GUN TEST
「はっはっは、当然だ。ゴーレムの指で銃を使える訳ないだろう。オマタの連中が
居るんだ、彼らは・・・強いぞ・・・。」
「クッ、まずい。」 オマタの連中が慌てだした。
フッフッフ、神や眷属も居るんだ。ラムダと円監修のスペシャルなオートマタだ。
彼女達が作った銃も強力だ。果たして何分もつかな・・・。
カモナにドローンを飛ばしてもらってモニターで採点する。
F軍はシゲさんとキリコの指揮で戦うようだが、それは悪手だ。
僕だったら諭吉とスリルに指揮は任せる。諭吉は集団戦闘のスペシャリストだし
スリルは銃の扱いに長けている。
何でもありと言ったが、おそらくオマタの連中はぎりぎりまで魔法は使わない
だろう。
おっ、始まりのブザーが鳴った。
彼らの周りに霧がたちこめる、ブラウだな。ブラスターが使えなくね?
目くらましなんだろうが無駄だ。人間を相手にしてる訳じゃない。オートマタは
3人1組に分かれ、残りの1人はズームさんのデータの指揮官だ。
プロ中のプロだぞ。霧でモニターも見えなくなったがマーキング済みなので
別のモニターに光点で表示している。
2人と1人が動き出した。おそらく2人組は諭吉と才蔵で1人はアトムだろう。
まずアトムが消えた、諭吉と才蔵も消えた。
オートマタはサイレンサー付きの銃を使っている。
シゲさんは3人に情報収集を頼んだのだろうが、銃撃戦はスピードが大事だ。
オートマタは既に皆を取り囲んでいる。オートマタAチームが発砲を開始。
慌てた皆は魔導銃で応戦。残念、Aチームの1人はアンチマジック銃だ。
魔弾は全てキャンセルされている。応戦した事で位置がわかったので
残りの2チームが狙い撃ち。
霧が役に立たない事がわかったのか誰かが風魔法で吹き飛ばした。
半数は痺れてピクピクしているプププ。囲まれていることに気づいたようだ。
キリコ、ヒカミ、スズメの姫達が実弾銃で飛び出す。3チームにそれぞれ単独で
向かうようだ。おっ、魔法を使うようだが悉く出鼻をキャンセルされる。
結果、集中砲火を受け撃沈。
シゲさんとエイルが狙撃しようとしてたがキリコ達が邪魔で撃てなかった。
逆にズームさんオートマタに狙撃されアウト。ズームさんってライフルも使えた
んだね。さすがギルマス。
F軍は指揮官を失ったがここでやっとスリルが指揮を始める。残り6人をどう
指揮するのか見ものだ。
成程、優が空から指揮官を狙うようだ。ザイルとスリルが前後に結界を張る。
ビッケとキヨカが相手のアンチマジック銃を狙う。まずはAチームに集中だね。
スリルがアンチマジック銃のオートマタを倒した。そこですかさずビッケと
キヨカが魔導銃で他の2人も倒す。やるじゃん!精霊の助けもあったようだ。
だがBチームとCチームのアンチマジック銃に結界を消され万事休す。
優はズームオートマタと一騎打ちになったがさすがに無理があった、撃ち落とされ
たがズームオートマタが優しく受け止めたので怪我はない。F軍は全滅した。
痺れは軽いものなので、すぐに収まった。
「集合!」
へろへろななりながら皆が集まる。
「惨敗だな。」
「あのオートマタ達が強すぎます!」
「馬鹿者!実戦で相手が強すぎたは通用せんぞ!」
「・・・・。」
「残りの時間で何がいけなかったのか話し合ってレポートを提出してくれ。
試験自体は全員合格だ。」
という事でみなは話し合いを始めた。
今回のオートマタはカーミラからの依頼でもある。教師が足りないのだ。
生徒にはオートマタという事を伏せるという条件で引き受けた。
美園さんに指導もしてもらった。休み明けから教師として活躍してくれるだろう。
話し合いをしてる間、僕はコーヒーブレイク。教師特権だな。
今回の試験の最大のポイントはアンチマジック銃だ。魔弾も魔法も悉くキャンセル
されてたからね。最強のようにも見えるけど実際は扱いが難しく、なにより射撃の
精度が求められる。まあ、それゆえのSランクなんだけどね。
