DISTRIBUTION
今日はベル姉達も学園に行くとの事なので、みんなを乗せて大型ジープで。
あっ、キャンピングジープを取りに行くの忘れてた。今日、帰りに行こう。
今週末はキャンピングジープでどっか行こうっと・・・あっー!貴族のパーティー
とほほ・・・。
校門の所はベル姉達のお迎えで列ができてるので姿を隠して教室へ。
おっ、みな軍服じゃないか!キリコ、ありがとう。い、いかん、僕の軍服がない。
「キリコ、僕の軍服ってあるの?」
「その制服は新しいのです。スイッチして下さい。」
「えっ、そうなの?ありがとう。」
スイッチ、おお・・・おっ?何で勲章がついてんだ?
「生徒との差別化です、教官。」
「あ、ありがとう?」
よし!まずは教室に結界を張る、ブラックボックスに触れるから念の為だ。
「諸君、お早う!」
全員、起立して敬礼してるよ。のりがいいなこいつら・・・。
「座ってよろしい。今日は先週話していた通り魔導銃について学ぶ。」
「イエッサー!」
「全員分の魔導銃を用意した。老兵から若人へのプレゼントだ。一応、シルバーは
女子、黒は男子だが色の好みもあるから交換等してくれ。キリコ、ヒカミ、配布
を手伝ってくれ。」 ホルダー付きだよ。
「「イエッサー!」」
生徒達は現物が手に入るとは思ってなかったようで驚いている。
そりゃそーか・・・。交換タイムで少し待つ。
「全員にいき渡ったな。まず、今手にしている魔導銃は素体と呼ばれるもので
そのままでは使えない」
黒板にイラストを描く、外装の名称を記載する。
「これが基本的な構造だ。このダイアル部分が肝でブラックボックス化されてる
部分なので後で説明する。皆に渡したタイプはもっともベーシックなもので
あり、このバレルの長さによって威力もかわる。ライフリングが刻んであれば
より狙いも正確になるだろう。グリップ部分には魔石が収まっており、それが
みなの魔力に反応し魔弾を打ち出す力を発揮する。ここまで質問あるか?」
「はい、教官。」
「アトム、質問を許可する。」
「シルバーとブラックでは重さが少し違いますが、素材が違うという事ですか?」
「うむ、シルバーはINОXつまりステンレス鋼、黒は鉄で出来ている。
INОXは腐蝕に強い等メリットが大きいのだが目立つ等の弱点もある。
鉄の方は手入れが必要になるが夜戦、あるいわジャングル等で目立たないなど
メリットもある。」
「夜戦・・ジャングル・・・。」
「わかってると思うが、もう1度言っておく。銃は武具だ、モンスターと戦える
が同時に人を殺傷する事もできる。使い方を誤ると即、犯罪だ。」
唾を飲む音が聞こえる。
「いよいよ心臓部であるダイアル部分の説明に入る。この機構は魔導銃だけでなく
様々なものに応用できる。その為、開発者は軍事利用されるのを恐れブラック
ボックス化した。使用者以外の人間がその部分に触ると全てのデータが
ディレートするようになっている。」
「教官!」
「何だ、ゼルダ。」
「そのような機密事項を我々が知ってよろしいのでしょうか?」
「ここまでの話は問題ない、ダイアルの中が重要だからな。」
「ほっ、良かったです。」
「では、中の機構の説明をする。」
「するんですか!」
「そりゃするだろう。自分が使う武具の構造を知らない方が危ないぞ。」
「はい教官、質問よろしいでしょうか?」
「キヨカ、許可する。」
「そのブラックボックスで機密事項の構造をなぜ教官はご存知なんですか?
