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番外編10 ウォルターもふもふ大会Part10

「え!?」「ガウ!?」

「いや……駄目です」

「……やっぱり、駄目?」

「駄 目 で す」

「すんません……」


 大会応募時に色々書かなきゃいけない事があったらしくて、それを書かなかった私は正式に参加した事にはなってなかったらしい。


 ……あー、うん。


『オイ、コレガ本当ニ必要ナ情報カ?』

『で、ですが書いてもらわないと大会へ参加──』

『ホォ……理由ガアルト……ナラソノ理由ヲ言ッテミロ。妾ガ納得シタラ書イテヤル。モシ理由ガ無イ、又は説明出来ナイノデアレバ──』

『ひぃぃぃすみませんすみません!』

『フン……名前ダケハ書イテヤル。感謝シロ』


 とか言って色々工程すっ飛ばしたからねデビリスちゃん。

 大会が終わった後に、メルさんから直接言われてしまった。


 くそぅ……折角優勝したんだし、お金貰いたかったなぁ……


「会場が盛り下がるので公表はしませんが、もふもふ王は得点順三番目の男性になりました」

「あれ、あの巨乳(大罪)はどうしたんですか?」


 47点で、私に次ぐ二位だったはず。

 普通に繰り下がるならあの女が優勝のはずだけど……


巨乳(大罪)は私の方から不正摘発して失格です。同時に私以外の審査員も、得点操作で罰を受けてもらう予定ですよ。審査員長は私でしたから、これくらいは! あ、勿論盛り下がるので公表は無しです。三位の方には事情を説明して、しっかり優勝賞金を受け取ってもらうつもりですよ」


 メルさんも巨乳(大罪)で通じるのね……

 

 っと、大事な所はそこじゃない。

 どうやら私が出ようが出まいが、あの女は失格になってたっぽいね。

 けどまあ、私は正式なルールで巨乳(不正)に勝ちたかっただけだから割と満足してる。


 それと──


(メルさんからアルベルトさんの雰囲気を感じるよ……)


 やられたら徹底的にやり返すアルベルトさんのスタイル、しっかりメルさんに受け継がれていた。

 表向きは普通でも、裏でしっかり粛清していく。

 規模は確かに小さいけど、やってる事はマルコが金獅子亭で暴れた時のアルベルトさんの対処にそっくり。

 ……この人も絶対怒らせないようにしないと。


(……あの純粋なソラちゃんも同じ感じになるのかな?)


 ………………。


 私は考える事を放棄して、そのままクロト達の所へ戻る。




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 その道中(と言っても大した距離じゃないけど)で──


「おい」

「ん……げ」


 あの女に絡まれた。


「…………」


 何か厄介事になりそうな雰囲気だし、ちょーっと軽めの魔法を二つ程使わせてもらいましょう。


「私があのブサイクな審査員共に胸こすりつけて稼いだ点数を、一体どんな方法で上回ったんだよ? 何の不正を使ったんだよ?」


 たしかこの女、ハクをもっふもふにする前に待合室を出て行ったんだよね。

 今のハクはオーラを落としてある(水で流したら落ちた)し、大会で直接見てなかったら、この女はハクのもふもふを知らないはず。


「……………………」

「だんまりですか貧乳さ〜ん」

「あ゛?」


 今は我慢今は我慢……(╬՞ةڼ)

 

 それからもこの女は私に暴言を言いまくって、私はそれを黙って耐えたまま、じっと()()()()()


 ──タッタッタ!


(来たっ!)



 私が使った魔法。

 その一つが、対象者から一定の音を消す【少音遮断(ノイズシャットアウト)】。

 馬車の中で眠りたい時とか、自分に掛けると結構便利な魔法だね。


 私はこの魔法で、女の耳から人の足音を消した。

 つまりこの響く足音は、この女には聞こえていない。


 そしてもう一つの魔法が【音拡張(サウンドスピーカー)】。

 これはもう本当に単純で、ただ音を大きくするだけ。

 ただこれを掛けられた対象にはその効果が分からないっていう難点があって、パーっと騒ぎたい時に使って楽しむとかが出来ない。

 まあでも、今回はそれが役に立った感じだね。


 だって──


(自分が大声で不正を暴露しても、それを周りが聞いているとは思ってないもんね)


 自爆乙であります!

 私はちょっと背中を押しただけで、勝手に喋って自爆したのはあなたですよ?


 私的には復讐はもう済んでたし、特に何かするつもりでも無かったんだけどね……

 わざわざ絡んで来て、それで貧乳だの恥地()平線だの言ってくれやがりましたからねぇ……

 

 じゃあ、そういう事で──


「さようなら、厚化粧な年増おばさん。ご武運を♪」

「年増……っ、待ちなさいクソガキ!」


 耳元に軽い仕返し(暴言)をぶっ放して、私はその場を退散した。

 あ、追ってきた年増おばさんには、拘束魔法をブレゼントしておいた。

 もうじき色んな人が来るだろうし、助けてもらえると思うよ!

 

 え、その後?

 知らない、賠償金でも払わされるんじゃない?

 

「あースッキリした!」


 私は大満足で、クロト達の元に戻った。

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