表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/37

第4話【迷命名】

「なぁ、お前、名前はないのか?」

俺がそう尋ねると、彼女はきょとんとして首をかしげた。

「名前?」

「えっと、人間の個体識別コードみたいなものだ」

父の影響か、俺の発言はいつの間にか科学者寄りになってしまう。

「『IMOUTO』だよ」

彼女がそう答えた瞬間、俺は「だめだこりゃ」と頭を抱えた。このまま「IMOUTO」と呼ばせるわけにはいかない。よし、ここは俺が可愛い名前をつけてあげよう。

「んー……『アイ』なんてどうだろう?」

俺が提案すると、彼女は「アイ?」とつぶやいた。しかし、俺の脳裏には(こんにちは、元AVのアイでーす)と自己紹介する彼女の姿が浮かび、即座に却下した。いや、それはダメだ。

そうだ。

「アイス、だ。今日からお前の名前はアイスだ」

「アイス?」

彼女は不思議そうに、だが嬉しそうに繰り返した。

「うん。アイス。冷たくて甘い、みんなに愛されるアイスだ」

俺は半ば強引に、そう彼女に言い聞かせた。

「わかった、お兄ちゃんの妹、元AVのアイスですっ」

彼女は満面の笑みでそう名乗った。

「よしっ!」

俺は心の中でガッツポーズをした。

元AVが「アイ」では、別の意味で捉えられてしまう可能性大だ。しかし、「元AVのアイス」なら、アイスのインパクトが強くて元AVという言葉がかすむだろう。

ほんの少しでも、あの強烈なインパクトを薄めることができた、はずだよな……。

俺は自分に言い聞かせるように、彼女の元気な声が響く部屋で、深いため息をつくのだった。


続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