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盲目ギャルとラブコメは反比例  作者: 彼方夢


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7/9

差別試行

 昼時。ファーストフード店で俺たちは食事をしていた。

 というか、休日のバーガーチェーンを舐めていた。ここまで人がいるのか。右を見ても左を見ても家族連ればっかりだぞ。

 慣れた手つきで歩美がポテトを食べている。

 目が見えないのにどうやって食事を食べているのだろう。

 そんな疑問を抱いたことを恥じて、かぶりを振った。

 なに考えてるんだ。俺。


 こんな思考、差別じゃないのか。


*****


 帰りの電車の中で歩美は眠っていた。

 俺の肩に頭を乗せて。少しのいびきを立てている。

 美しいナターシャの様を思い出せた。

 腹の中心からふつふつと沸き上がる感情に。これが性欲だと認識してしまったことに、言い表せない醜態を感じる。

 俺の手で彼女に欲の行使をしたい、という渇望に。

 なんでこんなにも。なんでこんな感情を抱いてしまうのだろうか。

 彼女は純潔なのに。ここまで俺色にこの子を染めることになんの意味があるのか。


 それが恋慕なのか?


◇◆◇◆


 電車から降りて白杖を突きながらカツーン、カツーンと歩き去っていく彼女。その背を眺めながら俺は思う。

 彼女は、彼女の幸せとはなんだろうか。歩美にとっての幸せ。

 普通なら目も見えて、友達や家族の笑っている姿を知れるものなのに。そういった情報が遮断されて。

 もう一度思う。なにが幸せなのだろうか。

 アニメの副音声で喜んで。自分のことよりも彼氏のことを心配して。


 だからこそ、俺は決意した。

 歩美を裏切るような、悲しませるようなことはしない、と。


◇◆


「ただいま」

 靴を脱いで玄関に上がると仁王立ちの女王様がいた。否、姉貴の友利。

「あんた、恋人できたでしょう」

 形の良い眉を引くつかせながらそんなことを言いのける友利。俺はきっと変な顔をしていることだろう。

「あのさぁ、俺ももう中坊。十四才なんだよ。恋人ぐらい出来るよ」

「普通の恋人なら干渉しない。でもあんたの彼女は――」

「あ?」

 俺は姉を睨んだ。面食らった友利は言い淀みながら。

「駅で見たのよ。白杖を突いて歩いていたあんたの彼女。いい? 辞めときなさい。障がい者の子と付き合うのは簡単じゃない――」


「姉ちゃんになにが解るんだよ!」

 怒号を発したあと、自室に閉じこもった。


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