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プロローグ・1

 不定期連載になるかもしれません(汗)

コメくれたら嬉しいです。

挿絵(By みてみん)


 東京都の町外れにある有名私立高校。名は 精霊学院高校。

その高校に所属する学生が変死する事件が頻繁に起こり、問題になっていた。その変死事件は必ず無傷のまま眠るような綺麗な死体か見るも無残な死体の二つに分かれており、なおさら謎が深まるばかりだった。

 死者の数が60人まで登ろうとした時、死体発見が校舎内であることが多いため校舎にテロリスト潜伏の可能性があるとみた警視庁は政府に学校閉鎖を提案。

内閣と議論を交わした末、精霊学院高校はしばらく学校閉鎖になり、一般人の立ち入りが禁止された。



 MP‐5Fサブマシンガンを武器に、青黒いアサルトスーツ、TACーV1タクティカルスーツを着用した集団が黒く染められた空の下、テロリストが潜伏している可能性があるとされる校舎に向かった。

 彼らは警視庁 特殊急襲部隊、通称SATである。


「こちら制圧一班。玄関制圧、今のところ敵なし。」


 隊長のハンドサインで、隊員が二手(隊長含む3人をアルファ、2人をベータ)に分かれ一階に敵がいないか確認し、制圧していく。


「こちらアルファ。異常なし、移動物すら確認されない。」


『こちらベータ。・・・!移動物あり。』


「テロリストか!?」


『!!!テロリストじゃない!』


「どうした、民間人か?」


『違う、違います。これは・・・』


「じゃあ・・・一体」


『コンタクト!攻撃あり!応戦します』


 パタタタ・・・パタタ・・・

ベータの無線が切れたとたん、向こうの方から銃撃が聞こえた。


 来い。隊長が二人をハンドサインで呼び、ベータチームのもとに向かった時


『う・・・が・・・た・・・いちょう、敵は・・・テロリストでは・・・ありません』


 無線から絞ったような声で何かを伝えようとしていた。


「松岡!今いく、持ちこたえられるか?」


『やめて・・・ください。敵は・・・化け物・・・です。』


 無線が途絶えた。

松岡(隊員)はアルファチームの救援を拒んだが、隊長は聞かずに二人の部下を連れて行こうとした。


「本部、救援を要請する!」


『ガーー・・・』


 な・・・通じないっ


 隊長はもう一度連絡を取ろうとトランシーバーに手をやった瞬間


ゴリ・・・ゴキ!


