12
分かる人は分かると思いますが、この小説では偶にブロント語が出現します(’’ノ
「そうだ、お前等に渡した変成器の置換言語は”変われ”だからな、忘れるなよ」
「おう、了解した、二つも貰っちゃって悪いね、感謝してる、わりと」
「わりと・・・・・・って!ちゃんと感謝しろよな!高いんだぞホント!」
「あーウソウソ、ちゃんと感謝してるよ、ありがとうな」
「ありがとうございます!」
「うん、結構」
ニーナは満足そうに頷く。
こいつ・・・扱いやすすぎる。
商売の話をしていたときとはまるで別人の様だ。
アズールと取引の話をしていたときは、なんかオーラ出てたもんな・・・・・・。
「そういえば、サイラに渡した変成器には特性があってね」
「このフライパンにですかっ」
「そう、火がなくてもソコの部分が熱くなる、まぁ火のないところでも料理できるわけだ」
「へー、便利ですねー」
「そうだろう、そうだろう、あとそのフライパンはとても丈夫だから、人とか殴っても平気だぞ」
「殴りませんよぅ」
「あっはっは、そうだよな」
「ところでニーナさんよ」
「なんだコータ」
「これには何かないのか?」
梗汰は自分のはめている銀色の指輪を指差しながら言う。
「ない」
即答かよ・・・・・・ちょっと期待したんだけど、残念だ。
「そっすか・・・・・・」
「しいて言えば普通に丈夫で、刃の部分も柄の部分もかなり頑丈に作られてるから、思い切り叩きつけたりしても刃こぼれとかしないくらいだ」
「おいっ、それ普通にいいじゃん!」
「それだけだぞ?別に面白くもなんともない、普通の頑丈な武器と大して変らん」
「それだけで十分じゃないか」
「あとは、美術品並に刃の形状にこだわっていたり、細かい模様とかが刻まれてるくらいだな。コレは魔法で文字や模様を打ち込んでるから、ちょっとやそっとじゃ消えないようになっている」
「そーなのか」
「・・・・・・金に困っても売るなよ」
梗汰はビクッと体を震わせる。
「・・・・・・!!う、売ったりしねーよ、せっかく貰ったものだしな、大切に使わせてもらうよ」
「だったら噛むなよ。まぁいいだろう、コータは私の変成器を宣伝してもらわないといけないからな。任せたぞ、まぁそんなことも関係なく広まるとは思うがね」
「この国に売るんだっけか」
「向こうの頑張り次第で、だけどね」
こいつ・・・・・・どれだけ高く売りつけるつもりなんだ。
「こういうものは基本戦いの道具として使われるから、優れた武器を必要としている国などに売るのが一番良いんだ、その点この国は丁度良い、現在軍の再編をしているし、なによりデカイ国だからね。それに本当に良いものだと知れ渡れば、個人でもお金を積んで買うだろうしな」
「なるほどね」
つまり戦争をしようとしている国なんかは、良い商売相手ってことか。
相手側に売り渡すぞ!って言って価値を吊り上げたりできるしな。それに最悪、両国に売りつけるのもありって訳か。さすが商売人。
「まぁ、戦時中の国なんかに交渉しに行くには、腕の立つ護衛を雇わなければいけないから結局金は掛かるんだけどね」
まったく、金が掛かって仕方がない、とニーナは付け加えた。
★
そんなこんなで話しながら歩いているうちに、辺りはすっかり暗くなった。
「もう少しで壁が見えると思います」
「壁って・・・・・・お城か?」
「いえ、この国の王都は城壁で囲まれているんですよ、そのため城郭都市とも呼ばれていますね」
「随分と守りを気にしているんだな」
「なにしろこの国の王都、国を治める王の住居、王宮がありますからね」
「なるほどね、一度は見てみたいな」
「コータ君は行くことになるかもしれませんね」
「え、なんで」
「そういうことも在るかも知れません、と言うことです」
「私も行きたいですー」
サイラは自分を指しアピールしながら言う。
「そんときはサイラも連れてってもいいのか?」
「それは上次第ですね」
「残念です」
「まぁ後で一緒に行けばいいだろ」
