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ACADEMIC LIFE  作者: 一聖
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PRODUCTION DEPARTMENT

「スズメ、今日の昼食はカームに行こうと思うんだけど。」


「いいですねえ、海鮮丼にします。」


「ほい、鳳凰と朱雀。」


「見なくても作れるんですね。しかも、斬れそう。」


「やめてね。次の方。」


「これを。」


「ビヨンビヨンだね。」


「うん。」


「穂先に房か・・・。」


「それはいいよ。」


「いや、付けよう。キリコ。」


「何です?次なんですが。」


「この槍櫻なんだけど・・・。」


「わかりました、どうぞ。」


「えっ!」


「ありがとう、完璧だ。」


「すご!」


「次はキリコだね。」


「偃月刀も欲しいのですが・・・・。」


「いいよ、白蘭もだよね。」


「はい。」


「昼食はカームね。ほい。」


「えっ?現物だしてませんが?」


「大丈夫、覚えてたから。」


「刃の模様まで再現されてますね。」


「ははは、ファントムのエンブレム入り。槍櫻は自分で付けて。」


「わかりました。」


「次の方。」


「こ、これです・・・。」 んっ、これは・・・。


「トウコ、体調悪そうだね。」


「声が止まなくて、寝れないんです。」


「だろうね、ニング先生!」


「どうした?」


「このトウコの刀、妖刀化してます。」


「なんだと!」


「浄化の許可を。」


「できるのか?ってそう言えばタチバナでもあったな。」


「っすね。」


「頼む。」


実は陰陽術なのは内緒、祝詞を呟き印を結ぶ。ポケットからお札が飛び出し

刀に張り付く。「浄」お札が燃え刀が青い炎に包まれる。僕とトウコにだけ

悲鳴が聞こえてるだろう。


「終わったのか?」


「はい、これで大丈夫です。声は止んだ?」


「は、はい。」 トウコは泣き出した。


「トウコ、この刀は兼光という名刀だ。大切にしてね。」


「はい、お婆様の形見なんです。ありがとうございました。」


「忘れ物。」


「えっ、木刀・・・いつの間に・・・。」


「見事なものだな、こっちの世界でも超一流か。」


「よして下さい。宗家はもっとすごいですよ。」


「ははは、それはないだろ。シュリだぞ。」


「もしかして、同級生です?」


「ああ、同じクラスだった。よし、カエデ、休んでくれ。」


「はい。」


さて、自分のも・・・あれ?木材の中に棒がある。これでいいじゃん。

妙に手に馴染むし。


「よーし、全員できたな。じゃあ先週同様、斑に分かれて打ち合ってくれ。

 キリコ、刀斑を。ヒカミは剣斑を、カエデは槍斑。体術と暗器は私が見る。

 来週は斑どうしで戦ってもらうから。対抗戦もあるしな。」


まじか・・・槍斑は僕を入れて4人、う~む・・・。


「カエデ、自分は棒なの?」


「い、いやあ、なんか手にすんごい馴染むんだよね。」


「さっ!練習よ!槍こそが最強の武具と証明するのよ!」


「ナミが燃えているわ。」


「レビとナミ、僕とレードね。」


「カエデ・ガーネットウー!」 な、何?


「ガーネットウ、呼んでる。」


「Aクラスの奴だ。」


「目でも付けられたの、ガーネットウ。」


「ガーネットね。あれは・・・アーズル様じゃございませんか。」


「勝負だー!」


「勝負だー!じゃありませんよ、アーズル様。授業中ですよ。」


「アズールだ!アズール・アレキサンドル!」


「アーズル・アラキャンドル?」


「キ、貴様ー!」


「授業中ですって!」


「皇女の許可はもらった。」


「いや、せてめそこは先生でしょ。」 面倒な・・さっさと消えてもらおう。


「勝負だー!」 いや、真剣だし。


ニング先生をチラッと見ると頷いた。了解ちまちたー!


