ONIMARU
「次に実弾銃だが、これもここ数年で少しづつ使用者が増えているしガンナーズ
ギルドも設立されガンナーのバックアップをしている。魔導銃との最大の違いは
魔力があまり必要ない事だ。魔石を動力とし金属の弾を撃ちだす。ただし、弾丸の精製
には多少魔力が必要だ。」
「教官、発言よろしいでしょうか?」」
「うむ、カリン。許可する。」
「魔力が少なくても使用できるのであれば魔導銃は必要ないのではないでしょうか?
魔力量が少ないと言っていたソルトでも使えるわけですし。」
「うむ、い~い質問だ。スズメ、説明してやってくれ。」
「えっ、私ですか・・・わかりました。実弾銃は金属の弾を撃ちだすため狙いがより
精密でなければ意味がありません。質量のあるものを撃つのでその反動も
すさまじいものがあります。つまり、使用者の技術が大前提となります。」
「パーフェクト!」 バリバリバリ!諭吉が吹っ飛んだ。寝てたからね。
「実弾銃は魔導銃より生産がしやすい為、様々な種類がる。例えば威力を求めるなら
大口径のマグナム系、長距離で使いたいのであればライフル系、近距離の護身用
ならグロック系などだな。そのどれもが技術を要求されるわけだ。だが、実弾銃も
魔導銃同様に全員使いこなせるようになってもらう。」
「イエッサー!」 おお・・良い返事だ。
「実弾銃の上級者には弾丸に自分の属性を付与する者も居るし、銀弾なんかは
バンパイア、ワーウルフなどに有効だ。」
「バンパイヤ・・・ワーウルフ・・・。」
「まだモンスターと対峙した事がない者が多いだろう。だが残念ながらこの世界は
モンスターの脅威がある。自分の身は自分で守れ!来週から理論と実技にはいる。
今日は以上だ。」
デル君はみんなを1周して戻ってきた。
「お疲れ、デル君。」
「いや~、緊張しました。次回はラムさんで。」
「了解。」
さてと、ボルタは・・・いたいた。
「ボルタ。」
「は、はひ、教官殿!」
「授業は終わってる、カエデでいい。午後から暇?」
「・・・忙しい。」
「何の委員でもないだろ?」
「忙しいものは忙しいんだ。嫌な予感がするし。」
「ははは、さすがベル姉達のギルドに合格するだけはある。しか~し、ここに
こういう物がある。」
「な、何だそれは?」
「華姉の髪飾り。」 ボルタは僕の前に跪いた。
「地獄の底までお供します、カエデ様。」
「よし、では行くとするか。」
「何してんだ、あいつら?」
「Мがカエデに釣られた光景ですよ。」
「成程。」
2人で校門まで歩く。こいつ、気配を消すのがうまいなあ。
武具屋まではジープだ。
「うぉ、ジープ・・・。」
「カモナ、塔のダンジョン街の武具屋まで。」
「かしこまりました。」
「さすがガーネット家。」
「ボンボンなのは否定しない。腹減ったな。カモナ、街で降りるよ。」
「かしこまりました。」
「さっきの授業といい何でFクラスに居る?いや、カエデだけじゃないユキチも
シーゲルもあの半端ないオーラの女の子達もだ。」
「聞く?聞いたら戻れなくなるけど?」
「・・・・やめとく。」
「そういうボルタも何でF?アカリの従者なんでしょ?」
「いや普通に入試の結果だ。アカリ様がAクラスに居るのが奇跡だ。」
「成程ね。」
「カエデは華様の従妹なんだろ?」
「そうだよ、同じ敷地内で暮らしてる。」
「同じ屋根の下じゃなくて?」
「敷地内にタチバナ家の屋敷があるんだよ。」
「さすがタチバナ家。いいなあ。」
「遊びに来ればいいじゃん。同じギルドなんだし。」
「そ、そんな事したら先輩に殺されるぞ。あのギルドはそういうギルドだ。」
