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一瞬の恋
お世話になりました。有紀はそう頭を下げた。
彼はふと、中庭の桜の木を見上げた。快晴の青空と満開の桜がよく似合う
無意識のうちに物思いにふけっていた
時刻は正午。彼は外来担当中であることを忘れていた
「午前中最後の患者さんである有紀さんに惚れたね?」
た、高岡先生
気持ちを読まれたと思った
やはり君を有紀さんの担当医にして正解だった。
と白衣の主任教授は言った
確かに彼は桜のように凛とし、獅子のように悠然としたイメージの
女刑事に一瞬の恋をしているのであった