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生まれた

光が私を包んだ。その後、私は産声を上げた。




満月の寒い夜赤ん坊が生まれた。

医者が赤ん坊を抱き上げ産声を上げたのを確認したのち母親に渡した。

「元気な女の子です」

母親は赤ん坊を愛おしそうに抱いていた。

名はキリスと名付けられた。


そして月日がながれ15歳、前世を思い出した。




キリスが生まれたこの地はハヨメ王都。貧富の差がなく、平等で、四季が豊かな町である。

キリスは、ハヨメ王都の貴族だった。愛情たっぷりに育てられすくすくと育っていった。


年齢17歳ハヨメ王都ではタバコ解禁となる。

キリスは幼い頃からタバコに関しての興味が凄かった。タバコ屋を通るものならめちゃくちゃガン見、タバコを吸っている人がいればよだれを垂らし、5歳の頃おもちゃのタバコを与えられるのならば、吸う手つきがやたら慣れていたり…


ついに解禁となる。時刻は11時55分、私はこっそり城を抜け出し最寄りのタバコショップを目指す。

そして時刻は0時、17歳なりタバコを買い併用されている喫煙所で吸う。懐かしい味だ。懐かしいとは?疑問が生じた。そういえばなぜ私はこんなにもタバコに執着をしていたのだろうか。

頭が割れる様な痛みが走った。

前世の記憶が流れてくる、あまりの情報量に思わず倒れそうになる。

そうだ私は生まれ変わったのか。霧の出来事が昨日の事の様に感じる。

私はタバコを50箱買っておく。前世で50箱買おうものならタバコ税により金額が凄まじくなるけど、ここはタバコ税なんてものはない。私は前世のヤニカスの友人に自慢したくなった。


キープ用のタバコを買い満足し、家に帰る途中

「そこのねーちゃん、何してんの?」

酒臭いチャラ男2人組が話しかけてきた。服装から見て騎士であろう。私も貴族である故、騎士ならば今後どこかで会うかもしれない。シカトはできない。

「家に帰る途中ですが」

「君何歳〜?」

チャラ男Bが言う、これは多分ナンパである。

「17歳です」

中身は25歳だが。

「奢るから飲み行こう」

飲みに行く。その言葉に私は雷に打たれた感覚がした。飲みに行く、前世の私はその言葉が大好きだった。週末の友人達との家呑み、仕事終わりの同期と行く居酒屋、家でひっそりと飲むビール…

「行く行く行く!!!そうと決まれば行こう!!!」

私はきっとすごい剣幕で言っていたと思う。酒酒酒酒のことしか頭になかった。

チャラ男達はケラケラ笑い

「じゃあ行くか!」

と歩き出した。


前世でいうところの居酒屋についた。ここでは酒場というらしい。下町の情緒が残っている様な居酒屋っぽい。

「とりあえず生っしょ!!!!」

私は前世の癖で言ってしまう。しまったここは日本ではない。だが口に出してしまったので時すでに遅し。生ってあるのか??

「「うぇーい↑↑↑」」

チャラ男2人組はある程度酔っているらしくノリがいい

お品書きを見てみるとちゃんと生ビールはあった。

生ビールを3つ注文した。

そして運ばれてきた。金属製のグラスにビールが並々注がれておりとても美味しそうだ。

三人で乾杯をし私は17年ぶりのビールを飲んだ。

「うまいッ!うますぎる!悪魔的なうまさだ!」

どこかのギャンブラーの様な言葉を言いながら呑んでいく。

そういえばチャラ男達の名前を知らないな。

「貴方方のお名前は?」

「俺はウォーレン」

黒髪短髪の硬派そうな彼はウォーレン、塩顔イケメンだ。

「俺はアンドレ!」

赤髪の垂れ目の彼はアンドレか、後輩から癒し系としてモテそうなイケメンだ。

「私はキリス」

ようやく私たちはお互いの名前を知った。

「2人はタバコを吸う?」

「いや、吸わないかな」

ウォーレンもアンドレも吸わないらしい。ヤニカス仲間は見つけることができなかった。

「吸うんだったら吸ってもいいぞ?」

「ありがたき幸せ!!!!」

私は遠慮なくタバコを取り出し火をつける。

そこからたわいもない話をした。酒の勢いもあって意外と盛り上がった。

2人はやはり騎士をしていた。ハヨメ王都の騎士の騎士だそうだ。ハヨメ王都の騎士といえばエリートなイメージがある。警察官みたいなイメージ。

意外と盛り上がり酒が進みついに2人は店で酔っ払って寝てしまった。

そういえば明日学校があるの思い出した。

私は帰ることにした。奢ってもらうって約束だったしおーけー!


時刻は3時家にこっそり帰り寝た。

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