(14)暗殺者から侍女へ
暇ができたので投稿します(*´ω`*)
「お、王子・・・?」
サラの呆然とした呟きに答えたのは、グレイだった。
「ええ。このお方はグレイ・フェンリル・オリエスト様です。次期王様ですね。」
「まぁそういうことだ。サラ。お前には俺付きの
侍女となってもらう。俺を満足させられたら、
教えてやるよ。」
リアムはニヤリという人の悪い笑みを浮かべて言った。
サラにはもはや選択肢などなかった。
まぁ断るという選択はサラであったなら絶対に
しなかっただろうが。
「わかりました。ですが私にもしたいことがあります。それくらいの時間位もらえますよね?」
挑むような目をしてサラが言う。
こんなサラをみるとオリビアとクロードはビックリして思考が停止してしまうだろう。
それくらい珍しい。
「よし!じゃあ行くか。父上もどうせ待っているんだろう?」
グレイは歩き出した。
「ええ。たいへんお怒りでしたよ。ご自分でどうにかなさってくださいね。」
グレイがリアムを追い掛けながら言う。
サラも無言で追い掛けた。
翌日・・・
サラはピシッと侍女服を着こなし、リアムをゆさゆさと揺らし起こしていた。
「リアム様。リアム様。お目覚めの時間ですよ。」
しかしリアムは起きない。
それもそうだ。
リアムの寝起きの悪さは、王都まで知れ渡っている。
サラは脚に結びつけていた短剣を取りだし、
少しだけ殺気を出した。
すると面白いくらいばっと飛び上がった。
そして戦闘態勢に入った。
サラはさっと剣をなおし、平然と声をかける。「おはようございます。リアム様。良い朝ですよ。」
「っあ、あぁ。おはようサラ。ところで殺気出さなかったか?」
リアムは戦闘態勢をとき、自然体に戻った。
「え?いいえ?私にはそんなもの出せませんわ。
さぁさぁリアム様お着替えなさってください。」
そんなサラにリアムは首を捻りながらも素直に
従った。
実は、サラはリアムの事は前から知っていたのだ。
と言っても、リアムの顔を知っている訳ではなく
噂を知っていたのだ。
"剣を扱うのがものすごくうまい王子がいる。
そいつは敵国の兵隊を全員倒した。"
という噂だ。
戦争や争い事、命のやり取りを経験したものはだいたい殺気を感じる事が出来る。
さっきのはそれを利用したのだった。
サラはこうして順調に知識を総動員しながら、
リアムに仕えていくのだった。
どうでしょうか?これからしばらくサラが侍女を
しています。たまに残酷な描写が出てくるかも知れませんが。
見捨てずに読んでくださいm(。≧Д≦。)m




