DROP
「よし、俺達も行こう。」
「地竜の説明プリーズ。」
「アトム、お願い。」
「地竜は2足歩行のでっかいトカゲだよ。走るのが速いから騎獣なんかにも使わ
れてる。群れで行動してて騎獣ができるくらいだから頭も悪くない。」
「何か前にそんなのとやんなかったか?」
「ああ、ラプトルだね。あれより大きいよ。」
「武具はどうする?」
「スリルはフル装備に慣れておこう。他の人はゴブアン系でいいんじゃない?
そんな硬くないと思うから、ボスはアースドラゴンと見てるんだけど、
それは気合で。」
「アースドラゴン!気合で何とかなるのー!」
「なる。」
草原スタートだ。遠くに森と砂漠が見える。コースを選ぶ感じか。
女性陣は日焼けが嫌だから森コースを目指すとの事。
「じゃあ俺達が砂漠コースにしよう。大将、頼む。」
「了解。」
諭吉の装甲車で進む。草原にもモンスターは居るのだろうが窓が小さいからよく
わからん。疲れるから気配察知も使っていない。舐めてる訳じゃないよ。
諭吉の装甲車は軍の依頼もあって、シゲさんのところで強化テストをしてる
からね。これもう1歩進めたら戦車になるんじゃない?
「砂漠に入る。起伏が大きいからここからは徒歩だ。」
出発の時に決めた布陣で進む、広いなあ・・・道もない。
「進むだけで体力、使うね。」
「ここに地竜が住んでるのかな?」
「ヒカミの話しだと岩場って事だったけど。」
「何食べてるんだ?」
「・・・たぶんあれじゃない?」
「あれ?」
「ほら、背ビレが見えるでしょ。」
「えっ?何あれ?魚?」
「来るぞ!」
ズザーっと砂からでっかい鮫が飛び出してきた。
「鮫?」
「一杯、居るー!」
「カエデ、砂を固めてくれ。」
「了解。」 アースコントロールで固める。
「大将、スリル。1匹づつ地表に出すから倒してくれ。」
「「了解。」」
「アトム、1か所柔らかくできるか?」
「できるよ。」
ヘリオポリスは砂漠系の神だ。むしろ砂の扱いは得意中の得意だろう。
アトムが柔らかくした所からサンドシャークが飛び出してきた。きたはいいが
砂に戻れずジタバタしているところを諭吉とスリルが銃撃。
「次、いいぞ。」
「了解、アトムも行けるか?」
「大丈夫だよ。」
という事で、数か所柔らかくしてお出迎え。シゲさんとアトムは魔導銃で
ブラスターを撃っている。僕はどうしようかな?イングラムにしよう。
ドウン!ドウン!ドウン!眉間に3発。砂の中を泳ぎまわってるから皮膚はかなり
硬いようだ。だが、同じ所に3発ぶち込めば倒せるようだ。
この方法で群れは壊滅できた。鮫か・・・ドロップなんだろ?
「蒲鉾だ。」
まんまじゃねえか!だが、高級そうな蒲鉾だ。
当然、蕎麦屋チェーン社長の諭吉は・・・。
「じゃんじゃん倒すぞ!」
「蕎麦の具か・・・。」
もちろん蒲鉾だけじゃなく魔石、歯、皮もドロップ。
「諭吉。この皮、ワサビをおろすのに使えそうだぞ。」
「小さいの作れそうか?」
「大量に作れるぞ。」
「よし、仕入れだ!」
「カエデ、何の話してるんだ?」
「諭吉は蕎麦屋チェーンの社長だからな。」
「社長なの!てっきり息子だと。」
「息子だが社長だ。鮫と蕎麦屋の相性は抜群だな。」
という事で僕らは地竜を放っておいて蒲鉾とサメ肌を乱獲。
驚いたことにこの砂漠は鮫だけじゃなく、エイや貝系のモンスターも居た。
スリルがエイの棘に触れてしまい毒をもらったが回復薬で事なきを得る。
回復薬を使ったのは初めてかも。
この砂漠は海だ。何言ってるかわからん、けど海の幸がドロップするのだ。
諭吉の為に僕らも頑張り大量の海産物をゲット。中々進まないがまあいいだろう。
昼食は諭吉が礼をすると言ってフユさんでいただく事に。
「最近、すしに挑戦してるんだ。」
フユさんにすしカウンターが出来ていた。
メニューはお任せだったが、どれもすげえ旨かった。貝のお吸い物も絶品だった。
「寿司屋、いけるんじゃない?」
「計画中なんだが、生ものだからな。鮮度の問題と毒の処理をクリアーしたら
ガーネットで試そうと思ってる。」
「ガーネットは海の幸も豊富だもんな。」
デザートはよく冷えた葛切り、完全にジャパンだよね。
スリルは生ものにびびっていたが、マグロのすしの虜になったようだ。
「俺達、ダンジョンに居るんだよな・・・。」
「スリルも魔力が増えたら用意するよ。」
「何を?」
「拡張型テント。」
「はっ?」
「スリル、フユさんはテントなんだぞ。」
「いやいや、でっかい屋敷じゃん!」
シゲさんが拡張型テントの事を説明する。
