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第7話:激アツイベント

 メッセージが来るなんて初日以来だな。

 どんな内容なのか全く想像がつかないからドキドキする。

 


〔こんばんは。最近新しい種類のカードパック出たじゃないですか?

雨霧あまぎりさんは買う予定あります? どうしようかちょっと悩んでて〕

 


 意を決してメッセージを開いてみたら、喜んでいいのか悩む内容だった。


 まぁ確かに新しいシリーズ出たら買うか迷うときあるもんな。

 確認のためにネットで今回のシリーズのカードを見ながら、ももたさんが使っているカードを思い出す。



〔こんばんは。新しく出たアレですね。

いっぱいは買わないですけど、何パックかは買ってみようかなーと考えてます。

めちゃくちゃ良いヤツがあるって感じでは無いですもんね〕



 オススメしたら買っちゃう気がしたので、あえてこれぐらいの返事にした。

 今回は本音しか入ってない。こういうのも混ぜて話していくことが大事だ。



〔やっぱりそんな印象ですよね、今回の分。

でも雨霧あまぎりさんが買うなら、私もちょっと買ってみようかなと思えてきました。

今週末はまたデュエルスペース(カード対戦スペース)行かれますか?〕



〔一応行こうかなーと思ってました〕



 一緒に行きましょうとは言えないヘタレです、はい。

 あそこ行く理由の9割5分はももたさんになっちゃったので、一応と言うかももたさんが行くなら絶対行くのに。


 勇気が出せなかったことでちょっと凹んでしまった。

 テンションを上げるために“100点“の画像フォルダを眺めてたら、通知が来た。



〔それだったらお互いパックを開けずに持ってきて、あそこで一緒に開封しませんか?〕




 ……激アツイベントのお誘いが来た。








 待ちに待った週末がやっときた。

 カードパックはお互い事前に5パック買った上で集まることにしたので、昨日ゲットして準備ができている。


 集合時間の少し前にデュエルスペースに到着すると、ももたさんはもう着いていた。対戦用の机ではなく、フリースペースとして置いてある机の奥の方に座っている。


 なんかあそこだけ光ってる気がするな……。


 ももたさんも俺に気づいたようなので、小走りで近づき対面に座った。

 対戦以外でこんな可愛い子の対面に座る日が来るとは。



 「待ってましたよー雨霧(あまぎり)さん、楽しみですね! ちゃんと5パック準備できました?」



 可愛い声で名前を呼ばれてクラクラしてきた、相変わらず攻撃力が高い。

 苗字でこれだけの威力いりょくだ。下の名前で呼ばれた日には倒れてしまうんじゃなかろうか。



 「持ってきましたよ。ももたさんも持ってきましたか?」


 「ばっちり持って来ましたよ。ジャジャーン」



 効果音付きは可愛すぎてヤバいって……。



 「どんな感じで開けていきましょうか? 雨霧あまぎりさんはいつもどんな感じで開けてますか?」


 「んー、裏面が見えている状態でカードを取り出して一枚一枚めくりながら確認していくか、表向きで重ねた状態でちょっとだけずらしてレアリティの確認だけするかの2パターンが多いですね」


 「レア度高いカードはキラキラしてるからちょっとずらすだけでわかりますもんね。私はそのやり方やったことないんですけど、ソシャゲのガチャの確定演出みたいで楽しそうですね。でもまずは一枚一枚めくっていく方からやりましょうか? 私が先でもいいですか?」



 ももたさんめちゃくちゃ楽しそうだな。

 楽しそうにしてる女の子ってなんで普段の何倍も可愛いんだろう。


 もうやめてももたさん。とっくに俺のライフは0よ。



 「じゃあ一枚目いきますねー、はい! レアでは無いですね。 これはどんなカードなんでしょうね」


 カードの説明を見ようとももたさんが身を乗りだす。

 俺も説明が見たくて身を乗りだす。


 甘い香りがして目線だけを上げると、信じられないぐらい二人の距離が近くなっていた。

 この距離はヤバい……。



 離れた方が良いんだろうか。でもこんなチャンス滅多めったに無いぞ。

 びっくりさせるかもしれないし、嫌われるかもしれないぞ。でもももたさんは説明見るのに夢中で気づいてないな。



 俺の中の天使と悪魔が戦った結果、瞬殺しゅんさつで悪魔が勝利した。

 二人の距離を保ったまま、目線だけをまたカードに移した。



 「んー、ちょっと使いこなすのが難しそうなカードみたいですね。

じゃあ続いて2枚目いきます!」



 カードの説明を読み終わったももたさんは元の体勢に戻ってしまったが、またすぐに次のカードにいくようだ。


 ……今後ずっと説明文が長いカードばかり出ることを強く祈った。







「はい、これで私の分の1パック目は終わりです。レア度が高いカードは出ませんでしたねー、残念。でもまだ4つ残ってますもんね。

じゃあ次は雨霧あまぎりさんの番です!」




 幸せな時間が続いていったが、一区切りのタイミングが来てしまった。

 本当に説明文が長いカードばかり出たのはありがたかったが、それでもこの時間はいつまでも長く続いて欲しかった。


 でも大丈夫だ、二人合わせてまだ9パックもある。

 

 残念な気持ちを切り替え、自分のカードパックを準備した。



「じゃあ、俺の方も1パック目行きますね。今日は良いことがあったので、レア度が高いカードを引ける気がします」



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