私達と同い年ではありませんか?」
「うむ、10歳だな。今の質問だが単純な話でその機構を開発したのが私だ。
7歳の時だな。」
「えっー!」
「何を驚いている。先週、見せたデル君は私が改造したもので今みなの手元に
あるのはデル君をベースに量産化されたものだ。ちなみにデル君の動力は
魔石ではなくコインだ。」
「えっー!」
「という事でダイアルの説明をする。このダイアルを変える事で属性に関係なく
魔弾が撃てる。例えばダイアル1を炎系、ダイアル2を水系、ダイアル3に
ヒール系を設定していればその3系統の魔弾が撃てるという事だな。
これだけ聞けば、とても便利な物なんだが残念ながらそうはならない。
使用者の魔力量に比例するからだ。ダイアル2の水系にして魔力が少ない者
が撃っても花に水をやる程度だし、炎系だと焚火の着火がせいぜいだ。
それだけであれば、わざわざ高い金を出して魔導銃を買う必要はない。」
「それが普及しない理由・・・。」
「ブラウ、その通りだ。そしてこのダイアルの後ろにもう1枚ダイアルがある。
そのダイアルはもう1枚のダイアルを制御するものだ。制御用のダイアルが
ないとサーキット同士が干渉しあい魔弾が撃てない。今、みなが持ってるの
は2枚版だ。最大3枚まで組み込む事ができる。つまりその構造、サーキット
を入れ子にしてコンパクトにまとめる事がブラックボックスなんだ。
最大6系統の魔弾が撃てるのと1人で複合魔法弾を撃つ事も可能だからな。」
「はい、教官。」
「ベルク、質問を許可する。」
「魔力量が多いとセットした属性の強力なものが撃てるという認識で
良いですか?」
「そうだ。だからみなにはまず、魔力量を増やしてほしいと思う。」
「はい、教官。」
「スリル、許可する。」
「今この魔導銃は何も刻まれてないですが、サーキットはどこで刻めばよい
のでしょうか?」
「通常であれば購入した店、もしくはガンナーズギルドに発注する。だが、皆
のは私が組もう。それも課題とする、どの魔法が自分とって必要なのかよく
考えて構成してみよう。」
「はい、教官。」
「ベルク。」
「教官殿のデル君はどのような構成なのでしょうか?」
「うむ、魔導師志望の諸君はわかると思うが、自分の使える魔法は基本秘密だ。
大切な商売道具だからな。」
「失礼しました!」
「いや、別に構わない。私は魔導師ではないからな。デル君の構成はオールだ。
ちなみに銀貨投入でエクストラヒールが撃てる。」
「す、すごい・・・。」
「もちろん、それには理由もある。シーゲル、答えろ。」
「教官の魔導銃がIA化されているからです。」
「その通りだ。実弾銃は構造上IA化できない。IA化する事によって自分の
レベルに比例して魔道銃も進化しやれる事も増えるし、盗難防止にもなる。」
「教官、質問が。」
「ヒカミ、許可する。」
「IA化を希望してるのですが。やはり販売店かガンナーズギルドへの持ち込み
でしょうか?」
「本来ならそうだ。出血大サービスで私とシーゲルがやろう。」
「えー!」
「いやだって、1人じゃ大変じゃん!」
「わかったよ。」
「という事でIA化を希望する者はサーキットを組む時にいっしょにやる。
先程、魔道銃のメリットと言ったがデメリットもあるからよく考えて決断
してくれ。」
「デメリット・・・。」
「うむ、意思を持つ事になるからな。あまり使わないとストレスが溜まるから
メンタルケアが必要だ。ダンジョンに連れていけとせがまれる事もある。
感覚的には仲間という感じだな。」
「な、成程。」
「よし、それじゃあサーキットの構成、IA化をどうするかは1か月やるから
よく考えてくれ。素体では使い物にならないから大丈夫だと思うが、盗難とか
上級生には気を付けてくれ。来週は実弾銃の講義をする。以上だ。」
「起立、敬礼!」 おお・・・気持ちええ・・・。
「ゼルダ、例の物ができてるよ。」
「おお・・・クラブハウスへ行けばいい?」
「うん。」
「昼食を食べたら伺うよ。」
「了解。」
クラブハウスで全員で昼食。今日はヒカミも優もいる。ハンバ~グ!チーズイン。