「それもそうですね」
「見えましたよ、あれがこの国”ルクセビア王国”の王都”ガルダン”です」
「ほー」
知識としては知っていたけどこの目で見てみると・・・・・・でっけーなぁ、こんなに大きいとは思わなかった。
都市の城壁は、その都市を囲むようにして遥か遠くまで広がっている、城壁の終わりがここからだと見えないくらいだ。
「おっきー都市ですねー」
「うむ、ここに来たことは何度かあるが、毎回この堅牢な城壁には驚かされる」
「確かに、これは凄いな」
「王都からは幾つかの出入り口がありますが、それらは全て騎士が昼夜問わず封鎖しています。外から来る者は検閲を受けその審査が通らないと王都には入ることが出来ません。今回は私が居るので皆さんは検閲はありませんけどね」
「それは助かるな、毎回かなりの時間をとられて困るんだ」
「なら国の発行している通行証を買えばいいじゃないですか」
「おまえ・・・・・・通行証の高さを知って言っているのか?確かに欲しいことは欲しいが、あんなに金が掛かるとなると無理だ」
「そうですか」
この国の通行証は、大商人や地方の豪商などが自らのステイタスとして持つことがある程である、それからしても、通常の商人が手に入れることが出来る価格ではないということが分かる。
つまりそれほどこの国が、他国から注目されていると言うことでもある。
「まぁなんにしても、すぐに入れることは良いことだ、早く疲れた体を休めたい」
「そいつは同感だな、オレもさっきからなんだか頭がふらふらしてね」
「私もちょっと足が痛いです」
慣れない旅のせいか、梗汰はさっきから軽い頭痛が発生していた。
「では、王都に入ったらまず宿を探しましょう、宿に荷物を置いたら私は行くところがあるので」
「りょーかい、あ、でも金は置いていってくれよな!」
「・・・・・・わかってますよ」
「よーし、なら出来るだけ良い宿に泊まろうぜ!」
「いいですねー、お風呂があるところがいいです!」
「それは同感だな、私もここしばらくは、濡れた布で拭いたくらいだしな、それに、この国は温泉がでるしな、それが私がこの国での楽しみの一つなんだ」
「まじかよ!温泉なんて・・・・・・かなり嬉しいぞ!宿に着くのが俄然楽しみになった!」
「現金な人達ですね。もちろんニーナさんは自分で払ってくださいね」
「なっ、私だけ仲間はずれだと・・・・・・」
愕然とした様子でニーナが言う。
「さすがに貴方は経費で落ちないので諦めてください、サイラさんもギリギリかもしれな
いんですから、それにちゃんとお金を持っているでしょうに」
「ま、まぁそういうことなら仕方ない」
残念そうな顔をしながらもニーナは納得したように言った。
そうこうしている間に、梗汰達は門の前に着いた。
門もでけーな・・・・・・。
と、そこで門を囲んでいる門番の騎士の一人から声が掛かった。
「おーい、閉鍵はそろそろだから急いだほうがいいぞー、検閲が間に合わなくなるかもしれん」
門前に置いてある、かがり火の明かりが届いている範囲以外は、既に真っ暗だ。
城壁が見えてから、たどり着くまで結構歩いたようだ。
門は硬く閉ざされていた、恐らく門の脇についている詰め所の様なところで検閲を行い、そこでの審査が終わった者だけに扉が開かれるのだろう。
アズールが騎士の前にまで行き、こっちに声を掛けてきた騎士に何か紙のようなものと胸当ての模様を見せた。
すると、慌てた様子で騎士達が頭を下げぺこぺこしながら門を開けた。
「どうぞお通りください!」
「おぉ、なんかアズールさんって凄いのかもしれないな」
「ですねー」
「おいおい、分かっていなかったのか、あの胸当ての獅子の模様は、近衛兵以上の階級しか着けてはいけないことになっているんだ」
「アズールさん凄いです!」
「うげ、そんな偉い奴だったのかよ・・・・・・」
オレってばそんな奴にタメ口きいたりしてたのか・・・・・・。
何か失礼なこと言ったっけか・・・・・・?