「僕もこの前ミナミと購入してきたよ。今、屋敷を整備中だから終わったら遊びに
きてよ。」
「まじか・・・そんなすごいもんあるんだな。神刀や神銃で一杯一杯なのに。」
囲炉裏を囲んで茶をしばく。
「午後からどうする?」
「大将、仕入れは?」
「十分だ。無くなったら松月の連中に取りに来させるから。」
「地竜なんて1匹も見かけなかったね。」
「あの砂漠が海設定なんだと思う。キリコ達が進んでるのが森だからな。」
「とすると砂漠を抜けると巣に突入って事か。」
「たぶん。」
「よし、砂漠はショートカットしよう。カエデ、イド君頼む。」
「了解。」
フユさんからカモナに移動。
「カモナ、ドローン飛ばしてくれる。」
「かしこまりました。」
「し、執事・・・。」
モニターを見ながら進むコースを決める。
「この穴だらけの岩場が巣っぽいね。」
途中、冒険者達のキャンプとかあった。
「何泊するんだろう?」
「さすが塔のダンジョン、広いな。」
イド君で岩場を目指す。
「う、浮いてる・・・。カ、カエデ、これは何だ?」
「飛行船だけど。最近、帝都でも飛んでるから知ってるだろ?」
「見た事はあるがこんなだったか?あっ、いや、近くで見た事なかった。」
「色んな形があるからね。他の国に行く時に使ったりするんだよ。」
「ガーネットってすげえな。」
「自腹だよ。シゲさんも諭吉も持ってるよ。」
「まじか・・・。」
「到着します。」
「了解。イド君、来週から旅に出るからよろしくね。」
「楽しみにしております。」
さあ、岩場に突入だ。岩場といっても先が見えないくらい広い。どんだけ地竜と
戦えばボスに辿り着くんだ?
「来たぞ!」
早速お出ましだ。群れとしては5匹、偵察だな。
「うわっ!でっかい!」
飛び道具はなさそうだし、結界は必要ないかも。
エリシエーターで戦ってみよう。とうっ!スパッ!
切断までは出来ないが傷はつけれるようだ。どわっ!あっぶねー、尻尾攻撃だ。
当たると飛ばされそうだ。って言うかシゲさんがどっかに飛んで行った。
「指揮官ー!」
オートで鎧が発動したようだし大丈夫だろ。スリルは片手にナイト、片手に陽炎。
ナイトで足を撃ち、動きを鈍くしてから陽炎で一刀両断だ。すげえな陽炎。
アトムはカーボンソードで倒し、今はシゲさんを吹っ飛ばした奴の相手。
諭吉ももちろん危なげないが、地竜の分析をしてるようだ。
「キエェ~!」
しまった、仲間を呼ばれた。
シゲさんがブラスター片手に戦線に復帰。
「シゲさん、仲間を呼ばれた。おかわりが来る。」
「カエデ、プラトルと同じ感じか?」
「同じだと思うんだけどリーダーがわからないんだよね。」
「俺、わかるぞ。」
「じゃあ大将、リーダー頼む。スリル、結界を張ってくれ。それ以外の面子は
ばんばん撃って注意を引く。」
「ユキチ、結界は長くはもたない。」
「了解。」
「じゃあ、作戦スタートだ。」
ユキチが姿を消し、スリルが結界を張った。シゲさんがチラッとこっちを見た
ので頷いておく。
「沢山来たね。アリみたいだ。」
「撃ちまくれー!」
「アトム、実弾銃も使って。」 マテバを渡す。
シゲさんもブラスターと魔導銃の2丁撃ちだ。スリルには結界に集中してもらい
3人で撃ちまくる。
「シゲさん、魔導銃の名前は?」
「ボノだ。」
「よろしく、ボノ。」
「はい、カエデ様。」
シゲさんには素体を渡したので、ダイアル転写も含めて自分でカスタマイズした。
ちなみに僕はイングラムとエプシロンの2丁撃ちだ。
「やばい、もたない。」
「スリル、代わるよ。」 祝詞を呟き印を結ぶ。
「結。オーケー、スリルひと休みして。」 ヒカミ特製ジュースを渡す。
「ふぅ・・・シーゲルもアトムも凄いな。」
「まあ2人はノーカンだよ。」
そろそろかな。
ドウン!ドウン!少し離れた所からジャッカルの銃声が聞こえた。
リーダーを倒したようだ。残った地竜もこっちからとユキチの方からもで
挟み撃ちで殲滅。
「お疲れー。ドロップを回収したらおやつにしよう、ラベルさんがドーナツを
作ってくれてる。」
地竜のドロップは皮、爪。スピードアップの指輪が何個か、リーダーは大剣を
落した。魔石もたっぷり。回収を終え久しぶりのラベルさん。
「おお・・・ここがシーゲルの。」 サイバーパンク感が増してる。
「そうだ。今となっては屋敷や会社もあるが、ここが1番落ち着くんだよな。」
「ラベルさん、久しぶり。」
「お久しぶりです、カエデ様。紅茶にしますかコーヒーにしますか?」
「紅茶で。」
みなも紅茶にしたようだ。ドーナツも揚げたてだ、うっま!