「アーズル様、晴れていても雷は落ちますのでお気を付けください。」


「何?」 一瞬、空を見た隙にアースコントロールで落とし穴。


「気のせいでしたか・・・。」


アズールは振りかぶって1歩目で穴に落ちた。


「意外に地面は荒れてますなあ。」


「き、貴様、卑怯だぞ!貴族の風上にもおけん!」


はいでてきて、またこちらに向かおうとする。2歩目でまた落ちた。

アズール、その辺は穴だらけだから・・・。今度は沈黙、深い穴だったからな。


「大変です!サブマス様!アーズル様が骨折とか気絶とかしてるんじゃー!」


「クララです!全く、あなたでしょ!穴を掘ったのは!」


「あっ、クララ様、そこは・・・。」


「キャー!」 しょうがないな、次いでだ警告しておこう。


「大丈夫ですかー!」 クララに手を差し伸べる。


「穴だらけじゃないですか!」 引き上げる時に耳元で呟く。


「クララ、Fクラスにちょっかいだすな。こいつみたいに恥かくぞ。」


「えっ・・・。」


「大丈夫ですか?」


「あっ、は、はい。ありがとうございます。」


穴を元に戻す。気絶したアズールも出てくる。


「エイル、骨折だけ治してあげて。」


「わかりました。」


これでただの気絶で済んだだろう。アズールはクララに引きずられていった。

ニング先生がサムズアップしている。


「さて、練習しようか。」


それから4人で交互に対戦し気が付いた事を指摘。


「さすが蒼穹ね、全く隙がないわ。」


「僕は落とし穴が最強な気がするよ。」


「私も。なんか足元が気になっちゃって。」


「何でトラウマー!」


という感じで午前は終了。掃除のおじさんが来て「また、モップの棒を。」と

怒って回収していった。なんで?

どんぶりチームは僕とキリコ、スズメに優。ジープで行こう。

おお・・・混んどる。ビップルームへ行き、注文。僕はちょっと贅沢ステーキ丼。

女性陣はみんな海鮮丼だ。うっまー!魔力を使った後の身体に染みるぜ。


「美味しいよ、優。」


「肉はトヨさんの所から格安でゆずってもらってます。」


「カイセン、シンセン!」 何でラップ?