「親衛隊みたいな感じ?」
「そうだよ。」
「ベル姉達より弱かったら守れないじゃん。」
「おっしゃる通りです。」
「到着します。」
「了解。飯くお~ぜ。」
「腹ペコだ。」
「何がいい?」
「肉一択。」
「オーケー、ステーキにしよう。」
「あんまりお金持ってない。」
「すねかじりの出来損ないにお任せ。」
「おお・・・。この街は初めてだ。」
「上級生がうろうろしてるから着替えよう。」
「えっ、どうやって?」
「スイッチ。」 私服になる。
「何だそりゃ!」
「んっ?ついてないの?」
「ついてるかー!」
「しょうがないな。武具屋で着替えさせてもらおう。その間に隠れた名店を
聞いとくよ。」
武具屋は幸いここから近い。
「婆ちゃん、着替えさせて。」
「何だい藪から棒に。奥使いな。」
「カモナ、お願い。」
「かしこまりました。ボルタ様、こちらへ。」
「は、はい。」
「んっ?この執事どっから出て来た?」
「気にしない気にしない。例のブツは?」
「用意できとる、あの坊主がターゲットか?」
「うん。でもその前に昼食を食べて来る、まだなんだよ。この辺に隠れた
ステーキの名店ない?」
「えらいピンポイントだのう。あそこは美味いが爺が偏屈だからのう・・・。」
「場所教えて。」
「一筋縄ではいかんぞ。」
「大丈夫、何とかするから。」
「カエデなら大丈夫そうじゃのう・・・。」
「着替えた。」
「よし、場所を聞いたから行こう。じゃあ婆ちゃん、ちょっと行ってくる。」
教えてもらった道順でどんどん奥へ進む、やべー迷いそう。
おっ、ここだな。
「カ、カエデ、ここ本当にステーキ屋か?」
建物が蔦に絡まれてぎりぎり扉が見える位だ。
「そのはずだけど・・・。入ってみよう。」
ギギギーと扉を開けて中に入る。暗っ!
「子供2人、お金ならあります。」
うす暗い奥の方に眼光の鋭い爺さんが居た。
「ガキの舌に合う肉はない、他をあたれ。」
「ひっ!」
「その佇まい・・・武人・・・。」
「ほう・・・小僧、わかるか?」
「その拳・・・徒手ですか・・・。」
「ただの小僧ではなさそうだな・・・。」
んっ!あの腰にさげた瓢箪・・・・。もしや・・・。
「その腰の瓢箪はもしやテッコウ様のでは?」
「何!小僧、師匠を知っておるのか?」
僕は同じ瓢箪を見せる。
「なんとおー!小僧、その瓢箪は師匠が認めた者にしか渡さないもの・・・・
弟弟子なのか?」
「兄弟子!」
2人はひしっと抱き合った。
「なにこれ?」
その後、爺さんは上機嫌になりとんでもなく美味いステーキを食わしてくれた。
ヒカミ並みだよ。僕も何故か嬉しくなり、爺さんの瓢箪に桃源郷の桃のソーマを
たっぷり注ぐ。
「弟弟子、わしは鉄斎という。また来い。」
「うん、僕は楓、こっちは雷斗。必ず来るよ。それとそのお酒飲み過ぎると
若返るから注意して。」
「若返る酒・・・ま、まさか・・・。」
「いや~旨かった。あたりだね、あたり。んっ、どうした?食い過ぎたか?」
「ちがーう!なあ、カエデ。お前は何者なんだ?」
「カエデ・ガーネット、今年で11歳になります。」
「知っとるわ!クラスメイトじゃん!」
「まあまあ、まずは目的を果たそう。婆ちゃん、ただいまー。」
「お帰り、食えたのかい?」
「いや~旨かった。また来いって。」
「な、なに!テッサイがか?」
「うん。」
「・・・・何をした?」
「えっ?何にも。共通の知り合いが居ただけだよ。」
「テッサイとか?」
「それより、子供でも買える安い刀を見せてよ。」
「お、おお、そうだったのお。オクノバケツニハイテルヨ。」
芝居下手―!
