(11)リアム2
さて、あれから俺はグレイを撒いて下町へと
抜け出してきた。
いまの所俺に勝てる近衛兵に勝てる者はいない。
今頃またグレイが慌てているだろう。
俺はまたあの女に会えないだろうかとふらふらと
さ迷った。
しばらく歩いていると見つけた。
あの女だ。
いつ見ても美しい。
何故だろう。
両手に狩られたのであろう鳥と動物が握られている。
すごく違和感があるが・・・まぁいい。
せっかく会えたんだ。
名前を聞きたかったんだ。
「お前俺を覚えているな?」
そう聞くととっても嫌そーな顔をして答えてくれた。
「・・・ええ。覚えていたくはないのですがしっかりと
覚えています。で、何のようです?」
俺何かしたか?そう言いたかったがぐっとこらえる。
名前を教えて貰わなくては意味がないからな。
「そう嫌そうな顔をするな。まず俺の名前はリアム。
お前の名前を教えてくれ。」
「嫌です。何で身元も解らない人に名前を教えなく
てはならないのですか?」
即答だ・・・。そして正論だ。
しかし俺の身元を言っては面倒な事になるからな。
「そうつんけんするな。俺の身元に関しては
大丈夫だ。俺が言うのもなんだがな。さぁ教えて
くれないか。」
すると渋々といった風に教えてくれた。
大方しつこいとでも思っているのだろう。
「・・・サラよ」
「そうか。サラと言うんだな。・・・さてもう日が暮れる
そろそろ失礼しよう。サラ、また会おう。」
そう俺が言うとサラはほっとしたようだ。
そして俺は背を向けて歩き出した。
・・・俺はもう少し話したかったのに。
サラの後ろから今見たくないものナンバー1の
グレイがやって来た。
きのうせいかオーラがどす黒い。
恐ろしい恐ろしい。
グレイには怒りのあまり家を一つ壊した。という
伝説がある。
あまり逆らうのは得策じゃない。
しかし今日は逃げさせてもらう。
まだしたいことがあるからな。
そして俺はグレイを怒らせたままあと一日
下町をうろつく事になる。
あと1話リアムの編を投稿します。




