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担当医の書いた物語
そうして彼は入院中、創作活動をやり始めた。
「うまく書けているねぇ。」
主治医はその物語を読み、驚きの表情だ。
そしてこうも続ける。君はしゃべるくらいと書けるんだね。と。
実はね、私も趣味で創作をしているんだ。
彼は担当医が書き上げた作品を読んでいる
先生、これを出版はしないんですか?
主治医が書いたのは大学病院と言う組織と戦う男性精神科医の物語だ。
その中の医師はとことん反旗を翻し、ついてくる医師たちを連れ立ち、
大学病院を集団で辞めることもいとわない
先生はこの精神科医の先生みたいな真似は…。
精神科医 大門明は私がモチーフだ。
と主治医は言った。