TERM -END EXAM
昼食までそれぞれの課題について話し合う。
免除組も色々アドバイスをしてくれている。
「スリル、刀作るか?」
「う~ん、俺アイテムボックスを使えないからなあ・・・。
銃を撃つ時に邪魔になる。」
「アイテムバッグを使えばいいじゃん。近接戦闘になった時、得物はあった方が
いいぞ。」
「キャンプ道具が入ってるのって、刀も入るのか?」
「入るぞ。まだまだ余裕があるから。」
「すげえな・・・じゃ、頼む。」
希望は少し短めの黒刀だ。ガイコツ達の素材があるからゴブアン刀よりは
いいのが打てるだろう。武具の更新をまとめた所で昼食だ。
午後からはクラブの時間だがテスト期間中はなしだ。
僕、シゲさん、アトムは鍛冶仕事をする。剣やら魔導具やらのオーダーが
あるそうだ。僕はFクラスの連中のを作る。
ガイコツ連中の持っていた武具から玉鋼をつくれないか試してみよう。
まずは良さげな剣や槍を砂鉄化、銑押し法をイメージして錬金。
おお・・・できちゃったよ。まあ、質はあまりよくないが。
これでスリルの刀を打ってみよう。
う~む・・・いかんな久しぶりに刀を打ったもんだから力加減を間違えた。
「どうしたの?難しい顔して。」
「いや、スリルの刀を打ったんだけどさ久しぶりだったもんだから・・・。」
「ああ、神刀になっちゃったの?」
「そうなんだよ。大丈夫かな?」
「スリルなら大丈夫じゃない。彼は天才だよ、間違いなく。」
「だよね。よし、じゃあ扱いに十分注意してもらうとして。」
これも久しぶりに銘を刻む。「陽炎 楓」。
「ありがとうございます、カエデ様。」
「スリルを助けてあげて。」
「承知しました。」
柄、鞘、あと柄に手貫緒もつけたが全て黒。う~ん、かっこいい。
「それ程でも・・・。」
よし、スリルは寮で明日の勉強でもしてるだろう。渡してしまおう。
「リング、スリルを呼び出してもらえる。」
「承知しました。」
すぐにスリルは来た。
「何?」
「刀が出来た。」
「はやっ!頼んだのさっきだぞ!」
「完成しちゃったから渡そうと思ってさ。」
陽炎を渡す。
「おお・・これだけ黒いと迫力あるな。」
「ありがとうございます。」
「えっ!」
「末永くよろしくお願いします、スリル様。」
「・・・・カエデ。この刀はIAなのか?」
「違うよ、神刀 陽炎。」
「神刀って・・・。やばくない?俺、刀術始めたばっかだけど。」
「スリル様、ご安心を。私は銘の通り相手が認識できない刀です。ですので、
まさか神刀を使ってるとは思われません。」
「そういう問題?」
ケーキを食いながら神刀の説明をする。
「スリルは魔剣や妖刀を知ってるな?」
「見た事はないけど知ってる。IAってそれを人工的に作ろうとした産物だろ?」
「そうそう。けど、それでは神と戦えないんだよ。」
「神?何言ってんだ?」
「あなたは神を信じますか?」
「勧誘!」
「ちゃうわ!スリルよ、神刀を渡すから言っておくけど神はふつーに存在する。」
「はっ?」
「俺達の周りにも普通に居る。」
「カエデ・・・何か痛いぞ。大丈夫か?」
「痛くない!まず、まじもんの神はエイルとザイル、アトムもだな。あと眷族が
シゲさん、諭吉、キリコ、ヒカミ、スズメとFクラスだけでもこんだけ居る。」
「はぁ?・・・・いや確かにやつらはただ者じゃないか・・・。」
「全てが良い神とは限らないんだよ。場合によっては神と戦わなくちゃいけない
時もある。」
「そんな場合あるのか?」
「普通はない。ないといいな・・・。」
「どっちだ!」
「神刀ってのは神を傷つけたり消滅させたりできる刀の事だ。ちなみにこの前
渡した実弾銃な、あれ神銃だから。」
「えっー!と驚いてみたものの俺が神と戦う場面なんてないぞ。」
「ないといいな・・・。」
「やめてくれ!・・・カエデは神なのか?」
「いや、人間だ。」
「ほっ。それにしても何だってそんな大層な刀を俺に?」
「話せば長くなるのだが・・・たまたまっす!テヘペロ♡。」
「アホかー!」
「まあまあ、刀としては普通に使えるから。それに陽炎は
スリルを守ってくれる。」
「お任せを。」
「いいのか?なんかとてつもなく高そうなんだが・・・。」
「値段はつけられない。」
「スリル様、プライスレスでございます。」
「・・・・。みんな持ってんのか?」
「持ってるよ。強力すぎて普段は使えないけどな。スリルはギルドやクランに
入ってるのか?」
「ギルマスには入った方がいいと言われてるんだが、俺はガンナーのギルドを
作りたくてな。」
「いんじゃないか。カリキュラムが始まったばかりで学園内ガンナーは少ない
かもだが、これからどんどん増えるぞ。それまでうちのギルドに入れば?」
「いいのか?」
「全然オーケー。」
「わかった。カエデ、陽炎をキャンプ道具と一緒にしていいのか?