「料理長が毎朝、仕入れに行ってくれています。」 大満足でティータイム。


「アズールは絡んできますねえ。」


「大丈夫だよ、クララに警告しておいたから。」


「まさか、言霊。」


「正解、だってうざいじゃん。」


「落とし穴を見た後、足元がぞわぞわしました。」


「私もです。」


「ここにもトラウマー!」


「落とし穴最強伝説ですね。」


「優まで・・・午後からなんだけど時間があれば受付を手伝って欲しいんだ。」


「何のですか?」


「ファントムの生産部門の。」


「そろそろ来ますか?」


「たぶんね。」


昼休み終了、クラブハウスへ戻る。


「リング、コーヒーをお願い。」

「承知致しました。」


「受付けるのはいいですが、金額等どうします?」


「そうだね、全て銀貨1枚にしよう。何が欲しいか聞いてもらうのと、素材は

 ゴブリンのクズ鉄である事も伝えてちょうだい。」


みな、頷く。


「カエデ様、お客様です。」 早速、来たか・・・。


エントランスに行くと1年の女生徒が居た。


「こんにちは。」


「こんにちは、こちらで剣を作っていただけないでしょうか?」


「作る事は可能です。何故、ファントムへ?」


「ダンジョンに入るのはもっと先だと思っていました。慌てて街の武具屋さんに

 行ったんですけど合う剣がなくて。私、力が弱くて・・木剣ぐらいだと

 大丈夫なんですが・・・どうしようと思ってた時にファントムの噂を聞き

 思い切って来ました。」


「成程、習ったりしてるんですか?」


「道場には通っていません。父に習ってます。」


「わかりました。場所を変えましょう、こちらへ。」


訓練場に行く、ヒカミに手伝ってもらう。


「ちょっと木剣で軽く打ち合ってみてください。」


「わ、わかりました。」


メモを用意して観察、確かに非力だな・・・。剣よりサーベルの方が扱いやすい

んじゃないかな。細めの剣にしよう、小柄だし。グリップを太くすれば握りやすい

だろう。


「オーケーです。では明日の放課後にでも取りに来て下さい。」


「あの、お代は?」


「明日で結構です。銀貨1枚です。」


「えっ、そんな安くていいんですか?」


「ゴブリンのクズ鉄で作りますから。上級生になって強くなったらもっと

 良い剣に変えて下さい。」


「わかりました、お願いします。」


データを取ったメモに名前とクラスを書いてもらう。

次の依頼人も来てるらしいけど、それはスズメとアトムに任せる。


「ヒカミ、アトリエに行くよ。次の依頼が来たらお願い。」


「わかりました。エントランスで待機します。」


アトリエに行き剣を作りだす。1本くらいだったらこの前の残りの材料で作れる

かな。メモを見ながら軽い細めの剣を作る。耐久性を上げる為に金剛のサーキット

を刻みファントムの刻印も入れた。鞘もドライアドの材料が残っていたので

それで薄めに作る。色は黒にして女の子なので赤いラインを2本入れた。

完成。鞘から抜いてみる。シャリーン、うんいい音だ。鞘にメモを巻く。

アトムが来た。


「2年の生徒だったよ。今、使ってるのが折れちゃったんだって、

 これなんだけど。」


「元々の質が良くないね。修理?」


「いや、それだとまたすぐ折れちゃうだろうから柄だけそのままで刀身は

 新しくする事にした。」


「任せるよ。」


「・・・確認してね。」


ザイルが来た。


「カエデ、ロッドの注文です。詳細はメモに。」


「了解。」


どれどれ・・・これはストライクロッドか。武闘派の魔導師だな。

柄はドライアドで刃の部分はゴブアン。魔石は継ぎ目に仕込もう。一応、刃の部分

の鞘も作って完成。メモを巻く。


エイルが来た。


「アイアンナックルの注文です。詳細はメモに。」


「了解。」


あれ?午前中も見た形だな、ベルクと同門かな?ゴブアンで形を作り、刃の部分

を研磨。女の子のようだし少し薔薇の彫刻を入れる。意外に重いな、金剛と

軽量化のサーキットを仕込む。両手に付けて動いてみる、うん、いい感じだ。

メモにその事を記載して完成。やばい、これはこれで楽しいぞ・・・。


ヒカミが来た。


「カエデ、剣の注文です。詳細はメモに。」


「了解。結構きてるの?」


「そうですねえ、今3人程でしょうか。」


「少しいい?」


「はい。」


「優の剣を作ろうと思うのだけど。」


「そうですね、木刀でも真空がありますから成立はしてますが、真空無しの場合

 を考えると必要かもですね。」


「ダンジョンの浅い階はゴブ剣でもいいと思うけど、先々を考えるとねえ。」


「ミスリルですか?」


「うん、オリハルコンも混ぜようかと思ってる。」


「優は真空を使わずとも十分に強いですよ。月華流の4人目です。」


「すごいねえ。じゃあ夜にでも打っておくよ。」


シゲさんとキリコが帰って来た。2人はニング先生と対抗戦の打ち合わせを

していた。


「やってるな、俺も手伝う。」


「製錬と合成、お願い。」


「了解。」


「私は受付に入ります。」


「お願い。」


ヒカミに渡されたメモの確認。ビッケの友人でロイド流を学んでいると。

希望はエリシエーターだが5センチ長く。背が低いのかな?あっ、女の子だ。

シゲさんが製錬、合成したものをもらう。おお・・・さすが。

エリシエーターはもう何回か作っているので超早い。


「ヒカミ、ビッケの友人はもう帰った?」


「いえ、お茶を飲んでますよ。」


「完成したから渡しちゃって。」


「わかりました。」 ヒカミが取りに来た。


「はいこれ、訓練場で試してもらって。すぐ調整するし。」


「そうしましょうか。」


キリコが戻って来た。


「カエデ、ちょっと相談が。」


「何?」


「ミナミの事なんですが・・・。」


「ミナミがどうかした?」


「刀を売ってしまったようなのです。」


「えっ、何で?」


「お金に困ったみたいです。」


「親御さんは?」


「居ません。」


「えっ、そうだったの?」


「はい。ガーネットに居る時はアルバイトをしてたんですが、こちらに来てから

 はついていくのに必死みたいで・・・。寮と学食がありますから食事の心配は

 ないのですが。それでも女の子ですし、全くお金が要らないという事もありま

 せんから・・・。だすと言ったんですが、受け取ろうとしないんです。」


「ダンジョンはどうするの?」


「ギルドには入っていないそうです。」


「う~ん、ちょっと頑なになってしまってるのかな。わからなくもないけど。」


「わかるんですか?」


「わかるよ。ミナミはずっと自分の置かれた状況に負けてたまるかって生きて

 きたんだ。そう思えば思う程自分の力だけで何とかしようとするのさ。

 人に頼ったり、甘えたりする事自体わからないんだよ。」


「悲しすぎませんか?」


「悲しいよね。でも、それがミナミの生き方なんだ。」


「ほっとけと・・・。」


「まさか、神居出身だけどガーネットに何年も居たんだ。ほっとくわけない。」


「はい!」


「シゲさん、あとよろしく。」


「おう。」


「行こうキリコ、ミナミの所へ。」



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