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第8話:カードゲーマーカップルの日常

 パックを1つ選び、封を開ける。

 今回のパックはスーパーレアが5パックに1枚、ウルトラレアが10パックに1枚、それ以上のレアリティのカードはもっと低確率だったな。

 


「じゃあいきますね。1枚目はー、コレです」



 当然のようにノーマルカードなんだが、先ほどに引き続きカードを挟んで2人の距離が近くなる。

 ももたさんは俺のカードでも説明文をしっかり見てるから、けっこう勉強熱心なんだろう。

 しばらくはこの幸せな時間が続くことが確定した。







「なんか私も雨霧あまぎりさんも全然レアカード出ませんね」



 ももたさんが笑いながら、少し楽しそうに言った。


 2人で8パックも開けたのに、スーパーレア以上のカードが1枚も出ていない。確率的にはまぁあることなんだが、ちょっと良くない状態だ。

 ももたさんの2パック目以降色んな方法のカードの出し方をしていたので個人的にはめちゃくちゃ楽しめていたが、レアカードがお互い1枚も出ないのはさすがに寂しい。

 ももたさんが笑っていることが救いだな。



「最後ぐらいは良いやつ引きたいですよね。

最後のパックはお互い同時にカードを出していきましょうか? この方法はまだやっていないですもんね」



「いいですよー。 どっちが先にレアカード引けるか勝負ですね」



 俺の提案に対して、ももたさんは楽しそうのってくれた。

 可愛いのに性格も良いって反則だよな……。



「準備はいいですか? じゃあいきますよ! せーの!」



 ももたさんの合図と同時に1枚目のカードをお互いテーブルに出す。

 相変わらずお互いノーマルカードだ。しかも5パック目ともなると、これまでに出たカードも出るようになっている。


 2枚目、3枚目、4枚目と進んだが相変わらずノーマルカードばかりだった。



「ラスト1枚になっちゃいましたね。最後のカードがよりレアな方が勝ちですね」



 楽しそうにももたさんは言うが、勝ったらどうするとかの話は全然していない。

 でも逆にそれが良い。

 むしろここまで楽しませてもらっている俺は、はたから見たら十分勝者だと思う。



「じゃあ最後いきましょうか。せーの!」


「「おー!」」



 ももたさんの合図でお互い最後のカードを出した後、初めて声がシンクロした。



「ウルトラレアが出ましたね! しかも2人とも同じカードじゃないですか!」


「2人一緒には、なかなかヤバいですね」



 違うお店でカードを買ってるから確率的に無いことはないが、普通起きないぞ。



「イェーイ!」



 2人でテンションが上がっていると、ももたさんが両手を上げていたのでハイタッチした。


 ……ここまでやって騒ぎ過ぎたことに気づいた。けっこうみんなこっち見てる。

 2人で周囲に頭を下げ、ゆっくりと椅子に座った。



「はしゃぎすぎましたね」



 恥ずかしそうに小声で話すももたさんは、この瞬間日本で一番可愛いんだろうなと思った。



 周囲の視線も無くなったので、通常の声のボリュームに戻して話しだした。



「いやー、同時にウルトラレアでしかも同じカード引くなんてなかなか無いですよ。

しかもこのカード良いなーって、俺買う前から思ってたんですよ」


「そうなんですね!

このカードの使い方教えてもらってもいいですか?」


 説明文を読みながら、自分が思った使い方の例をももたさんに教えてあげた。



「へー、そんな感じの使い方できるカードなんですね。上手く使えたら確かに強そう。

私も関連する他のカード手に入れたら使ってみようかなー。

あ、そういえばお互い同じカードを引いたから、勝負はドロー(引き分け)でしたね」



 先ほど引いたウルトラレアのカードを顔の前に持った状態で、ももたさんがちょっと残念そうに言う。

 このカードゲームをやるぐらいだから、勝負事はけっこう好きなんだろうな。



 カードパックも全て開け終わったので、各々《おのおの》自分のデッキ(対戦に使うカードの束)を広げながら新しく入手したカードを入れるかどうかを話すことにした。

 カードをちょっと入れ替えるだけで戦略がけっこう変わってくることもある。

 お互いに意見を出し合いながらカードの構成を考えるのは、カードゲーマーにとって対戦と同じぐらい楽しい時間だ。

 カードを色々と変えながら、そのパターンでの強みと弱みを2人で話していった。








 今日は本当に良い一日だった。

 家に着いてもまだ幸福感に包まれている感じがする。


 振り返って考えてみると、今日やったことはカードゲーマーカップルの日常って感じだったな。

 あんな可愛い子とまさかこんな体験するとは思わなかった。

 刺激的な部分もけっこうあった。あの時は他の事で頭がいっぱいだったけど、ハイタッチもしたんだよなー。


 思い出すたびにももたさんの可愛い姿が脳裏に浮かび上がってくる。

 ……よし。記憶が新しいうちに"100点"で生成しておこう。

 


 パソコンを触ろうとしたが、まずはGlastagramのチェックをやることにした。

 予想通りももたさんのアイコンの周りが赤くなっていた。消える投稿をしたらしい。



【ドキドキだったよ】


 その文章と一緒に今日当てたウルトラレアのカードが写っていた。

 確かにあの流れはなかなか神がかっていたよな。


 投稿は1つだけだったようで数秒後には自分のホーム画面に戻ったんだが、何かおかしい。

 


 ももたさんのアイコンの周りが、緑色になってる……?



読んでいただきありがとうございます。

ブックマーク、評価、感想をいただけると作者はとても喜びますので、ぜひぜひお願いいたします。


よかったら過去作も読んでください。

現実世界〔恋愛〕ジャンルです。

下の方にリンク貼ってます。よろしくお願いします。

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