なんか罰が当たりそうなんだが。」
「別に大丈夫だ。神刀には別な部屋が用意されるはずだから。」
「何、そのシステム!」
「能力とか詳しい事は本人から聞いてくれ。」
スリルはびびりながら帰った。次はレビの新型ガタックだ。
「スリルに神刀、渡したのか?」
「うん。慣れるまでファントム入りだね。本人はガンナーズギルドを
作りたいそうだ。」
「そう言えばガンナーのギルドはまだないかもな。」
「僕もバックアップしたいし、ファントム入りは丁度いいよ。」
「たぶんスリルはAクラスに行くと思うけど。」
「座学も優秀なの?」
「そうみたいだよ。」
「あのさアトム、ヘリオポリスの関係者って事はないの?」
「う~ん、わからないね。」
「シゲさん、測定の結果ってどうだったっけ?」
「ほとんどAで器用さがS。ニング先生も最高評価をしててAプラスってとこ。」
「う~ん・・・怪しい・・・。まっ、それはおいおい。」
さてとガタックを作るか。
「私に作らせてくれませんか?」
「ミナミ、来てたの。勉強は?」
「さすがに・・・。」
「そりゃそうか。じゃあお願いするよ、玉鋼はあるから。」
「わかりました。」 詳細を書いたメモを渡す。
僕はレードの如意棒を作ろう。
理想は耳に収納できるサイズだな・・・マジックバッグがあるから意味ないけど。
ミスリルで普通に作って縮小と巨大化のサーキットを刻む。
レードの魔力量に比例するだろう。無地だと地味なので竜と鳳凰の彫刻を
入れた。う~ん、カッコイイ。そうだ、黄色いスカーフも作ろう。
「キリコ、今いい?」
「大丈夫ですよ。」
「竜と鳳凰が入った黄色いスカーフって作れるかな?」
「作れますよ。使用部位は?」
「首に巻く。」
「誰がです?」
「レード。」
「レード・・・わかりました。後ほどお持ちします。」
孫悟空といえば赤い服に黄色いスカーフだプププ。
「カエデ、悪い顔してるぞ。」
「そ、そんな事ないよ・・・。」
ここまで来るとナミの長槍も更新したくなる。蜻蛉切の色違いなんていいな。
蜻蛉切を出す。
「蜻蛉切、兄弟を作るよ。」
「ごりょーかいー。」
見た目の特徴はやや長い穂にひらっべったい石突。そのまま機能を付けると
危ないから空間断絶はなし。穂はしっかり玉鋼で打って、太刀打ち部分はマリン
さんの間伐材にして銅金とかぶら巻きで女の子らしさを演出。
さすがに蜻蛉切よりは軽くしIAも組み込んだ。よし、完成。
「どうかな?蜻蛉切。」
「いもーとー。」
「えっ、そうなの?」
「イエス、マスター。」 確かに女性の声だ。
「君の名は『ハッショウ』だ。持ち主は僕じゃなくてナミという女の子。」
「イエス、マスター。」
今日の所はここまでにしよう。
明日は魔導のテストと専門科目のテストだ。
「ザイル、魔導のテストって何するの?」
「武道同様、模擬戦ですよ。」
「危なくないの?」
「武道大会で使用した仮想空間の修理が終わったそうです。」
「成程、免除は?」
「極大魔法を使える方ですね、仮想空間が壊れますから。」
「攻撃魔法じゃない人は?」
「武具の仕様がオーケーです。」
という事は才蔵と優は受けないとかな。
「才蔵、魔法は?」
「苦手ですな。ですが諭吉殿や松月の皆さんにご教授いただき前よりは
使えるようになりもうした。」
「才蔵は水系だな。この前ミズチ様に相談したら色々教えてくれた。」
「ミズと言えばミズチか。」
キリコが来た。
「スカーフが完成したので持ってきました。」
「おお・・ありがとう。」
「カエデ、明日のテストはヒムラ師匠が見学に来るそうです。」
「ヒムリンが?青田買いだな。」
「カエデ、ガタックも出来てます。」
「ありがとう。」
身体強化系は武具がオーケーか・・・。
「リング、ナミとレビとレードの居場所わかる?」
「はい。ナビゲートします。」
「よろしく。僕は武具を届けてそのまま帰るよ。」
ここから1番近いのはレードだな。転位するまでもないのでバイクで。
レードの家は体術の道場だ。
「ごめんください、レード君居ますか?」
「あら、レードのお友達かしら?」
「はい。」
「ちょっと待ってね。」 母親かな?
