CARBON SWORD
「IAもプログラミング済みだから、まず名前を付けて。」
「わかりました。あなたの名前はアダムです。」
「初めましてマスター、アダムです。」
「おお・・・初めて見ます。」
「魔石はジェムに替えておいたからチャージはいらないよ。」
「むっ、マスター。何ですかその無骨な銃は?」
「ああ、これはカエデから頂いた大切な実弾銃です。」
「カエデ様、ビューティフルなマイマスターにはごつすぎませんか?」
「そう?カッコイイと思うけど・・・。」
「カエデ様の美の基準はわかりかねます。」
「あっそ。」
「むっ、そこの娘も無骨な銃を・・・まっ、いいでしょう。」
「あれ?」
「アカリ、IAって個性が色々あるんだよ。」
「すごいですねえ。」
「そこの娘、もっと褒めてもいいですよ。」
「すごいですねえ・・・・。」
「おーほっほっほっ!」
「・・・・・。」
「アダム、明日はダンジョンです。期待してます。」
「お任せを、マイマスター。」
「んじゃ帰るよ。また明日。」
「「はい。」」
転位して自室へ。楽すぎる・・・身体が鈍る・・・。まあ、それもいいだろう。
あっ、ゴゴゴゴーの事すっかり忘れてた。まっ、いっか・・・。
さて夕食まで少し寝るとしよう。カモナに起こされ食堂へ。
しゃぶしゃぶにしよう。1人しゃぶしゃぶしているとベル姉達が来た。
「カエデちゃん♡。」
「遅かったね。」
「ほら、今日は生徒会の日だったから。」
「そっか。」
「カエデちゃん、キリコちゃんから聞いた?」
「クラス対抗の話は聞いたよ。」
「出るの?」
「辞退するよ。諭吉達はわかんないけど、みんなは?」
「運営側ね。」
「そりゃそーか。僕は出場者を応援するよ、優勝はベル姉達のクラスでしょ。」
「そうとも限らないわよ。」
「そうなの?アリ姉。」
「上の学年になると卒業後の事とかあるからクラスに関係なく頑張る人達が
出てくるの。」
「冒険者になる人達も大手ギルドにアピールチャンスよ。」
「それで下剋上もあるか・・・。」
「そうね、その方が盛り上がるでしょ?」
「鍛冶ギルドの方はどうなったの?」
「ひとつは貴族がらみ、そっちはうちのクラスの子に手をだしたから乗り込んで
ボッコボコにした。モップでだよ。改心するかはクマゴロウ次第だね。」
「するのかしら?」
「職人魂が残ってればね。武具はうちの生産部門のをじわじわと広げるよ。
ゴブリンのドロップベースのやつ。」
「あー、ラフィンウィッチーズね。冒険者ギルドで噂は聞いたわ。」
「ちゃんとファントムってギルド名があるんだけど、そっちが有名になりそう。」
「生産部門があるのね。」
「僕とシゲさんと鍛冶屋の息子の3人だけだけど。」
「カエデちゃんとシーゲル君だけでもこの国のトップよ。」
「いや、そんな事は・・・あるかな。ドワーフ系の鍛冶ギルドはしばらくの間
シゲさんが指導する事になった。悪意があった訳じゃないし技術的な問題だった
からね。」
「今年の1年生は階層制限がないから、危ないもんね。怪我しなきゃいいけど。」
「するよ。A、B、Cくらいまでは。」
「あら。」
「いい勉強になるんじゃない。残りは魔導系の鍛冶ギルドなんだけど、こっちも
やっぱり適正なロッドと杖を作って普及させるつもり。」
「ずいぶん慎重なのね。」
「犯罪を犯してる訳じゃないからね。僕も買う方が悪いと思ってるよ。人数が
多いと小さい問題というか人間っぽい問題が多いよね。」
「そうなのよねえ・・・。まあ、それも学園の方針のひとつなのよ。」
「疑似社会か・・・。」
「カエデちゃん、暗部してるわねえ。」
「やめてー!」
さて、風呂に入る前にイングラムを作ろう。ヒカミにあげちゃったからね。
作ってると春さんが来た。
「お疲れー。」
「お疲れ様です。」
「どう、学食は?」
「学食自体には大きな問題はないです。しかし、レトルトの方の生産がぎりぎり
です。ブラウニーの皆さんが交代で24時間体制で稼働してです。大元の方
もほぼ1日コラーボさんが付きっきりですね。」
「う~ん、働いてる人達のギャラと仕入れ分は稼げてるの?」
「はい、問題なく。」
「お金儲けの為じゃないからね。そのボーダーラインでいいんじゃない。
欠品だしてもいいと思うよ。」
「わかりました。そのように調整します。」
「今週末さ、キャンピングジープでどっか行こうよ。」
「いいですね。みんなにも言っておきます。」
「よろしく。」
「私は1度、神楽へ。」
「了解。」
話しながらでも手は止まっていなかったので銃は完成。ダンジョンで試したい。
さて、風呂入って寝よう。チャポン、いい湯っす。
それにしてもクラス対抗か・・・上級生を見るいい機会かも。
虫型ドローンでデータを取っておこう。うちのクラスの代表には武具の提供だな。
これもいい機会だ。全部で30クラスだから1回勝てば15位確定か・・・。
う~ん、まだ早いか・・・。コーヒー牛乳プハーしておやすみなさい。
お早う、、朝のルーテインをこなして朝食。みんなもう出掛けたのかな?