「あの、教官。質問よろしいでしょうか?」
「許可する。」
「アンチマジック銃が相手の場合、魔導銃及び魔導師に勝ち目がないのでは?」
「魔導銃、魔導師に限定すればそうだ。だが、このクラスには実弾銃を扱える
者も多数いたはずだ。そうじゃなくても剣や刀、槍も使えるだろ?」
「そうですが・・・。」
はっはっは、大いに悩み給え若人よ。
「よし、それじゃあレポートは後で届けてくれ。休み明けから今日のような実戦
形式の授業を増やしていく。」
さて、オマタでランチを食べて錬金術の試験だ。
オマタの食堂がどよ~んとしている。
「あの、カエデ。みなさんどうしたんですか?」
Aクラス3人組は仲良く昼食中。
「午前中の銃のテストが原因だろうね。」
「いや、だろうねってカエデが原因だろ。」
「また、何かしたんですか?」
「またって何だよ、またって。」
「模擬戦でコテンパンに負けました。」
エイルが3人にテストの事を話す。
「それはまた・・・えぐいっす。」
「そうは言うけどね、武道や魔導、座学もだけど色々学んだ事がそれぞれ別にある
わけじゃないだろ?ダンジョンやモンスターと戦う時、常に相手が格下なんて
事もない。だから学んだ事全てを駆使して生き残らないとね。」
「自惚れてたわけじゃないですが、あんなに簡単にやられるとは・・・。」
「あの状況でもカエデなら何とかしそうですが・・・。」
「いや、僕でも難しいかもね。」
「難しいという事は方法があるという事ですか?」
「スズメ、方法は一つじゃない。そうだなあ、僕だったらアンチマジック銃をまず
封じる。最後に残った6人に近いかな。ただ、当然だけど結界は使わない。
土魔法か錬金術で土壁を作るよ。」
「何で忘れてたんだ。アンチマジック銃はサーキットを吹き飛ばすんだった。」
「でもその土壁はデコイだ。囲まれたらアウトだから始まった瞬間に動きまわる。
魔弾は上級者になれば曲げる事もできる、サイコガンって言うんだけどね。
けど実弾銃は直線で高さもしばらくは一定だ。」
「つまり避けられると。」
「うん。もちろんみんなができる訳じゃないだろうけど、うちだと諭吉、才蔵、
アトムあたりなら冷静になればたぶん弾は当たらない。まあ、さっきは速攻で
やられてたけど。」
「面目ない。」
「いや、避けたんだけどな・・・。」
「諭吉、相手は1人じゃないんだから。」
「そうだな・・・。」
「悔しいです。再戦を希望します。」
「ははは、いいよ。後期の授業はそれが中心だ。」
錬金術のテストは最初にやった何か作るというものだった。
みな、ずいぶんと上達したな。クラブも人が増えた。グラフ先生とリナは相変わら
ず戦いの中での錬金術と無詠唱の研究をしてるんだけど、他のクラブ員は
生活に役立つ錬金術の研究をしている。僕達はもちろんそっちで、みんなでレモン
絞り器を完成させた。あれだよ、あれ。鳥の形のやつ。商品化も決まり
もうじき発売される。売り上げはクラブの活動資金にする。錬金術は素材が
必要だからね。
クラブハウスへ。
「あれ?みんなは?」
「射撃場。」 スリルがコーヒーを飲んでいた。
「空前の銃ブームだ。」
「ちゃうわ!オートマタの皆さんにリベンジする気満々。」
「他のクラスの連中も居るだろ?」
「面白そうだから、付き合うって。」
「空前の銃ブームだな。」
「・・・・そうだな。カエデ、ちょっと聞きたい事があるんだけど。」
「何だい。」
「AM銃についてなんだけど。」
「ほい。」
「これは?」
「僕が使ってるAM銃ホーンだ。同タイプでいいならすぐ出来るけど。」
「いやいや、そんなほいほいと。いやまあ、欲しいけどさ。理論を聞きたくて。」
「後期の授業でもやろうと思ってるけど、そんな難しい話じゃない。
魔法を使うためにはサーキットを使うでしょ。」
「ああ。結界にも使う。」
「だから魔法が発動する前にそのサーキットを壊す。」