 女性のような姿をした魔物(?)があらわれ、隊長の首を折った。


「あ・・・隊長!」


 パタタタタタタタタタタタ・・・


 ひとりの隊員が反撃を試みるが魔物にあっけなく胸を貫かれ、殺されてしまった。

魔物はさっきと同じ手法でもう一人の隊員を殺そうとするが、なんとかかわすことに成功。

魔物がひるんだ隙をついて回り込み、隊員は魔物の首を思いっきり曲げた。


「・・・」


 しかし


 ガッ


 なんと魔物は首が曲がったまま手を伸ばし、隊員の首を掴んだ。このまま締め付ける。


「ひゅー・・・ひゅー・・・きざま・・・ながながやるようだが、がんだんには・・・わだじをごろせん・・・」


 喉が曲がっているせいなのか、詰まっているようなうめき声をだす。

まずい・・・意識が

 だんだん薄れていく意識、もうだめかと諦めかけた時。


ひゅん・・・


 突然魔物に札が張り付く。


「が・・・」


 魔物は苦しそうに悲鳴を上げ、隊員を話す。


・・・!今だ。


 苦しんでいる魔物に向け、MP-5Fサブマシンガンを撃つ。

三、四発ほど魔物の体に命中させた、射殺・・・したと思う。

 確認しようとSAT隊員は魔物に近寄る、銃口を頭に突きつけ、腹に足を当てて揺する。

当然反応なし。しかし、魔物は次第に人間の形になり、最終的には16歳前後の少女になった。


「どういうことだ・・・」


 SAT隊員は少女の脈に手を当てる。

その瞬間からいきなり肩が重くなった、最初は緊張から解き放たれたために、ぐっときた疲労感かと思った。

 その時


「ああっ!触・・・ちゃったんですか?」


 後ろから少女の声がしたので、思わず振り返る。

なんと巫女服を着た少女が立っていた。


「何物だ!」


 SAT隊員はフラッシュライト装着 H&K USP(拳銃)を構え


「ここは進入禁止だ。第一、ここには機動隊や警官が封鎖しているはずだろう、どうやって入ってきた!?」


 巫女に問う。


「残念ですけど、警察はあなたたちがここに来る頃にこの町から撤退しています。

人に憑依して強力な力を得る魔物には、さすがの警察もかないませんから。

おそらく今ならだれでも入れます。」


 巫女は辺りを見回しながら答えた。


なん・・・だと?


 さすがのSAT隊員も動揺した。

しかしよく考えてみれば、さっき本部と連絡が取れなくなっていた。


「とりあえず安全な場所に逃げようか?」


 少しばかり落ち着いたSAT隊員は、誰でも入れるとなると玄関近くは危険だ。


「そうですね、私たち3人でここで固まっているワケにも行きませんし。」


「3人?」


「うらめしやー」


「!!」


「あっはっはっはっ!驚いてるー」


 だれだ!?気配すら感じなかった。

顔は目の前で倒れている少女そのものだった。


「言い忘れていましたけど、この事件最大の原因は邪霊にあります。

それに取りつかれると体は魔物というものに変化させられ、心も乗っ取られるんです。

で、私の護符を使わずに倒してしまうとその邪霊に取り付かれますよ。」


「な!」


 SAT隊員は巫女が邪霊と言っていた少女に、USP拳銃を向けた。


「無駄だよーん。そんなものじゃ私を殺せないね。」


 少女はからかう。

巫女は闘争心丸出しのSAT隊員に


「でも精神力が強いと、邪霊は寄主に浄化されます。なのでこの子には害はありません。

むしろ守護霊になってくれるので、守ってくれますよ。安心してください。」


 こんなやつ・・・がか?


 いかにも何かやらかしそうな彼女を見て、なおさら安心できなくなった。

わかる。もうなんかしでかしそうだと、ものすごい怪しいオーラをプンプン放っている。


「でも守護神なので、一生離れませんよ。そこは注意してください。」


 おいおいマジかよ・・・

おれが死ぬまで一緒ってことか?


