第33話【姉妹の衝突】
あれから数日経ったが、キャンディは現れない。
「くそぅ、こっちが構えてる時はやって来ないのかよ。いつもは何もしなくても来るのに!」
「でもお兄ちゃん、キャンディは家に来たことはなかったよ」
「そういえばそうだったな。いつも外出先だったな。外では準備もあまり出来ないが、仕方ない。外でキャンディが現れるのを待とう」
こうして俺たちは、特に当てもなく出かけることにした。とりあえず、見通しのいい広場で、あまり人がいないところで待つか……と、外出先で待つこと数日。やっぱりキャンディは現れない。
そこで、散歩中と思われるおばあちゃんが通りかかった。毎日この時間に散歩しているようだ。特に何もしていない俺たちに疑問を持ったのか、話しかけてきた。
「あんた達、毎日ここで何してるんだい?特に何もしてないようだが」
「俺たちはちょっと人を探してて」
「そうかい。それなら私らで手伝えることがあったら言っておくれよ。私はトヨミってんだ」
「俺は青斗です」
「わたしは元AV嬢のアイスです!」
「はぁ、元エーブイ?」
そういえば、この自己紹介、久々に聞いたな。あんまり人と関わってなかったからな。まあ、おばあさんはよくわかってないみたいだし、大丈夫か。
その時だった。
「青斗ぉー!見つけたー!」
大きな叫び声と共に、空からキャンディが降ってきた。
(そういえば、毎回キャンディが現れるのは、アイスの自己紹介の後だったか?気のせいか?)
「青斗!今日こそあなたを昇天させる!そして、アイスはいただくわ!」
「そうはさせない!お兄ちゃんはわたしが守る!」
「やっぱりそう来るのね。力ずくでもアイスは連れて帰るわ!」
「キャンディ!俺たちは戦うつもりはない。話し合いで解決しないか?」
「そんなものは必要ない!わたしはユウリに言われたように、青斗からアイスを奪い返す!」
「ユウリ?それが失踪した研究員か?ちゃんと話してくれ、キャンディ!」
「問答無用!」
そう言ってキャンディは俺に向かってくる。アイスが間に入り、交戦状態となった。
「おばあちゃん、目的の人物は見つかったので、避難してください!」
「はぁ、最近の若い子は活発なんだねえ」
これで被害に遭う人はいない。頼むぞアイス、キャンディを止めてくれ。
激しい拳と拳のぶつかり合い。でも、アイスは相手を傷つけまいと気を使っている。いつもはアイスが優勢だったが、今日は五分五分のようだ。
(まさか……キャンディも、アイスを傷つけないように戦っていたのか?)
それなら今までの力の差にも納得がいく。やっぱりキャンディは、ただの悪い子というわけじゃない。
しかし、この二人の戦いを、俺がどうにかして止めることはできるのだろうか?
続く