「初めて食べるけど、旨いなドーナツ。」
「ええ、程よい甘さです。」 何故かスズメも居る。
「どう、そっちは?」
「森が珍しい食材の宝庫でしたので・・・。」
「ああ、ヒカミが仕入れにはしったのね。」
「はい。こちらも今、おやつ中です。休憩が終わったらボスに
チャレンジします。」
「スズメ、珍しい食材って?」
「主にトリュフ、あと何故かスパイスがドロップするんです。」
「おお・・・。」
「連係の方は?」
「元々私達は幼馴染なので問題ないですね。カルラとミナミを加えての
役割分担の調整です。それと空中戦ですね。」
「ザード相手だと空中戦もあるか・・・。」
「キリコの新しい飛行船が完成したので、それのテストもですね。」
「造ったの?」
「社員旅行にも使えるからと、中型船を。」
「今度乗せてもらおう。」
「それとストーム先輩も参加します。」
「あっ。」
「忘れてましたね・・・。」
スズメはラベルさんからドーナツを大量にもらい、大喜びで帰っていった。
「シゲさん、ボス戦どうする?」
「う~ん、女性陣がやるなら問題ないだろ。」
「森へ行きたい。」
「そうするか。」
という事で僕達は森へトリュフとスパイスの収穫へ。
シゲさんの飛行船で移動してもらう。ボス戦は後で映像で確認しよう。
森に突入。
「木が多くて銃は難しいかも。」
「剣と刀メインでいくか。」
「そうだね。」
砂漠と同じ布陣で進む。すぐに地竜が襲ってきた。
「緑色の地竜・・・。」
「見えずらい・・保護色か・・・。」
「群れで襲ってくるのは砂漠と同じだな。よし大将、リーダー頼む。
その間、俺達はタイマンだ。」
僕はゴブ刀に切り替える。久しぶりに思いっきり戦うか。とうっ!
「斬閃!」 1瞬で3頭の首を落とす。
「す、すげえ・・・。」
「スリル、僕達もやるよ。」
「お、おう。」
アトムがスリルのフォローをしてくれるようだ。陽炎もいるし大丈夫だろう。
ヴァジュラの身体能力もあって目にも止まらぬ速さで地竜を倒していく。
だってトリュフだよ。
シゲさんも光剣でスパッって感じ。アトムもスリルもスパッって感じ。
みんな切れ味やばくない?
どうやら今回の群れは仲間を呼ぶ前に全て倒せたようだ。
「リーダー見つける前に終わってるじゃねえか!」
「半分はカエデ1人で倒したぞ。」
「いや~なんか久しぶりに刀で戦ったもんだからさ。」
「ドロップは何かな?」
今の群れは20匹くらいだった。ドロップはトリュフが数個、一つがこぶし
くらいもある。それと砂糖、塩、ターメリック、ウコン、オレガノ、
バジルなど小瓶に入ったスパイスとハーブ。諭吉が言うには全て極上との事。
その後も地竜を倒し色々ゲット。バレットブルやメタルピッグにも遭遇。
メタルピッグの方が地竜より強かったよね。スリルは結界事吹っ飛ばされたし
僕のゴブ刀も折れたもんね。諭吉が影で縛り、シゲさんが光剣で首を落とした。
極上の肉もゲットだ。
「ふぅ・・・今夜は焼肉パーリーだ。」
「いいな。」
「イタタタ・・・クソーメタルピッグめ、食ってやる。」
僕らは森を抜けた所で終了。ファントムのギルドルームに戻る。