「な、何だ?」
「このバケツの中から刀を選べ。」
「このガラクタの中から?」
「そうだ。華姉に近づきたいだろ?」
「当然だ!刀なら一応持ってるけど・・・。」
「どアホォ~!」 とりあえずビンタ。
「2度もぶった!親父にもぶたれたことないのに!」 こいつ、できる・・。
「・・・何しとる?」
「いいから選べ。」
「わ、わかったよ。」
僕と婆さんは固唾を飲んで見守る。
「こ、これかな・・・。」
「「違う!」」
「それは僕が買う!」
「う~ん、じゃあこれ。」
「「ちがう!」」
その後2回、ちがう!を繰り返し残り2本だったよ。
やっと鬼丸にたどり着いた。ふぅ・・・。
「よし!婆ちゃん、残りは僕が引き取るよ。」
「まいど。」
小声で。「彼のサクセスストーリーは随時報告に来るから。」
「楽しみじゃのう。」
なんとか鬼丸をボルタに渡せた。ドキドキしたよ。
「茶しばいてかえろーぜ!」
「・・・・。」
「あそこのカフェにしよう。」 ケーキセットを頼む。
「カエデ、訳を話してくれないか?」
「なんの?」
「いや無理があるだろ!ちゃんと話すのは今日が初めてだぞ!」
「細かい事を気にすると、禿げるぞ。」
「真面目に聞いてる。」
「はぁ、しょうがないか。さっき貰った刀を貸して。」
錬金術で偽装をとる。
「なっ!この刀は・・・・。」
「その刀の銘は『鬼丸』。天下五剣とされる名刀中の名刀だ。」
「な、何故、俺に・・・。」
「理由は4つ。」
「多くね?」
「しょうがないだろ!まず、武具屋の婆さんの希望でその刀で立身出世する若者が
見たい。アカリの従者である事。ベル姉達のギルドに所属してる事。そして、
半妖である事。」
「・・・気づいてたのか。」
「まあな。知り合いに半妖が居るし。鬼のハーフだけど。」
「全く・・・本当にカエデは何者なんだ?」
「カエデ・ガーネット、次男坊です。」
「もうええ!カエデが使えばいいじゃないか。」
「刀と銃は趣味だから沢山持ってる。アカリは出会ったばかりだが眷族という割に
弱い。けど、うちの女性陣と居ればすぐに強くなるんだ。さっきも言ったけど
守られる方が強いはないだろう?ベル姉達のギルドに居て、弱かったら死ぬぞ。
あとな鬼丸はちょっと特殊な刀で霊力は流せないけど妖力は流せるんだ。
みんな知らないけどな。以上の理由でボルタがターゲットになりました。」
「母親が千疋狼でな、普通なら人間に馴染めないらしいのだが田村麻呂様のお陰
で人間として何不自由なく暮らす事ができた。その恩返しをする為に
アカリ様の従者になった。そう言えば何でカエデはアカリ様を
知ってるんんだ?」
「何でって、アカリはうちのクラブとギルドに入ってるぞ。」
「知らんかった・・・。何のクラブだ?」
「オマタクラブ。」
「・・・・田村麻呂様に何て報告すれば・・・。」
「下半身クラブじゃねーからな!オートマタクラブ略してオマタだ。」
「変な略し方するな!オートマタって何?」
「神居風に言うとカラクリだな。」
「へぇ・・・面白そうだな。」
「入る?」
「オタク活動が出来なくなる。」
「昨日、クラブの連中が家に来て華姉も一緒に夕飯食ってたぞ。」
「学園でも言ったはずだ。地獄の底までお供します、カエデ様。」
「はっはっはっ、よう言った。明日はダンジョンだから来週1の日にクラブハウス
だな。それとシルバーバレットには注意しろ。」
「ワーウルフじゃねえから!わかった。」
髪飾りはあげた。添い寝していい夢見るんだって言ってた。華姉には黙っておく。
再びジープで帝都に戻る、ボルタもワイズアパートメントだ。まいど。
さて帰って惰眠を貪るとしよう。ゴロウさんの森でハンモックだな。
「ただいまー。」
「お帰りなさいませ、カエデ様。」
「ゴロウさんの森に行ってくるよ。」
さてハンモックを吊るせる所はっと、、、この辺でいいか。
風が気持ちいいー!ゴロウさん、おやすみ!
カモナに起こされた、いや~最の高!
昼にあんなにでかいステーキ食ったのに腹減った。まさか・・成長期?
夕食にしよう、クランボさん達は何を作ってるかな?
「おう、若。レモン鍋作ったんだ食うか?」
「食う!」
今日は1人だ。ベル姉達はダンジョン泊、父さん達はまだ帰ってきてない。
1人用の鍋で出してくれた。いただきまっす、すっぱ旨い!
「やばい、クランボさん。超旨い!」
「そうかそうか。」 ニコニコだ。
クランボさん達は学食はもちろんの事、ガーネット家で催し物がある時は
手伝いに来てくれるようになる。
大満足の夕食を終え久遠島へ。コーデックスのお世話をしたら海の館泊。