「カエデ、どうしたの?」
「すまんな勉強中。新しい棒が出来たから持ってきた。明日、魔導のテストで
使うだろ。」
「はやっ!母さん、道場って空いてるかな。」
「皆さん、帰ったわよ。」
道場に案内される。
「これだ。如意棒って言うんだけど。」
「尿意棒・・・へんな名前だね。うわっ!すごいね。」
「尿意じゃないニョイだからな。特徴としては魔力を流して大きくしたり
小さくしたりできる。」
「えっ!魔導具なの?自身ないなあ、僕魔力が少ないから・・・。」
「通常は普通のサイズで使えばいいんじゃないか。」
「そうか・・・そうだよね。」
「あとこれも。」
「んっ?布・・・。」
「首に巻くんだよ。」
「首に?」
首にスカーフを巻いて如意棒を持つ姿はまさに孫悟空ププ。
「是非、明日のテストで使ってくれ。」
「ありがとう、使ってみる。」
さて、ナミとレビは・・ロイド流の道場だ。
大丈夫か?勉強しないで・・・。
「すいません、ナミとレビが来てると思うんですが。」
「来てますよ。槍の道場に居ます。」
「こんにちはー。」
「あらカエデ、あなたも槍を振りに?」
「新しい長槍とガタックを届けに来たんだ。」
「キャー!私のもあるのね。」
「早い!もう出来たんだ。」
「それはいいが、お前ら勉強しなくて大丈夫なのか?」
「それは言わない約束よ。」 そんな約束した覚えはないがな。
「ほら、私達はFクラスに居たいから勉強しちゃ駄目なのよ。」
「落ちるぞ。」
「だ、大丈夫よ。他でカバーするから・・・。」
「全く・・明日の魔導のテストで使うかもだから急いだんだ。」
ナミにハッショウ、レビにガタックを渡す。
「カッコイイ!」
「ハッショウにはIAを組み込んでる。」
「マスター、ハッショウです。よろしくお願いします。」
「よろしくね、ハッショウ。」
「レビ、新しいガタックは2刀を重視した作りになっている。」
「丁度いいわ。最近ここで学びだしたの。」
そういえば、レビは別な道場だったな。
「2人は明日、身体強化で?」
「身体強化は使うけど私は火魔法で受けるわ。」
「私は土魔法ね。ザイルとブラウに教えてもらったの。」
「へぇ、そうなんだ。使ってみて調整が必要なら持ってきて。」
「わかったわ。」
「了解。」
お届け物は終了だ。帰ろうっと。
「ただいまー。」
「おかえりカエデちゃん♡。」
「ベル姉達もテスト期間中なんだよね?」
「一応、そうね。」
「クランも引退よ。」
「長期休暇明けから新体制なのよ。」
「そうなんだ。マスターは桃ちん先輩?」
「そうよ。」
「大丈夫かな?」
「相談に乗ってあげて。」
「可能な範囲で。」
「それでいいわ。」
「何人かセラフィックウエポンの改良でいくかも。」
「了解。」
「今週末、箱庭に行ってもいいかしら?」
「大丈夫だよ。」
夕食は何かの酒蒸し。旨かったさ。




