番外編6 ウォルターもふもふ大会Part6
「お姉さん、盛り上がってる!」
「ねー!」
やっぱりメインイベントだけあって、舞台は大盛り上がり。
何とか良い席を確保出来た私達は、座って時間まで待つことに。
「お姉さんはもふもふ王決定戦出ないの? (੭ु ›ω‹ )੭ु」
「うん、私は良いかな……正直、優勝賞金の紙幣十枚には惹かれるけど (੭ु ›ω‹ )੭ु」
とはいえ、今の私達は先日のブレイドマン退治のおかげでお金に困ってない。
それに、私達の場合あんまり目立つのも好ましくないからね。
よっぽどの事でもない限り、わざわざ表に立って活動する事は無いかな。
そんなこんなで、ハクをもふりながらソラちゃんと話していると──
「買ってきたぞ」
「ありがとクロト!」
買い出しに行ってたクロトが戻って来た。
「ハンバーガーを適当に三種類買ってきたが、これで大丈夫か?」
「ありがと! クロトはどれが良い?」
「俺か? 俺は余りで良い。お前らで好きなのを食え」
イケメンだ……!
「ではありがたく頂戴して……」
そんなこんなでゆっくりしていると──
『お待たせしましたぁ! 只今より第三回、もふもふ王決定戦を行います!』
「「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」」」
遂にもふもふ王決定戦が始まった!
……と言っても、どんな事をするのかは知らないんだけどね。
というか──
「……クロト、またリンゴ買ったの?」
右手にハンバーガー、左手にリンゴを持ってるクロト。
ホント飽きないなぁ……まあ何年ももふもふを愛し続けた私が言えたことでもないけど。
「どうやらこのリンゴは普通のリンゴでは無いらしい。もふもふリンゴとかいったか?」
──もぐもぐ。
そしていつも通り丸かじりするクロト。
リンゴはやっぱり丸かじりだよね!
でももふもふリンゴって……さっきのもふもふハンバーグとかと同じ様な感じなのかな?
だとしたら──
「確かに美味いが、リンゴはあのシャキシャキ感あってこそだな。こうも不思議な食感だと食べごたえがない」
うん、まあそうなるよね。
もふもふ料理を食べると、食感が如何に大事かがよく分かるよ……
「あ、でもやっぱりヘタまで食べるのね」
「ああ、いつまともに食えなくなるかは分からないからな。食える所は全て食う」
流石にリンゴのヘタまで食べるのはどうかと思うけど、私はクロトのこの考え大好き。
最近の子──特に貴族は『嫌い』とか『気に入らない』とかで、平気で食べ物を残すからね。
満足に食べる事すらできない子供達も、この世界には沢山いるのに。
そんな中、余裕のある今でさえしっかり食べきるクロトの姿勢、私は大好きだね。
食事のマナーがどうこうより、食に感謝して最後まで食べ切る。
これが食べ物や、それを作ってくれた人への一番の恩返しでもあると思う。
……まあ、こんな事を私一人が言ったところで、そう簡単に世界は変わらない。
それに、今の世界は魔王復活でそれどころじゃないからね。
まずは魔王を倒して、安定した平和を維持出来るようにしないと。
っとと、つい色々と考えちゃった。
今はもふもふを楽しむ時間、硬い事は後で考えよう!
『それではっ! もふもふ王決定戦のルールをご説明します!』
ルール説明のアナウンスも聞こえ始めたし、そっちに耳を傾ける。
『もふもふ王は、五名の審査員によって決定されます! 審査員一人の持ち点は十点、『美麗点』と『接触点』、各五点ずつの配分になります! まずは『美麗点』の説明から!』
舞台の上に、二つの毛玉が置かれる。
一つはボサボサの毛玉、もう一つは綺麗に整えられたもふもふの毛玉。
うお、めっちゃもふもふだな後者の毛玉。
『『美麗点』はそのもふもふの外見──美しさの評価です! この二つの毛玉を例に比較すると、このボサボサの毛玉よりも、このもふもふな毛玉の方が『美麗点』は高くなります! 触っていくらもふもふでも、外見がそうでなければ触り辛いですからね!』
確かにその通りだね。
出会った時のボサボサのハクとか、そこまでもふもふしたいって思わなかったもん。
……嘘ですごめんなさい。
私は生粋のもふリストだから、ボザボサでももふもふ度を確かめたいと思ってしまう重病患者です。
実際、触ったらめっちゃもふもふでヤバかったしね。
ちょっとくちゃかったけど。
『そして『接触点』! これはシンプル。触ってどれだけもふもふだったかを点数化するだけです! 『美麗点』と『接触点』、この二つの得点の合計点が最も高かったもふもふが、もふもふ王となります!』
要は見た目のもふもふさと、触った時のもふもふさ、両方が求められる訳だね。
『では早速参りましょう! エントリーナンバー1!』
そうして、もふもふ王決定戦がスタートした。





