手が回らないみたいなので講師を。」
へぇ、ブラウニー以外の人も居るんだ・・・そりゃそうか。
「誰も手伝ってくれないんですか?」
「そうですね。まあ、でも教師な訳じゃありませんし週に1回の事ですのでお互い
に把握してないでしょうね。」
「始まったばかりですもんね。先生、これをお使い下さい。」
「これは?」
「アイテムバッグの試作品です。これ位の銃は入りますので。」
「そんな、悪いですよ。」
「試作品ですので、遠慮なさらず。」
「あ、ありがとうございます。」
Jクラスに着いた、生徒達が騒いでいる。へえ、こんな感じなんだ。
「み、皆さん授業を始めますので席について下さい。」
ライン先生は無視されている。う~ん、僕も授業があるししょうがないか・・。
シゲさんに念話。
「シゲさん、御免少し遅れる。」
「わかった。」
ドンッ!僕はデザートイーグルで空砲を撃つ。ガキ共は静かになりこちらを向く。
「やかましいガキ共!これから銃の授業だ!ライン先生がありがたい授業をする
からさっさと席につけ!10秒以内だ!」
慌ててガキ共は席に着いたが、数名こちらを睨みつけて無視しようとする。
今度は実弾をそいつらの足元に撃つ。
「うわ!」
「10秒以内と言ったはずだ。」
「お、お前、同じ1年じゃないか!何を指図している!」
「俺は1年だが銃の講師でもある、Fクラス担当だ。どうした?席に着け。次は
当てるぞ。」
「くそっ!おい、お前ら!やっちまうぞ!」
こいつが番長君かな?数名、剣を抜いて向かってきた。おいおい、ここは教室だぞ
全くなっとらん・・・。丁度いいJクラスにガンカタを見せてやろう。
デザートイーグルをもう1丁だし、3名程後ろの壁まで吹っ飛ばす。番長君には
生贄になってもらおう。
「弱いな・・・。お前、情けないな。」
「何だと!」
「Jクラスのリーダー気取りか?よし、お前の事は番長君と呼ぼう。番長君、
かかってきな、お前ごとき銃も剣も使う必要はない。」
「なめるな!」
いや、まじ弱え~。何で学園に入れたんだ?番長君をジークンドーで後ろの壁まで
吹っ飛ばす。
「弱すぎる!おい、ガキ共、こいつら何だ?何で学園に入れたんだ?そこの君、
答えろ。」
「え・・・僕・・・。」 銃口を向ける。
「時間がない、早く答えろ!」
「そ、そいつらは剣術道場の息子とその取り巻きで、このクラスでは
1番強いです。」
「これでか?教室で剣をだすくらいだ自信もあるんだろうな、超絶弱いが・・。
なあ、お前ら学園に遊びに来てるのか?俺はお前らなんぞどうでもいいがひとつ
アドバイスをしてやろう。JクラスだからとかAクラスだからとか考えてる奴は
死ぬぞ。学園に居る間に死なない術を身につけろ。じゃないと、後ろでのびてる
連中のようになるからな。よく考えて学園生活を送るといい。近々、行われる
クラス対抗戦で意地を見せろ!下剋上だ!ライン先生、AからJまでいう程、差
なんてありません。先生も本気で彼等と向き合って下さい。何故かは聞きません
が、おどおどしたふりはもう結構です。」
「おや、ばれてましたか・・。」
「いやいや僕がガンカタを使った時、目の色が変わりましたよ。」
「私以外にもガンカタ使いが居る事に驚いたのです。」
「先生、銃の世界は意外に広いんですよ。」
「はあ・・・わかりました。このクラスをガンカタクラスにします。」
「おい、ガキ共!言っとくが俺はFクラス、つまり真ん中だ。そんな俺に指1本
触れられないお前らは学園を出たらすぐ死ぬ。悔しくないのか?などと言わん
感情でどうにかできる程、世界は甘くなどない!いいか、少しでも長生きした
けりゃ覚悟して学び強くなれ!」
どうするかはお前達自身で考えるんだな。おせっかいもここまでだ。
さてとFクラスに行こう。
「お早う、遅れてすまん。今日は実弾銃について学ぶ。シーゲル、キリコ、銃を
配布するのを手伝ってくれ。」
「「イエッサー。」」
「よし、全員に渡ったな。弾は入ってないから触っても大丈夫だ。実弾銃の特徴、
種類、機構等を学んでもらい来週から実技に入る。質問は話の途中でもいいの
で、どんどんしてくれて結構だ。」
「イエッサー!」 おお・・気持ちいい。
「実弾銃はまさに実弾を撃つ。魔法弾ほどのバリエーションはないが銃本体は
様々なバリエーションがあり選択肢も広い。今みなが手にしているのは小型拳銃
と呼ばれるものだ。携帯性に優れているので護身の為に持ち歩く人もいる。」
黒板に銃のイラストを描く。
「銃は大きく分けると2種類の機構で分類される。1つはマガジンタイプ、1つは
リボルバータイプ。マガジンタイプは大きさにもよるがだいたい18発の弾を
撃つ事が可能だ。一方、リボルバータイプは6発。これは好みの問題で
リボルバータイプはリロードという作業が入るからマニア向けと
言えるだろう。」
「教官殿は何をお使いなんですか?」
「俺は銃が趣味だからなリボルバーが2丁にマガジンタイプが4丁、長距離タイプ
を1丁持っているし、用途も様々だ。」
「そんなに・・・。」
「この部分、バレルという部位なんだがここが長くなると威力は上がる。さらに
