FID - 7 「寄生帽子」
[03.21.2016]寄生帽子に関する説明用紙
俺はこの危険な...いや、恐らく危険であろうものを入手してしまった。
それがこの帽子だ。
見た所何の変哲もない帽子だが何が異常なのかはこれを被ってみればわかる。
いや、被った本人は何も分からないわけだが。
昨日俺の友人がこれを被った時は警察沙汰になったんだ。
と、いうのもあいつがこれを被った途端あいつの頭がみるみる膨らんでいって...。
(紙はここで破られている)
警察の調査書類(04.02.2016)
我々が当帽子を調査した結果、あらゆる点で不条理な現象が発生している事に気がついた。
まずはこの帽子の内側に着目した所、約2mm~5mmの昆虫のような足が浮き沈みしているように見える。
内部に虫が生息しているのかと思い切開しようとしたが不可能だった。
次に、これを使用者が着用した場合だ。
着用後30秒で頭部が膨れ上がり、耳から毛のような異常物体が伸び始める。
着用後50秒で奇声をあげ、泥酔状態に近い動作を開始する。
着用後64秒で北西へ向かって進行を開始する。
これについては恐らく理由があるのだろうが、着用者の進行方向に何が存在するのかは不明。
この進行の阻害となる物及び邪魔となった人間は何らかの力によってその場で破裂する。
着用後80秒で耳から伸び始めた異常物体が頭部全体を包み込み、この際眼球、毛根が没落する。
力による抑止は不能。
着用後120秒でそれは身体全体を包み込み、触手のような物体が生え始める。
この触手は非常に攻撃的でこれにより27名が負傷し、34名が死亡した。
尚、物理的な被害は一切被らない。
着用後160秒で周囲の物を触手が覆い始め、もしこれに人間が覆われた場合その人間もまた同様に寄生されるようだ。
鉄、水、鉛はこれの被害を受けないようだ。
着用後980秒でこの侵食は一度収まり、触手はその場で切り落とされる。
切り落とされた触手に触れた物は即座に寄生され、同様に進行を開始する。
その後対象は火に弱い事が判明し、火炎放射器にて対処された。
切り落とされた触手も同様に対処された。
しかし帽子自体はどんな被害も被らないため、対処は不可能。
厳重な警備の元、大型金庫内に隔離した。