1.
私は道を歩いていた。
そこは霧が濃く何も見えない。なぜここを歩いているのか私にはわからない。周囲には何があるのか霧のせいでよく見えない。とにかく今は歩くことしかできないそう思った。
そもそも自分はなぜ霧の中を歩いている?日曜日の昼頃、私は彼氏と渋谷の一角でタバコを吸っていたはずだ。いつも通り煙を楽しんでいたらいつのまにか霧の中にいた。薬物を吸ったのか?いや、コンビニに売ってある様な普通のタバコしか吸ってないはずだ。こんな現実離れした場所にいるのはおかしい。普通訳の分からない場所にいきなりいたらパニックになるのではないのか?今の私は冷静だった、怖いという感情はなぜか無かった。
ヤニカスな私は一服することにした。幸い喫煙禁止区域でもなさそうだ。ポケットを弄る。箱を見つけたら一本取り安物ライターで火をつける。そういえば服とか鞄とかはさっきのまんまだ。スマホもある。タバコを吸い煙を吐く。
スマホあんじゃん、電話繋がるか?GPSは生きてるか?
結果圏外だった。そりゃここ電波飛んでなさそうだし、、、
無心でタバコを吸う。
携帯灰皿でタバコを消しあたりを見てみる。不思議なことに霧は晴れてきていた。そういえば2ちゃんまとめでタバコ吸えば異世界から抜け出せるうんぬんとか見た。
ここは異世界なのか?最近流行っているあれか?意地悪悪女ヒロインいじめ役に転生してしもた的なあれか。転生するならばこれまで生きてきた記憶を保持してたい、あと美人に生まれ変わりたい。
その時凄まじい光が私を包んだ。