表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/37

第23話【計算された奇跡の弾道】

「おおぉぉぉ!」「スズネちゃんかわいい!」


「みんなー、応援よろしくねー!」


ビキニ姿になったスズネに、ギャラリーの注目が一気に集まる。この番組一の見せ場といったところか。番組のためにも、たとえ勝負に負けても、ミミカのパーカーも剥いでやらないとな。


とはいえ、さっきのような奇抜な作戦はもう使えないだろう。操縦士狙いも、相手は強く警戒しているはずだ。俺は考えがまとまらないまま、アイスに牽制だけは続けさせていた。もちろんそう簡単に当たるわけもない、相手も牽制射撃をしてくる。このままでは、後ろから狙っているスズネの一撃が当たる可能性の方が高い。


仕方ない、やや正確性に欠けるが、アイスの能力を信じよう。


「アイス、次の直線に入ったら、真上に数発ペイント弾を撃ってから、牽制弾を撃ってくれ」


「う、うん、わかった」


弾の初速、空気抵抗、空中での弾の滞在時間を考慮して、約十秒後に弾は落下するはずだ。浮き輪の速度を考えると、真っ直ぐ走れば約十四メートル。相手はこちらの約四メートル後ろを走っている、ということは……。


「アイス、撃ち込む時は垂直じゃなく、前方の1.17度傾けた88.83度の方向へ撃ってくれ」


「え、それって……」


「しー」


俺は人差し指で内緒の合図をした。


「任せて、お兄ちゃん」


よし。次のカーブを曲がったところで勝負をかける。


アイスは上空に数発撃ち上げると、すぐにスズネに向かって叫んだ。


「スズネちゃん!有利な後ろをとってるのに、まだ当てられないのー?」


「なっ、言ってくれるじゃない!」


いいぞ、アイス。上空への射撃を挑発でうまく隠したな。


「すぐに、当ててやるんだから!」


スズネがペイント弾を構えた、その時。


「きた」


上空からスズネをペイント弾が襲う。そのうちの一つがスズネの肩にヒット。


「いったー!」


「よっしゃー!」「やったね、お兄ちゃん!」


(まあ、普通の人間が88.83度の角度で撃てって言っても絶対無理なんだけどな)


ギャラリーも、たまたま上に撃ったペイント弾が命中したと思うだけだろう。


「やってくれたわねー!」


スズネは悔しさに顔を歪ませる。


「スズちゃん、後は任せて!」


最後のミミカがパーカーを勢いよく脱ぎ捨てて叫ぶ。


「さあ、決着をつけましょう!」


これで、お互いライフは残り一つずつ。射撃士はミミカとアイスだ。


やっと、追いついたぞ。


続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