僕もゼルダが剣を取りに来るから早めに行こう。
「お早う、リング。」
「お早うございます、カエデ様。」
「来客はまだだよね?」
「いらっしゃってます。朝食を食べてないという事でしたのでお出ししてます。」
「えっ、ありがとう。ホール?」
「左様でございます。」
ホールに行くとマジックコネクションとアトムがホットサンドを食べてた。
「みんな、お早う。アトム、泊まったのか?」
「うん、エリシエーターが難しくってさ。でも完成したよ!」
「カエデ、すまないね。なんかワクワクが止まらなくて・・・。」
「気にしないで。それよりみんな、朝食は抜いちゃ駄目だよ。成長期なんだから
おっきくなれないぞー。」
「わかったわ、母さん。」
「誰が母ちゃんか!ゼルダ、剣は出来てる。訓練場に行こう、みんなもダンジョン
前のアップして、アトムも。」
丁度スズメが来たのでみんなを見てもらう。
「銘は『雷鳴剣シカタ』。ミスリル100パーセントの魔導剣だ。ミスリルは
知っての通り剣としては軽いし脆い。だから使用する時は常に魔力を流す。」
「やってみるよ。」
ゼルダは剣に魔力を流した。バチッ!バチッ!シカタは放電しだした。
「こ、これは・・・。」
「もう少し抑えてもいいかも。」
「わ、わかった。」 放電は収まった、それでも青白く光っている。
「す、すごい・・・。」
「それは初心者用とかじゃないから、大事にすれば一生使える。」
「もらっていいのかな?」
「いいよ。たまに使い心地を教えてくれれば。」
みんなのアップも終わったようだ。
「じゃあダンジョン頑張って。怪我に気をつけてね。」
「わかったわ、父さん。」
「誰だ父さんか!」
マジックコネクションを見送ってリビングへ。全員、揃っていた。
「今日は先週同様、塔のダンジョンの攻略です。2階からですね。先週は少々
飛ばし過ぎましたので今日はゆっくり目で行きましょう。チーム分けなんですが
細かく分けます。浅い階層ですと過剰戦力ですので。」
僕はアトムとコンビだ。
「最弱どおしがんばろーぜえ。」
「う、うん。緊張するなあ・・・初ダンジョン・・・。」
「鍛冶に使えるドロップがあるかもよ。」
「さあ、早く行こう!日が暮れちゃうよ!」
コクーンで移動。アトムは初コクーンなので驚いていた。
冒険者ギルドで手続き。さすがに少しざわついている。
「あ、あれがラフィンウィッチーズ・・・子供じゃないか・・・。」
「男子、弱そうよ・・・あれがパラサイズ・・・。」
いや、パラサイズって・・。いいだろう、男子の本気を見せてやるよ、アトムが。
「キリコさん、ちょっといいですか。」
職員らしき女性にキリコが呼ばれた。待ってる間ヒカミが専属のお姉さんから
2階の情報を聞いている。
「みなさん、ファントムルームへ。」
「すごいや、専用ルームもあるんだね。」
「ギルマスからなんですが、2階でシャドウスカルが発生してるようです。」
「シャドウスカルが・・・。」
「シャドウスカルってなに?」
「ダンジョン内のバランサーみたいなものなんですが、稀に出ます。」
「他のモンスターとは違うんですか?」
「ええ、フロアーのモンスターよりかなり強いです。」
「あの、バランサーが出て来たのってもしかして・・・。」
「私達が原因かもしれませんね・・・・。」
「やっぱりー!」
「先週、あれだけ暴れればな。」
「駄目なの?」
「駄目ではありません。あくまで攻略の結果ですので。広いフロアーですので