「今更気にしなくても結構ですよ、急に態度を改められるとかえって気持が悪くなります」
「そーかい、なら今のままで」
「コータ君、良い性格してますね」
「私もそう思うぞ」
「うっせー、気にするな」
「では入りますよ」
城門の中は、舗装された広い道が続いていた。その道の先に噴水が、そしてその遥か先に王宮と思わしき建物が目に入る。
ほー、入り口を通過するといきなり王宮が見えるのか。もう色々と凄いとしか言いようが無いな。
「なんつーか、外から見ても凄かったけど中身も凄いな」
「うむ、この街は均整都市とも呼ばれていて、芸術的に見ても素晴らしいんだ。確か何代か前の王がこの街をそういう風に作り直したそうだ、上下左右対称じゃないなんて嫌だ、とね」
「へー、そいつは随分と我侭な王様だったんだな」
「そうだ、だが我侭だけじゃなかった」
「と言うと?」
「その王は芸術関連の技術を大変奨励していてな、そのお陰でこの国の歌や詩、絵画など色々な芸術がかなり発展したんだ、その関係でかなり国庫が潤ったらしいぞ、まぁ当時は愚王と呼ばれ、それらの政策も批判されていたらしいがね。王の死後しばらくしてからその活動が認められ賢王と呼ばれるようになったそうだ、歴史書にそう書いてあった」
「なるほどね」
ニーナは自分の知識を披露できたのが嬉しかったのか、満足そうに頷いた。
(芸術家が死後有名になるのは、どこにでもあることなのか)
「話は宿に着いてからしましょうか」
そう言ってアズールは歩き出す、それに続くようにして皆歩き出した。
★
しばらく歩くと、そこそこ見た目の豪華な宿が目に入った。さっそくアズールが入って行き交渉を開始。
少し揉めたようだが、さきほど門番に見せた紙を見せると、一転して部屋を貸してくれた。
「本当はこういうことにあまり使いたくないんですけどね」
アズールは権力を盾にした行為があまり好きじゃないようだ。
「さて皆さん、なんとか二部屋取れました、部屋割りはどのようにしますか?」
「私はコータさんと一緒がいいです」
「まぁ、オレも別にそれでも構わんが」
「私が構うわっ!私が男と一緒に寝ろと言うのか!コータも少し考えろ、実妹でもない女性と一緒の部屋で寝るなんて・・・・・・って何を言わせるんだ!そ、そうだデリカシーが無いぞっ、ここは普通サイラと私で一部屋だろう」
「まぁそうなるだろうな」
「それならそう言え!」
自分で言って自分にツッコムなんて器用だな、というかてんぱりすぎて見てて面白い。
「私はそれでもいいんですけどね」
「ダメだっ、今日は私と一緒に寝ようじゃないか!楽しくお話でもしよう」
「ニーナさんの話は長くてつまんないです」
「なん・・・・・・だと」
ガーン、と音が聞こえてきそうなくらい凹んでるな、南無。
アズールが鍵をニーナに渡す。
「では、隣同士の部屋ではありませんので、ここでお別れですね。コータ君と私は二階、ニーナさん達は一階の部屋です、詳しくは鍵に付いている番号札を、お風呂は一階の奥にあるそうなので各自済ませてくださいだそうです、さすがに時間が時間なので夕食は出ませんが我慢してください」
「りょーかい」
「分かりましたー」
「うむ、荷物を置いたらさっそく風呂に行くか」
梗汰は部屋に入ると荷物を置き、真っ先に風呂場を目指した。途中でアズールが何か言ってた気がしたがスルーした。今の梗汰はそれどころではないのだ。
梗汰はこの世界に渡ってきて丸二日以上体を洗っていなかった、毎日風呂に入るのが当たり前の梗汰にはそれがとても辛かった。
(うっひょー、やっと風呂だぜ、もう体の隅々まで荒いまくって長風呂しまくってやるぜえええ。温泉ばんざーい!)
