SUMMON
「カエデ様、お客様です。」
「了解。」
そのまま次のテーブルへ。
「初めましてだな。私は4年Aクラスのカードという。」
「初めまして、カエデです。ベル姉のクランの方ですか?」
「いかにも、ベル様達が引退する事に怯えている拳闘士だ。はぁ~胃が痛いぞ。」
「お察ししますがベル姉から桃ちん先輩がマスターになると聞きましたが?」
「だからだ。桃だぞ桃・・・。そそのかされてビキニアーマーだぞ・・・。」
「ははは、大丈夫ですよ。桃ちん先輩はやれば出来る子ですから。」
「カエデ君は幼馴染だったな。」
「はい、神楽でよく遊んでもらいました。」 命懸けだったがな・・・。
「何をどうすればああいう箱入りになるんだ?」
父ちゃん、鞍馬だし。兄ちゃんたちは義経に弁慶だもんな・・・。
「父ちゃんが甘々でしたからねえ。」
「君に弱音を吐くのはなんだがな、私はサブマスをやる自信がない・・・。」
「ベル姉達がカード先輩を指名したなら、それはそういう事です。自信を
持って下さい。僕でよければいつでも相談にのりますし。」
「本当か?そうさせてくれ。ふぅ・・少し気が楽になったよ。
それでアリス様に言われて来たんだが。」
「セラフィックウエポンの改良ですね。聞いています。」
「防具を頂いたのだがサイズが合わなくてな。」
「見せて下さい。」
「これだ。」
成程、小さい。ってか手の平サイズじゃねえか!
ああ、これ携帯型の鎧だ。
「これは携帯型の鎧ですね。聖属性の魔力にしか反応しないです。」
「私は土属性だな。」
「すぐに替えれますよ。」
確かストックに各属性のジェムがあったはず。
まず聖属性のサーキットを吹っ飛ばして土属性のサーキットを転写。
ジェムはパワーアップに使う。せっかくだワード発動にしておこうププ。
「出来ました。」
「見事な手際だな。」
「モノ作りは趣味なんです。魔力で起動させるよりワード発動の方が展開が
早いですので替えておきました。ワードは『ソーイル』です、試して下さい。」
「ソーイル!」
ガコンガコン!音がごつい!
「おお・・・。」
ヘッドギアまであるのか、何かアースドラゴンっぽくてカッコイイ。
「カード先輩、カッコイイっす!」
「岩っぽくあるんだが、とても軽い。最高だ!カエデ君!」
握手を求められた。イダダダ!
カード先輩は鎧のまま帰ろうとしたが、さすがに止めた。
ふぅ・・さてリオンのエストックを作ってしまおう。
アトリエに行くと3人が作業していた。姿は子供だが歴戦の職人という雰囲気だ。
「お疲れー。」
「依頼は?」
「鎧はその場で改良したから、後はエストックだね。」
「レイピアはよく見るがエストックは珍しいな。」
「私、昔からなんですがレイピアとエストックの違いがよくわからなくて。」
「見た目が似てるからねえ。まあ簡単に言うと片手で使うのがレイピアで両手で
使うのがエストックだね。」
「という事はスピードとパワーの違いという事ですか?」
「そう言う事。エストックは突きがメインなんだよ。鎧とかの隙間を狙って
ズドンって感じ。」
「なかなかにえぐいですね。」
「Aクラスのリオンのだよ。」
「ああ、音使いの。」
「さっきアポロンの分体が来たよ。」
「へっ?」
みなにさっきの事を説明した。ここに居るにはシゲさんと神が2柱だし。
「封印中とは穏やかじゃないね。」
「本人は自分で何とかするって言ってたけどね。」
「ダァ~ドに伝えた方がいいか?」
「う~ん、来週から休みに入るからさ、捜してみるよ。」
「わかった。俺も手伝う。」
「それでリオンさんが明日からクラブ入りするわけですね。」
「アポロンに頼まれたし、神器に神剣だからねえ。本人もお茶会やお泊り会に
憧れてたそうだ。」
「わかりました。ですが来週から女子チームは方舟の回収プロジェクトです。
参加して頂いてもいいんでしょうか?」