「ところであの魔物に札付けられていたけど、あれは護符じゃないのか」


 近くに落ちている札を見たSAT隊員は、拾って巫女に聞いてみる


「あっごめんなさい・・・これはただ一時的に魔物の動きを封じるだけで、護符じゃないんです。」


「そうか・・・」


「なによ!そんなに私が嫌いなわけ!?」


 挙句の果てに、守護霊が切れ出す。


 ますます混乱の一途をたどるSAT隊員、とりあえず気を紛らわそうと二人に名前を聞いた。

正直これ以上戸惑っても仕方がない、早く二人から名前でも聞いて安全なところを探そう。


「・・・え?名前、ですか。」


 巫女はしばらく考えたような顔をして


「秋園真希です。」


 秋園と名乗った。

秋園といえば、この町にある秋園神社を思い出す。この巫女はあそこから来ているのか・・・


「望月・・・と呼んでね。」


 一方守護神は苗字しか名乗らなかった、下の名前は”忘れた”らしい。

ま、苗字だけでも分かればいいか。


「あなたの名前は?」


 やっぱり聞かれたか。


「ふははははは見つけたぞォォォォ!巫女おおおおおお」


 その時、よくありがちな声やセリフと共に、ドラ●エとかに出てきそうな魔物が出現した。

 でもってこいつを射殺すると、俺にとり憑くってわけか。また変なのが増えそうだ。

SAT隊員はMP-5Fを再び出した。


「待ってください、ここは護符を使います!あんなのに取り付かれたら一瞬で魔物化しますからね。」


 おっと、危ない危ない。撃つとこだった。


 巫女は護符を出し、相手の魔物に付ける。


「よし、これでひと安心・・・」


すっ


 SAT隊員はあの魔物を射殺できると分かるなり、巫女である秋園の間をするりと抜け、射撃する。

本来ならスタングレネード使うところだが、警察はこの街にいない訳だからいつ救援が来るのかわからない、だから今は節約することにした。

 SAT隊員は確実に急所を当て、魔物を小銃弾3発で仕留めた。


 二人が感銘している暇もなく


「急ぐぞ、いつまた変なものが来るかわからん。」


「どこに?」


 守護神の望月はSAT隊員に聞く。


「探すに決まっているだろう!ここでずっと固まっているよりはましだ、行くぞ」


「はいっ」


 SAT隊員は二人の少女をつれ、二階に上がった。

階段の踊り場に出ると


「待て!」


 声からしてまた女性だ。


「貴様ら、何物だ!ここにいてはならん、さっさと立ち去れ。」


 今度の女性は学生服に刀、喋り方からして少しめんどくさそうだ。

だが、刀を所持している時点で立派な犯罪だ。こいつは逮捕しないと


「警察だ。むしろ、ここにいてはいけないのはあんたなのだが。」


「警察がなんのようだ?」


 SAT隊員はとりあえず警察手帳を出す。と言っても中は見せない、なぜなら身分が明らかになってしまうからだ(SAT隊員は民間人に身分を明かしてはいけない)

 しかし彼女は納得するだろうか、見せたのはチョコレート色をした外皮だけだが。


「ふっ何を言っておる・・・」


 刀を持った女性は軽く笑うと


「貴様、分かるぞ。それは偽物だな」


「え?」


 二人は驚いた顔をする。


「本物の警察手帳は真っ黒だ!出直してこい、そんなものでごまかせるとでも思ったか!!」


 女性は言い終えると、決まったとばかりにこっちを見る。

SAT隊員は下を向くと


「ふ・・・ふふふふ・・・」


 バラクラバ(目出し帽)の中から笑いの声が漏れた。


「なんだ、そういうことか」


 SAT隊員は笑いながら、女性に近づいた。


「お前こそ出直してこい。本物警察手帳はな、濃い焦茶色なんだ。」


「な・・・なんだと!?嘘を付け・・・」


「映画では警察手帳はなぜか黒いんだが、本物は違うんだな」


 SAT隊員はそう言うと、女性に手錠を出した。


「何をするっ!?」


「銃刀法違反。あんたの持っている刀は本物だろう?

てことで現行犯逮捕だ。」


「くっ離せ!」


 ひゅん・・・


 SAT隊員が手錠をかけようとした時、矢が飛んできた。


「また敵か!?」


 今度は弓矢を構えた魔物。

SAT隊員は反射的にMP-5Fを構え、ダットサイトに目を覗かせた。

赤い点を魔物の頭に合わせる。

 魔物という割には隙が多い、(想定していた)テロリストよりは楽だな。


「護符はまだか!?」


 真希は


「ふええええ・・・取れないですう!!」


 こんな時に!


「仕方ない、エセ警官よ私がこいつを始末しよう。

私の封魔刀で・・・」


 あっという間に魔物を斬ってしまった。


「・・・」


 SAT隊員はすぐに、斬られた魔物のもとに向かった。

銃口を魔物の頭の向ける、望月はSAT隊員がMP-5Fの引き金に手をやっているのが見えたのか


「やめときな。例え死んでいても、今撃てばあんたは乗っ取られるぞ。」


 と警告した。

SAT隊員は銃を下ろすと


「とにかくどこかに逃げ込もう。どこも危険なのは変わりないが、陣地を作るだけでも危険度はぐんと下がる。」

 

 と言った。


 おそらく救援が来るのは早く見積もって一週間以上、これから長い戦いになりそうだ。

まず俺たちが持つか・・・だな。



「待て、エセ警官。」


 刀を持った少女は、SAT隊員に


「・・・なんだ。エセではない、本物の警官だが。」


「自己紹介だけはしておく、早乙女 しゅうだ。」


 自己紹介した。


「今回は独断で自衛用に所持することを許すが、保護されたら武装解除しろよ」


 そう言うと、SAT隊員はまず最初に、立てこもれるようなところを探すことが必要だと思った。

本当は早く脱出したいが、外まで囲まれているとなると、そりゃあ無理だな。

とにかく今、俺らに求められていることは、生き延びることただ一つ。・・・ではないだろうか。

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