「それにしても魔導銃ですか・・・どうしましょう?」
「ヒカミは決めているようでしたけど。」
「はい、元々購入するつもりでしたから。頂いたのは嬉しいですね。」
「みんなのは希望があれば3枚で組むよ。」
「授業でああは言ってましたけど、デル君ってリバイブ撃てますよね?」
「撃てるけどクラスの連中が無理すると魔力欠乏で死ぬから。」
「ひぇ・・・。」
「どう構成するか考えるのも楽しいですね。」
「使ってみて良かったら美月や九郎のも買おうかな。」
「探偵社で支給するよ。」
「私だけAクラスというのも、なんかこう疎外感を感じますね。」
「頑張って次の試験でFクラスを目指せば?」
「いや逆に頑張っちゃだめだろ!」 ナイス突っ込みだ、ボルタ。
「まあまあ、ほいこれアカリの。」
「えっ、何ですこれ?」
「魔導銃。」
「えっー!」
「いや、考えてみればクラス分発注したんだけど僕は持ってたんだよね。
黒で申し訳ないけど。」
「アカリ、私は黒がいいので交換して下さい。」
「は、はい。」 スズメと交換してた。
午後からは委員会の日だ。シゲさんとキリコはクラス委員なので代表会議へ。
エイルは保健委員会、スズメは図書委員会。優は美化委員会だそうだ。
諭吉と才蔵は風紀委員会、ザイルは体育委員会とそれぞれ忙しそうだ。
ボルタはオタク活動という名のギルドへ、今日はコールの練習らしい・・・。
ヒカミはクラブハウスなのでアカリと一緒に僕のサポートをしてくれる。
「カエデ、後でちょっといいか?」
「えっ、やだ!IA化の事、根に持ってる?」
「ちがーう!アイアンハートの件だ。」
「あっ、それ。いいよ。」
「カエデ様、お客様です。」
「了解。ヒカミ、アカリ、ちょっと手伝って。」
「「わかりました。」」
エントランスに行くとゼルダ達4名がキョロキョロしてた。
「お待たせ。」
「い、いや大丈夫だよ。ビッケから話は聞いていたけど、すごいな。」
「そうだね。僕らも最初は驚いたけど慣れた。早速だけどまずロッドから。」
ドラゴンロッドを2本出す。
「えっ?」 魔力を軽く流す。
「えっ!」
「そんなに意匠を凝ったつもりは無かったんだけど、目をつけられて危ないって
いうからさ。ドラゴンが見えなくなるように細工した。」
「い、いや、消えるのも驚きだけどロッド自体に驚いた。木工職人でも居るの?」
「えっ?いや、僕が作ったけど。」
「まじか・・。魔導銃の事といいカエデ、君は何者なんだい?」
「う~ん、何者かと問われればガーネット家の次男としか言いようがないね。」
「長男クロス様、長女ベル様。2人は誰もが知る有名人だ。次男は上2人に全部
持っていかれた出涸らしって聞いた。それがどうだい・・噂とはあてになら
ないもんだ・・・。」
「いや全くのでたらめじゃないよ。僕は家を手伝う気もないしね。2人とも
ロッドを持ってみて。」
「・・・な、何だこれ?」
「手に吸いついて来ます。」
「ウィスプのロッド程じゃないけど、皆の魔法行動で最適化するよ。」
「ま、まさか、この木は・・・トレントかい?」
「そうだよ。倒した訳じゃないよ。トレントも普通の木と一緒で剪定が必要なん
だよ。その不必要な枝を拾ってきた。」
「いや、拾ってきたって・・・・。」
「後、杖はこれね。」
「「おお・・・・。」」
「仕組みはロッドと同じね。」
「きれーな魔石・・・。」
「そう?それゴブリンのだよ。」
「んな訳あるか!」
「まじだって。ゴブリンの魔石を綺麗にしてくっつけただけ。」
「魔石をくっつける?まさか合成したのか?」
「そうだけど。」
「さすが賢者様のご子息という事か・・・。」 そういう事にしておこう。
「明日はダンジョン?」
「その予定。」
「ぶっつけ本番で使うのは危ないから、ちょっと試してみよう。」
「えっ?どこで?」
「訓練場で。」
「ど、どうなってるんだ、この小屋!何でこんな広い所がある!」
「何でだろう?」
「カエデ、本気でわかってませんね。」
「ヒカミ、アカリ。手分けしてチェックしよう、バランスとか見て。
調整するから。」
「「わかりました。」」




