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【漫才】たいやき・食べ方

作者: 紫生サラ

ボケ「皆さんは、甘いものは好きですか?」

ツッコミ「ケーキとか、お団子とか、色々ありますよね。私も大好きで、ついつい食べたくなっちゃうんですよね〜」


ボケ「私はね、たいやきさんが好きなんですよ。でも、たいやきさんって、食べるのが難しいんですよね」

ツッコミ「難しい? たいやきの食べ方なんて、難しいことありますか?」


ボケ「ありますよ。たいやきさんをどこから食べ始めるかとかね。大きな問題ですよ。たいやきさんを食べる者に課せられた永遠のテーマとでもいいますかね」

ツッコミ「そんなに難しいですか? 別に好きなところから食べればいいじゃないですか、私なんかは頭からガブリと行きますよ?」


ボケ「頭? いやいや!」

ツッコミ「えっ? なんで?」


ボケ「頭からなんて、たいやきさんと目が合うし」


ボケ、怯えた感じ。


ツッコミ「えっ?」

ボケ「だから、目が合うでしょ? たいやきさんと。ああ、お前さん、わしを食べるのか? って訴えかけてくる」


ツッコミ「たいやきが?」

ボケ「わしを食べるんか? 頭からカブリつこう言うんか、なんて残酷なヤツだ。母ちゃん、先にいくで、先に行って待ってくるからな! お前はゆっくり来るんやで、タンスの上から二番目の引き出しの奥に隠してあるへそくり使ってや……」

ツッコミ「いやいや、絶対言ってないし、関西弁でもない!」


ボケ「頭からは抵抗あるなぁ、私、そんな残虐非道なスプラッターな食べ方できない」

ツッコミ「じゃあ、しっぽから食べれば? しっぽのね、カリカリしたところを楽しむことができますよ?」


ボケ「いや、しっぽ側も問題あるわぁ」

ツッコミ「どんな問題があるの?」


ボケ「私、たいやきはあんこが好きなんですけどね」

ツッコミ「あんこ、美味しいですよね」


ボケ「いえね、あの色ですよ。黒いじゃないですか。お尻を食べたら黒いのが出てくるわけでじゃないですか。イメージがなんていうかね、ウン……」

ツッコミ「こらこら! 何イメージしてんの!」


ボケ「いや、だってお尻だし、ホカホカがモリモリ出てきちゃうでしょ?」

ツッコミ「あんこの話しですよね?」


ボケ「あんこの話しですけど? なんか抵抗あるんですよね。それにね、しっぽからカブリつこうとすると、たいやきさんが横目で見てくるじゃないですか」

ツッコミ「いや、見てこないと思うけども。じゃあ、お腹側から食べてはどうですか? あんこがたっぷりの熱々のところにカブリつく。贅沢な感じがしていいでしょう?」


ボケ「ああ、それも問題あるなぁ」

ツッコミ「どんな問題があるのよ?」


ボケ「いやだって、お腹からですよ? 魚を食べる時にお腹から行きますか? 行かないでしょう?」

ツッコミ「たいやきの話しでしょう?」


ボケ「たいやきも魚でしょう?」

ツッコミ「まあ、魚の形はしていますけども」


ボケ「普段ではあんまり食べない腹わた部分にカブリつくとか、ちょっと野性味がありすぎるっていうか」

ツッコミ「あんこを腹わたっていうなよ」


ボケ「それにお腹側から食べようとすると、たいやきさんと目が合う……」

ツッコミ「それももういいから! じゃあ、背中側から食べてみたら?」


ボケ「それは駄目なの」

ツッコミ「どうして?」


ボケ「だって、たいやきさんって大体鯛が反っている形をしているでしょう? こんな感じで」


ボケ、鯛焼きの形を作ってみせる。


ツッコミ「うん、まあ、そうかな? それが問題あるの? だって、魚を食べる時には普通に背側から食べたりするよね?」

ボケ「いや、食べにくいの」

ツッコミ「はっ?」

ボケ「背中の真ん中を食べようと口を近づけると、しっぽと頭がほっぺに当たるの。たいやきさんに反撃くらう」

ツッコミ「反撃じゃないけどね、それ」


ボケ「それにね、たいやきさんと目が合うし?」

ツッコミ「どこから食べても目が合うじゃん! じゃあ、普段はどうやってたいやきを食べてるわけ?」


ボケ「もちろん、たいやきさんに敬意を払ってね」

ツッコミ「たいやきに?」


ボケ「白いきれいなお皿に、たいやきさんを寝かせ、感謝しつつフォークとナイフで三枚におろして……」

ツッコミ「その時、たいやきさんと目は合わないの?」


ボケ「えっ? 合わないわけないじゃん」

ツッコミ「結局合うんかーい! もういいわ!」

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