「そうだった・・・。白氷竜ザードとやり合うんだったな。本人が望んだら
参加してもらって。クランの事もあるだろうし。」
「わかりました。」
「明日は従魔を召喚するんだっけ?」
「そうだよ。既に居る人は免除されてるよ。」
「どうしようかな・・・。」
「一応、試してみれば?」
「そうしようかな。」
「そうそう大物は呼べないと思うけど、Fクラスの連中はわからないからね。
大物が来ちゃうと魔力のリソースがきつくなるから小物というかペット感覚
のやつが来てくれる事を願うよ。」
「カエデは春さんですか?」
「そうそう。あと雷猫の小梅と狛犬のイチとニイかな。」
「そうか香輝は従魔じゃなかったな。」
「香輝は龍神刀だね。」
「シーゲルは?」
「俺はホムラっていうファイアードラゴンだ。」
「えっ、ドラゴンが従魔なの!」
「カエデに卵を渡された。」
「・・・・。」
「いや当時、従魔が居なかったのシゲさんだけだったからさ。丁度いいタイミング
でファイアードラゴンの討伐を頼まれたんだよ。」
「何歳の話し?」
「9歳くらいだったかな。」
「でたらめだね。」
「討伐したのはベル姉達で僕達はサポートしたんだ。」
「スズメも居ないんじゃなかったか?」
「最近フェニックスの子供を頼まれたって。ほとんどスザさんが面倒を
みてるみたいだけど。」
などと会話しながらエストックを完成させる。太陽マークの代わりにファントムの
紋章を刻む。
「夕食にしよう。」
食べに行くのも面倒なのでカモナで食事。
「僕も拡張型テントを購入しようと思ってさ。」
「私もです。お泊り会に使いたいです。」
「それだったらキャロル魔道具店がいいよ。っていうかワイズ探偵社で支給する
から、あとバイクかジープ。それと飛行船も。」
「どんだけ儲かってるの!ワイズ探偵社!」
「いや~、神やらドラゴンから依頼があると桁が跳ね上がるからねえ。
あっそうだ依頼と言えば魔導院からバンパイアの討伐を頼まれた。」
「バンパイア?」
「指名依頼でさ、スリルと一緒に受けてくれってさ。」
「スリルと?」
「1度スリルに魔導院の仕事をやってみてほしいそうだよ。」
「スリルが刀を使い出すと小型版カエデって感じか。」
「スタイルがちょっと似てるね。別にスリルに魔導院を勧める気はないけど、
バンパイアを経験しておくのはいいかなって思って。」
「大丈夫なの?あいつらは狡猾だよ。いくら天才でも子供だし。」
「まあ、その辺は僕がサポートするよ。アトムはどうすんの?」
「僕はヘリオポリスを捜してみようと思ってる。」
「そっか・・・ミナミも?」
「それはアトムに任せて、私は方舟の方に。」
「まじ、気を付けてね。シゲさんは?」
「俺は会社とダァ~ドの手伝いで半々だな。」
「了解。」
夕食後、みなそれぞれの場所に転位していった。
ミナミは箱庭と寮を行ったり来たりしてるらしい。
神の勘を取り戻す為だと言っていた。
さてと僕はスリルのジャッカルを作ってしまうか。ああ、戦闘服も居るな。
学園のでもいいけど、外の仕事だし・・・。
そういえばヒカルがタクティカルアーマーの店を始めたって諭吉が言ってたな。
明日行ってみよう。
諭吉のはアダマンタイトを使ってるけど、さすがに重すぎるだろう。
しょうがない威力は落ちるが少し小型に改良しよう。
バンパイア専用銃は対なイメージがある。ブラックとシルバーの2丁作ろう。
名はブラックの方がナイト、シルバーの方をコズミックにする。
銀弾は大量に作った。ふぅ・・完成。風呂入って寝よう。
翌朝、素振りをしてると母さんが来た。
「カエデちゃん、お早う。」
「お早う、母さん。月詠の所へ行ってたんだって?」
「そうなのよお、時止めの研究だったんだけどお陰で時間を少し伸ばせたわ。」
「すごいね、効果範囲は?」
「それは課題ね。今の所相手だけなの。」
「そっか、無理はしないでね。」
「ちょっと相手して。」
