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24話 白魔導士、ギルドマスターに助けられる。


「クロトォォォォ!!!」


 私は戻ってきたクロトの尻に、本気の蹴りをかます。

 確かに全力で魔法を使って被害が出そうになったけど、受付嬢さんから全力でって言われてたからね。

 クロトが蹴られる理由にはならない。

 

 え、じゃあ何で蹴ったかって?

 八つ当たりだよ、文句あるか!

 いいじゃん! どうせクロト筋肉あるから痛くないだろうし!

 …………後で謝ろ。


 ちなみにハクも私を真似して、前足でクロトを小突いている。

 ……こっちも大して効いてなさそうだけど。


 そういえばハクはクロトが魔法をぶっ放している間、私の少し後ろ辺りでちょこんと座っていた。

 滅茶苦茶肝座ってるやん。

 最初に私と戦って恐怖してたお前は何処に行った?


 そんな私の考えを知ってか知らぬか、微動だにしないまま話を進めるクロト。

 

「次はエアリスの番か?」

「え、ええ……」


 クロトの尻を蹴り続けてたけど、流石に疲れてきた。

 っていうかホントにダメージ無いなぁ……

 全力で蹴ってるのに。


「だそうだ。ほらエアリス、ちゃっちゃとやるぞ」

「でも私が全力でやるんだったら場所を変えないと。この辺全部更地に──」


 話していると──


「おいおい何だ今の音ぁ!」

「……って、何だこりゃぁ!?」

「ペロペロペロペロペロペロペロペロ」


 音に反応して、何人かの冒険者さんが庭に出て来てしまった。

 あ、ペロペロ冒険者さん復活してた。

 それは良かったけどこっちに近付いてくるのはやめようね。


「ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ」

「こっちに来るな言ってんだろ!」


 思わず風魔法をぶっ放す。


「ぶぅぅ!!!」


 どんがらがらがっしゃーん。


「ふぅ……」


 あれ、よく考えたらこっちに来んなって言ってないね。


 けど今の私は受付嬢さんの胸によってご乱心中。

 回復魔法はしっかり掛けるから許してほしい。


 さて、ペロペロ冒険者さんの事は一旦置いておこう。


 それよりも庭だ。

 庭にあったはずの的は、クロトの【雷鎚(ミョルニル)】によって消し飛ばされてちゃった。

 それどころか巨大な穴が空いており、その周りの草も幾らか焦げてる。

 

「ハルエラちゃん、これは……?」

 

 近くに来ていた一人の冒険者さんに聞いたんだけど、どうやら受付嬢さんの名前はハルエラ・アルナードというらしい。

 私はハルエラさんって呼ぼうかな。


「え、えっと……あはは……」


 そのハルエラさんはと言えば──


『これ、言ったらまずい?』


 的な表情で、クロトと私の顔を交互に見ている。

 私達は頷く。


 【雷鎚(ミョルニル)】クラス魔法を使える人は少ないし、そこから勇者パーティーを連想する人がいるかも知れない。

 そうなると少し面倒だからね。



 勇者パーティーの一員──というか勇者の同伴者であればお金には全く困らないし、宿泊や設備利用は国からの支援で全て無料。

 それに魔王を倒すという大事な使命があるし、冒険者になって金を稼いでいる場合じゃない。


 それに勇者であるお兄ちゃんを除いて、私達勇者パーティーの一員は全くと言っていいほど知名度が無い。

 だから可能性は低いけど、それで万が一知っていて詮索されたら面倒臭い。

 そこから勇者パーティーの一つが壊滅したなんて情報が出回ったら、私達人間側の士気が下がるしね。



 けど──


「……その兄ちゃん達がやったのか?」


 ウォルターは魔王城に最も近い街の支部。

 当然魔物も他の街よりよっぽど強い。

 その上テストすらも行うこの支部は、他の支部より大分レベルが高いんでしょう。


 となると、当然観察眼も鋭い。


「そ、それは……」


 口籠るハルエラさん。


 ……仕方ないかな。

 気付かれる確率も相当低いし、このままじゃハルエラさんが可哀想。

 私から言おう。


 そう思い、一歩前に出ようとすると──


「こらこら。君達ともあろうものが、冒険者の心得第四条を忘れたのかい?」


 ギルドの中から、クロトより少し小さい位の男の子が出て来た。

 年齢で言うと今の私と同じくらいかな?

 にしても随分と艶のある紅髪だなぁ……


 そんな風に思ってると──


「マ、マスター……いや、すまんかったって!」

  

 マスター……って、ギルドマスター!?

 この子が!?


「謝るのは私じゃなくて彼女達にだろう?」

「そうだな……すまなかった!」


 そう言うと、彼等はギルドの中へと戻っていった。


「やあやあ、うちの子達が迷惑を掛けたね」


 そして紅髪の男の子──もとい、ギルドマスターがこっちに来た。

 この子……一体何者?


「あ、あの……ありがとうございます」

「冒険者の心得第四条【他人の情報を詮索するな】。心得を破ったのは向こうだから気にしないでね? それよりも──」


 そう言うと、ギルドマスターはニヤリと笑みを浮かべて──


「冒険者ギルドウォルター支部へようこそ。()()()()()()()のお二方」

「えっ!?」「なっ!?」


 ばれとるやん。


このギルドマスター、何者……?

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