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ある、月のキレイな満月の夜。
銀髪の少年が千年樹の頂点で。
紫と赤の美しいオッドアイをキョロキョロと動かしながら。
「――っ。人間界――こんな所なのかぁ…」
興味深そうに、妖しく笑った。
家出してきた甲斐があった、と呟きながら。
―★―☆―★―☆―★―
――ストンっ。
軽やかに着地する少年。
てっぺんから飛び降りたというのに、傷一つついていない。
私たちの住む世界で、滅多に見られないオッドアイ。
その上、飛び降りても可憐に着地する――。
――彼は、人外なのだろうか――?
太陽が昇りはじめた頃、少年はまだ薄暗い商店街の方へと歩き出した。
―★―☆―★―☆―★―
「若様ーっ」
淡い水色の長髪をポニーテールに結い上げた少女が純白の着物をやや引きずりながら、
『若様』とやらを探し歩いている。
が、だだっ広い屋敷の中。
そう簡単に見つかるはずも無く……。
「全く……若様はどこへ……?」
はぅっ。
と小さくため息をもらした時。
「あれは……」
彼女の瞳に映ったのは、黒いマフラーを巻いた茶髪の青年。
「首無しィ!」
少女が叫び、『首無し』と呼ばれた彼が振り向いた。
「雪女、どうしt……」
「若様!若様知らない?」
『首無し』こと彼が発した言葉は言い終えることなく、
『雪女』こと彼女の言葉によって遮られた。
「若……?俺も探していた所……」