出会えるかわかりませんが、もし会ったなら討伐して下さい。カエデ、その際
武具を開放しますが?」
「もちろんオーケーだよ。シャドウスカルごとき瞬殺してあげて。」
「怪我人を見つけた場合、すぐに転送して下さい。転位石をもらいました。」
1チーム2個づつ渡される。
「ニルバーナさんから2階の情報をもらいました。基本はジャングルでアニマル系
植物系のモンスターがメインです。ジャングルを抜けると草原になりそこで
ボス戦です。」
「アトム、ガードできるもん持ってるか?」
「うん、自作したのがある。」 ヘッドギア・・足りん。
「これも付けて。」
ハートガード、グローブ、結界のブレスレッドを渡す。
「すいませんアトム、うっかりしてました。来週までに戦闘服は用意します。」
「えっ、いいよこれで。」
「死ぬぞ・・・。」
「お願いします!」
「それではダンジョンの中で散開します。」
入ってすぐ横の部屋に転位門があり、くぐると2階の入り口の前の小部屋だ。
「昼に外へ出てギルドルームに集合という事で。」
みんな、ジャングルに散った。
「よしアトム、僕らも行こう。」
「カエデ、エリシエーター。」
「おお、ありがとう。早速、使うよ。」
「アニマル系、植物系ってどんなだろう?」
「色々いすぎてわかんないな。それにこの環境だと昆虫系も居るよ。」
「うへぇ・・虫、苦手。」
「来るぞ!」
「えっ、ど、どこ?」
「横に飛べ!」 赤黒い舌が来た。
いきなりポイズンフロッグか・・・。側に沼でもあるのかな。
「アトム、ポイズンフロッグだ!あの舌に当たるな!痺れるぞ!」
「う、うん。」
ジャングルではあるが、剣は使えそうだ。
「アトム、僕が囮になるから舌の出所を見つけてやっつけて。」
「わ、わかったよ。」
ナイフの方が動きやすいか、カランビットとバヨネットにする。場所はわかってる
が、ここはアトムにカーボンソードの凄さを体感してもらおう。
来た!身体に当たらないように捌く。後で洗わなきゃね。
「あそこだ!」
アトムが走る、おそ!まあ、ポイズンフロッグも遅いから大丈夫だろう。
僕もアトムを追い抜かないように走る。居た!でっかいな、おい!
「行け!アトム!」
「うん!」 スパンッ!
「えっ?」 ポイズンフロッグが真っ二つだ。
斬った本人が驚いている。ドロップは毒の小瓶と魔石だ。
「お疲れー、ドロップ品も回収した。どうした?」
「えっ、い、いや、全く手応えが・・・。」
「まあ、それがカーボンソードの特徴のひとつだね。」
「他にもあるの?」
「うん、歩きながら話そう。」
すごい数のモンスターの気配を感じながら歩く。みんなの所へ行って。
「カーボンスチールは天然では存在しないんだ。炭素繊維を加工して作る。
金属じゃないからとても軽くて薄い。」
「うん、軽い。」
「斬れ味も最高で、名剣、名刀と呼ばれるものと遜色ない。」
「すごいなあ。」
「ただし、すぐ斬れなくなる。もって半日だ。」
「えっ!」
「知り合いにカーボンソードを好んで使う奴が居るんだ。そいつは刃を複数
持ち歩いていた。」
「付け替えるの?」
「そうなんだ。握りの所に射出レバーが付いていて、すぐに交換できるように
なってたな。」
「あれ?何か見覚えがあるような・・・。」
「そいつの名はディー。アトムの師匠だ。」
「師匠ー!」
「まっ、今日くらいはもつだろ。帰ったらディーにスナップブレードの作り方を
教えてもらうといいよ。集団が来るぞ!」




