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第8話【事情聴取で絶叫す】

火事から数日後、俺とアイスは警察署に呼ばれていた。火災の原因究明のため、事情聴取を受けるらしい。

「ふう……」

落雷が原因なので、ある程度形式的なものだろう。そう自分に言い聞かせながら、俺は少し緊張していた。

事情聴取の担当は、二人組の婦警さんだった。一人はベテランらしき貫禄のある女性、もう一人は顔に緊張を張り付かせた新人だ。

「本日はよろしくお願いします」

俺が頭を下げると、ベテラン婦警さんが柔和な笑みを浮かべてくれた。

「まあちょっとお話を伺うだけなので、リラックスしてください」

その言葉に少し安堵した、次の瞬間。

「まずはお名前を」

「はい、青斗です。こっちは妹の……」

「初めまして! 元AVのアイスでーす!」

俺の横で、アイスが満面の笑みを浮かべて自己紹介をした。

またこのパターンか。

俺は頭を抱えた。だが、今回は相手が警察官だ。ショッピングモールの時とはワケが違う。

その直後だった。ベテラン婦警さんが、顔色一つ変えずに無線を手に取る。

「こちら花子、至急応援を要請します。ええ、事件性がありそうなので……」

「ちょ、ちょっと婦警さん!?」

俺は慌てて無線を取り上げようとするが、それは叶わない。隣に座る新米婦警さんは、顔を真っ赤にして「ひえっ」「あわわ」と声を上げて震えている。

「これは違くて、俺の話を聴いてください!」

何とか応援を呼ぶのは勘弁してもらい、俺は必死に事情を説明し始めた。

「それで、突然雷がなって停電したんです。その後火事になって……」

ベテラン婦警さんは、無表情で頷きながらメモを取っている。どうやら俺の話には耳を傾けてくれるらしい。

「その時、妹さんは何をしていたんですか?」

「わたしはその時はまだAVだったので、お兄ちゃんに性格を決めてもらってるところでしたー!」

俺は必死でアイスの口を塞ぐ。

「ちょっと黙ろうか!?」

隣を見ると、ベテラン婦警さんが再び無線を手に取りかけていた。

どうにかこの場を切り抜けなければ。警察にこの自己紹介は、シャレになっていなかった。

こんな感じで、俺とアイスの事情聴取は、とんでもなく大変なものになってしまったのだった。


続く

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