「そこまでは見てたからわかるんだけど、何で壊れるの?」
「スリルは無属性魔法を使えるか?」
「まだ使えない。」
「見てて。」
左手に水魔法のサーキット、右手に無属性のサーキットを作りぶつける。
「おお・・・。」
「サーキットを投げたわけだけど、この距離が精々だ。」
「それで銃を使うのか・・・。とするとAM銃は無属性専用の銃って事?」
「基本的にはそうだけど魔導銃があるだろう?ようはAM銃ってのは無属性のみの
魔導銃って事なんだ。逆に普通の魔導銃のダイアルに無属性は干渉するから
組み込めない。」
「成程なあ。俺は魔力が少ないから使えないな。魔導を学びだしたのは入学して
からだし。」
「実弾銃自体魔力が少ない人でも身を守もったり、戦ったりできるようにする
ために開発されたからね。急に魔力腺を広げるのも身体を壊す。」
「卒業するまでに使えるようになればいいなあ。」
「もう1つポイントがあって、射撃精度が求めらるんだ。的の中心に常に当てれる
くらいの。」
「まじか・・・さすがSランク。ちょっと射撃場に行ってくる。」
頑張れ、若人よ。
「カエデ様、お客様です。」
「了解。」
エントランスに行くと桃ちん先輩が居た。
「カエデちゃん♡。」
「あれ?桃ちん先輩もセラフィックウエポンをもらったの?」
「刀はなかったの。」
「まあ刀を使う天使って、なんか嫌だよね。」
「うん。」
「それで、どうしたの?」
「私、クラマスになっちゃったの。」
「ベル姉達から聞いたよ。」
「自信ないの・・・。ベル姉達のあとってやばくない?」
「やばいね。」
「どーしよー、カエデちゃん!」
気持はわかる。なんせあの3人、いや3柱の後だ・・・。
う~ん、桃ちん先輩の不安を解消するには・・・・。
「桃ちん先輩、週末ヒマ?」
「うん。」
「じゃあちょっと、旅行に行こう。」
「へっ?」
「丁度ベル姉達を連れて、そこに行くんだよ。」
「そこ?どこ?」
「まあまあ、それはお楽しみという事で。迎えに行くから。」
「うん。」
桃ちん先輩はウキウキで帰っていった。
明日はダンジョンディだがテスト的なものはあるのだろうか?
リビングに戻ると女性陣がケーキを食べていた。
「お疲れー。キリコ、ダンジョンってテストあるの?」
「テストというか査定みたいなものがあります。攻略自体は授業より社会貢献の
意味合いですから。」
「じゃあ明日はいつも通り?」
「はい。書類の提出はありますが、それは私とヒカミの方でやりますので。
ただ、明日は女性陣のみのパーティーにしたいのですが。
方舟回収に向けての連携の確認を。」
「女子は全員参加なの?」
「いえ、帰省する方は不参加です。」
「そりゃそうか。となると男子チームか・・・シゲさん、素材の備蓄って?」
「十分にある。」
「そんじゃあ休み前だし、盛大に暴れますか。」
「「「おおっ!」」」
翌日、冒険者ギルドのファントムルームに集合。スリルは諭吉が連れて来た。
ヒカミから次層の説明がされる。もはや何層か忘れた。
「ランドドラゴンの巣です。理由はわかりませんがこの層から難易度がワンランク
上がるそうです。レイド推奨ですが私達も人数が増えてますから問題は
ないでしょう。」
「シーゲル、聞きたい事が・・・。」
「何だスリル?」
「アタックしてるのって学園ダンジョンじゃなくて塔のダンジョン?」
「そうだが。」
「俺、学園ダンジョンの1層しか行った事がないんだけど。」
「まあ男子チームは人数が少なめだが、大丈夫だろ。」
諭吉、シゲさん、アトム、スリル、僕の5人のパーティーだ。
レイド推奨じゃなかったっけ?
「スリル、本気だせば大丈夫だ。」
「いや、ユキチ。本気って自分でもよくわからないんだけど・・・。」
「布陣はどうする?」
「アタッカーは諭吉とスリル。遊撃はアトム、指揮はシゲさんがとって。
僕は結界担当で後方支援をするよ。」
全員で転位しそこで男女に分かれる。




