番外編4 ウォルターもふもふ大会Part4
「お、お姉さんどうしたの!? 目が死んでるよ!?」
「ハハハ、儚い、儚いよ……( ∩ˇωˇ∩) もふもふは儚く……そして、美しい( ∩ˇωˇ∩)」
「ガウ?」
「……何があったのかは知らんが、それでもハクに飛びつく辺りエアリスらしいな」
だってもふもふ、もふもふ共食い嫌ァァァ!!!
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思い出してまたおかしくなりましたが、再び冷静になりました。
白魔導士のエアリス・アーデンベルクです。
もふリスって呼んでね。
気を取り直して、今度はもふもふ食堂へ向かう事に。
ここではハクやソラちゃんの入場制限は無かったね。
ケセランパサランみたいなのはいないみたい。
早速、三人+一匹で中に入ると──
「いらっしゃい」
「「…………!?」」「ガウ!?」「……飲食店?」
中には沢山のお客さんと、すんごい厚着をした──というか顔も布で覆った、店員さんらしき人がいる。
これから宇宙にでも行くのかな?
他のお客さんの卓を見る限り、ここがもふもふ食堂で間違いなさそうだけど……
というか普通の見た目してるね、料理。
どこがもふもふなのかな……?
今の所、もふもふ要素は内装と外装くらいしか無いけどね。
内装と外装のデザインはすんごいもふもふだった。
「……取り敢えず、何か頼んでみようか」
空いていた席について、メニューを開いてみる。
「もふもふカレー、もふもふシチュー、もふもふわたあめ……いやこれは元からだろ」
「ボクはもふもふ唐揚げセットにする!」
「じゃあ私はもふもふメロンソーダともふもふハンバーグセット」
「ガウ!」
私のメニューに手を乗せてくるハク。
そこには『もふもふ肉』と書かれている。
…………絶対文字読めるだろこいつ。
というか何で普通の肉売ってるの!
このメニュー考えた奴頭おかしいだろ!
「……食べるの?」
「ガウ!」
と言う訳で、ハクももふもふ食を体験する事に。
そしてクロトは──
「……俺は普通のカレーで良い」
「「えー」」「クゥン……」
「せっかく来たんだから、もふもふ食べればいいのに」
「そーだそーだ、カシスソーダ!」
「カシスソーダ美味しいよね」
「うん!」
何を言ってるんだ私達は。
そんな事よりクロトだよ!
まさかここまで来て普通の料理を頼むなんて……
「……嫌な予感がするからな。俺はこれでいい」
「「ぶーぶー」」
まあでも、本人が良いならそれで良い。
食事は楽しむものだからね!
「すいませーん!」
「お決まりですかな……?」
店員さんを呼んだら、さっきの全身布で覆った人が来た。
ついでだし、料理を注文したら少し聞いてみようか。
「あの……なんで全身隠してるんですか……?」
「気になりますかな?」
「そりゃまあ」
「ふぁっふぁっふぁ!」
突然笑い出す店員さん。
声を聞くに、どうやらかなり歳のいった男性みたいだね。
「これには二つ理由があるのですよ…………もふもふ好きなら大丈夫ですかな」
「ん、大丈夫……?」
すると──
「……なるほど」
「お分かりいただけましたかな?」
顔の薄布を外してくれた。
同時に納得、確かにこれは布で覆わないときついかも。
「犬の獣人さんだった!」
「そうですぞ、お嬢さん」
店員さんは犬の獣人さん、それも獣型の獣人さんで、全身がもっふもふの毛で覆われている。
全身を布で覆った一つ目の理由は、この毛が料理に入らないようにする為だろうね。
そしてもう一つは──
「私が獣人だと知ると、人間の方は私の料理を食べてくれませんからな……」
正体を隠す為。
一部の人間は、獣人の作った料理を『獣飯』と呼んで侮蔑する。
もうホントに馬鹿だし勿体無いよ……
昔から森の中とかで生活してきたからか、獣人さんの料理は素材の味が引き出されてて滅茶苦茶美味しいんだよね。
「…………」
「ふぉっふぉっふぉ! ですが私は気にして無いですからな。こうして料理が出来ているだけで幸せなのですぞ」
「……料理、待ってます!」
「ます!」
「はい、少々お待ちください」
そうして、犬の獣人さんは厨房に戻っていった。
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数分後──
「お待たせしました、ではゆっくり寛いでくださいな」
「わー!」「うぉー!」「ガウ!」「…………」
料理が運ばれてきた!
クロトはいつも通り手を合わせて、一礼してからスプーンを手に取る。
クロトは食べ物を凄く大事にするからね、クロトのこういう所も大好きなんよ……
「……美味い、流石だな……」
顔を綻ばせるクロト。
わーお、クロトが笑うって事は相当美味しいなこれ。
いつも美味しそうに食べるクロトだけど、それでも滅多に笑う事はない。
獣人さん、恐るべし!
じゃあ私達も──
「「いただきます!」」
料理を口の中に運ぶ。
こ、これは……!
「「うまー!」」「ワォォン!」
めちゃんこ美味しい、なんだこれ!
しかも食感が普通の料理と違う!
もふもふ料理ってこういう事か!
アーデンベルク領来てくれないかな獣人さん、これあの人が作ったんだよね!?
「でも……」
「……あ、やっぱりお姉さんも?」
「……うん」
料理はもふもふじゃなくていいわ。
私達はクロトの笑顔に羨ましげな視線を向けながら、しっかりともふもふ料理を完食した。