このバレルの中にライフリングという機構がありスクリュー状になっている。
この機構によって撃ちだした弾丸が高速回転し弾道が安定し威力も増す。」
「ロングバレルの方が銃としてはいいのでしょうか?」
「いや、そうとも言えん。威力がある分反動も大きい。俺達ぐらいの体格だと
後ろに吹っ飛ばされる。IAのサポートもないから使用者の技術による所が
大きいな。」
「正直、実弾銃と魔導銃はどちらがいいのでしょう?」
「そうだな、好みの問題が大きいのだが、魔力量が少ない者は実弾銃。弾丸の
精製にのみ魔力を使う。魔力量に余裕がある者は魔導銃だなここに居る全員が
ガンナーになる必要もない。ただ、扱い方を知っていれば将来、役に立つ事も
あるだろう。」
その後、質問を受けながら構造を知るために分解させた。もちろん、組み立ても。
「よし、今日はこんなもんだろ。来週から実際に射撃場で撃ってもらう。魔導銃の
プログラムも決まっている者がいれば申し出てくれ。」
うちの女性陣とアトムはもう決めているようだ。銃を回収して終了。
事務局へ銃を返却してクラブハウスへ。昼食は優が作ってくれて、美味かった。
「諭吉、情報はどれくらい?」
「さすがにまだ3分の1くらいだな。」
「了解、助かるよ。」 諭吉は委員会へ。
モニタールームに行く前にベルグにミスリルクロ―を渡しておこう。
「ベルグ、ミスリルクロ―が出来たよ。」
「おお・・・お?軽いね!」
「強化と軽量化はしてるよ。」
「すごいよ、カエデ!ちょっと動いてみる。」
おお・・・ベルグ、やるではないか・・・。
「ザイル、ベルグっていい感じじゃない?」
「ベルグは強いと思いますよ。獣拳だそうです。」
「そういうのもあるんだね。」
「師匠が獣人の方なようですね。」
ここはザイルに任せてモニタールームへ。シゲさんとスズメが居た。
「どんな感じ?」
「大将達が集めたデータは1年2年全クラス分だ。」
「やはりクラス順通りって感じですかね。」
「1年はAからCまで、さすが強者揃いだな。たぶん、2年より上だ。
もしかすると3年より上かもしれん。」
「さすが黄金の世代。GからJも侮れないかもね。代表って決まってるの?」
「決まってる。」
「弱点とか癖を探そう。丸裸だ。」
「よし、じゃあAから見て行こう。」
Aクラス代表は剣が雷子、刀がリクオ君、魔導がクララ、体術がリナ、総合が
アズール。へぇ、リナが体術か・・・。
「強者揃いだね。リナが体術なのは意外。」
「両手を錬金術で武器化するらしい。」
「Aには上級生を減らして欲しいよね。」
「Bはさすがにヒカルは出ないようだ。」
「ヒカルが出てくると僕達の誰かが出なきゃいけなくなるよ。ガクちゃんは?」
「ガクは剣代表だな。」
「そっか・・・。」
「刀はコスケという奴で示現流の道場に通ってる。イトルは総合でルリハが魔導
代表だな。」
「うへぇ・・・ドラゴン相手じゃん。A以上じゃない?」
「そうだな、俺はAよりBのほうが強敵と見ている。」
「体術は?」
「カリンという女の子だな。蘭婆の弟子だ。」
「それはそれで・・・。確かに粒ぞろいだね。AとBには上級生の露払いを
してもらおう。」
「まあ、組み合わせにもよるがそれが理想だな。」
「CもDも侮れません。各道場の上位者が出てくるようです。」
「そうなんだ。2年生はどうなの?」
「これといって特筆すべきクラスはないんだが、ダンジョンに入りだしてる分、
経験値は同等だろうし意地もあるだろ?」
「1年坊には負けられないか・・・。」
「それは3,4,5年生も同じですよ。」
「黄金の世代がターゲットという訳だね。シゲさんとスズメは各クラスの弱点を
探してくれる。僕は目安箱の処理をしちゃうから。」
「わかった。」
「わかりました。」
リビングでコーヒーを飲みながら投書に目を通す。
なになに、Aクラスのクララさんに惚れました。好きな食べ物を教えて下さい。
・・・・くしゃくしゃポイ!
戦闘服がセクスィー過ぎて授業に集中できません。もっと、身体のラインを隠す
べきだと進言します。・・・・くしゃぽい!
最近、誰かの従魔が生徒を襲っています。怖くて夜道を歩けないので早急に対処
して下さい。これは・・・風紀委員会の仕事だと思うが少々気になるな・・・。
念話で諭吉に話しかける。
「諭吉、今大丈夫か?」
「大丈夫だ。」
「目安箱の投書の中に気になるものがあったんだけど、風紀委員でも動いてるかと
思って。」
「従魔の件か?」
「そう、それ。」
「少し前から生徒が従魔らしきモンスターに襲われだした。」
「何故、従魔だと?」
「学園内だからだ。外からモンスターが紛れ込む事は絶対ないそうだ。」
「結界か・・・確かにあるな。」
「しかも襲われてた生徒はクラス対抗戦の代表者ばかりだ。」
「えっ、そうなの?んじゃ、理由はハッキリしてる訳だ。」
「まあ、そうなる。だが襲われた生徒達は1瞬の事で何に襲われたかわからん
そうだ。」
「成程ね。」
「動くのか?」
「そのつもり。大会が中止にでもなったら作戦が水の泡だ。」
「了解、後で合流する。」