「はいはい。」
木刀なので時止めは使えない。それでも鋭さが増している。
母さんは円の動きが特徴的だったが、それに加え直線的な動きも混ぜてくるから
なかなか刀の軌道がわかりずらい。躱すのが精一杯だ。
「さすがカエデちゃんね。1発も当たらないわ。」
「いや母さん、当たったら痛いどころが怪我するから・・・。」
「カエデちゃんはこれに銃も入れるんでしょう?」
「そうだね。けど同時に使う事はあまりないよ。中長距離が銃で近距離が刀って
感じかな。」
「魔法も使うでしょ?」
「使うけど細かい制御は苦手なんだよ。極大の方が使いやすいんだけど被害が
大きすぎるから使いどころが難しいね。」
「月詠様が本気を出したカエデちゃんは神でも敵わないって言ってたの。」
「それは買い被り過ぎ。」
「私は身体強化以外はあまり使えないから、せめて刀でクロスとベルの助けに
なりたいのよ。」
「気持ちは分かるけど・・・母さんがブレイクスルーするとおそらく・・・。」
「人間じゃなくなるのね。」
「神になる気があれば可能だと思うけど・・・。」
「カエデちゃんは神になる気はないの?」
「ないよ。」
「私は正直迷ってるわ。ロイドはその気はないみたいだけど・・・。」
「時間はあるしじっくり考えてからでも遅くはないよ。」
「そうね。ちょっと焦ってるのかしら?」
「なまじ神がものすごく近くに居るとね。何かを極めようとするには人では時間が
足りないと感じる事もあるようだよ。」
「今ならわかるわ。カエデちゃんは仙人とも知り合いじゃない。神と仙人の違いは
何かしら?」
「そうだなあ・・・仙人はその人自身が理から外れてるだけで世界に影響は
ないけど、神はその逆で世界に何らかの影響を及ぼすかな。
分かり易く言うと神は信仰されるけど、仙人は誰も知らない。。」
「成程ね。仙人の道もあるのかしら?」
「母さんならどっちでもなれるよ。」
「考えてみるわ。」
朝食を食べ学園へ。クラブハウスにはみながすでに居た。
「今日は従魔召喚のテストだけどチル先生から何かあったら頼むって
言われてるから、間違ってやばいのが出てきたらよろしく。」
「Aは明日なんですが、やばいのって何ですか?」
「従魔とはパスで繋がるんだけど、それを介して魔力や能力を共有する事ができる
んだ。だから自分以上の従魔だと魔力が枯渇する。」
「サーキットでの召喚だと選べませんよね。」
「うん、ギャンブルに近い。けど自分の魔力を流すわけだからそれと比例した従魔
が召喚されるはず。」
「成程。」
「話は変わるけど、放課後からAクラスのリオンがオマタクラブに
参加するから。」
「へっ?リオンが?」
「ボルタは同じクランなんだし色々よろしく。」
「わかった。」
訓練場に集合、既にサーキットは描かれている。
「さて皆さん、今日は実際に従魔召喚にトライしてもらいます。何も召喚されな
くても問題はありません。相性もありますしテイマーを目指してる訳じゃ
なければ必要ないかもですし。まずは召喚の感覚を掴んでいただければ。
既に従魔が居る方は報告して下さい。」
皆、緊張してるな。初めてだとしょうがない。
トップバッターはゼルダだ。雷系だが何が来るのか・・・。
サーキットに魔力を流した。淡く光り中央に小さい何かが現れた。あれは・・・。
「カエデ、あれが何だかわかりますか?カブト虫に見えるんですが。」
「チル先生、あれは招雷子という虫です。雷を呼ぶと言われてますね。」
「私、初めて見ます。さすがはFクラスという事ですか。」
「雷獣系だと危なかったと思いますがゼルダの魔力を考えると丁度いいかも
です。招雷子自体は超レアですよ、神居に生息してますが僕も見るのは
2回目です。」
「ゼルダが追いかけられてますね。」
「多分、カブト虫と間違えたんでしょう。」
「あのサイズだと魔力コストも大丈夫そうね。合格と。」