梗汰はお風呂を示すドアの勢い欲開け更衣室に突っ込んだ、自分の身に着けているものは、番号の書いてある籠に入れると勝手に洗濯して次の日に渡してくれるらしい、着替えは貸し出ししてくれるのを借りることにした。
さすが見た目が豪華な宿!素晴らしいサービスだぜ!!ばんざーい!!!
梗汰のテンションはかなり上がっていた。
だから梗汰は見逃していた、ドアに張ってあった”現在混浴”という張り紙を・・・・・・。
この宿は深夜遅くまで温泉を開放しているが、ある時間を過ぎると混浴になるシステムだった。
着替えを籠に突っ込み、置いてあった体を洗う用の布を三枚ほど抜き取り温泉に突っ込んだ。
温泉内はとても凄い量の湯気のせいで視界は真っ白、三歩先も見えない。
後から聞いた話によると、深夜の混浴の時間帯は大量の霧のを発生させるというのがこの宿の売りらしい、深夜お互いに知らない男女が出会いこの視界の中顔も見えないまま話すのがロマンチックだとか。
霧の発生は設置型の魔法でやっているらしい。
だがそんなことを知らない梗汰は、誰もが普通に考え付くであろう疑問に思い至っていた。
(普通に考えて危なすぎるだろこの湯気の量・・・・・・下手したらこけて頭打つぞ。危険が危ないってレベルじゃねーぞ!)
梗汰はさっさと体を洗い湯船に浸かる。ざぶざぶお湯をかき分けながら中央辺りまで行き腰を下ろした。
ぁー、超気持ちいいわコレ。なんだか昇天しそうだわ。
「うわー、真っ白ですねー」
「そうだな、どうやらこの宿の売りらしいが、さすがにコレは危険なんじゃないか」
「まー、今はそれより体を洗いましょー」
「同感だ」
え・・・・・・?オレ、やっちまった?ここ女湯?いや待てそんな看板も張り紙もなかったはず・・・・・・っは、まさか混浴・・・なのか?
うげ、やっちまったかも、もっとよく張り紙とか確認すればよかった・・・・・・。
「それにしても混浴と聞いたから少しは警戒していたが、これじゃまったく分からないな」
いや・・・・・・しかし待てよ、混浴ということを知った上でサイラ達は入ってきたってことは、別にオレは隠れる必要は無いはずだ、むしろ大人として堂々としていたほうがいいと思う。
「そうですねー、でも話し声も音もしないですし、誰も居ないんじゃないんです?それにしてもニーナさんのペンダント綺麗ですねー」
「オレも居るぞー」
「そうだろう、コレは護身用として持っているからこそ見た目にも特に気を使って作ってもらったんだ」
「「「・・・・・・」」」
梗汰はさりげなく会話に参加し、なおかつ自分の存在を自然伝えることに成功した。
っよし、何一つ問題はないはずだ。
空気がシーンとしている気がするが、きっと気のせいだ。
ビュゴゥと何かがこの霧の中ものすごい勢いで正確に梗汰に向かって飛んできた。
それは梗汰のすぐ脇の湯船に着弾した。
ドパーン!
着弾の勢いによって飛び上がったお湯が梗汰の顔に掛かった。
「おおおおおおい、コータ!居るなら居るとさっさと言え!」
「うおおおおおおい、あぶねーよ!なんでいきなり武器投げつけるかな!」
尋常じゃないほどに狼狽える梗汰とニーナ。その慌てっぷりは見事なものだ。
「お前が居るって言わないからだろ!」
「言ったじゃん!」
「っ、急に言われたらビックリするだろうが!」
「じゃあいつ言えばビックリしないんだよ!それに、お前は混浴って分かってて入ってきたんじゃないのかよ!」
「も、もちろん覚悟はしていたさ・・・・・・だがな、その覚悟が足りてなかっただけだ!それに、ここは私達が風呂から上がるまで待ってから動くのがデリカシーってものじゃないのか!」
「おい、どんな変態野郎だよそれは、お前は自分達の入浴の姿をガン見されていたいのか?」
「うぐっ、それは・・・・・・」
「そうですよー、ニーナさんは気にしすぎですよ、一緒にお話しながらお風呂に入れて楽しいじゃないですか」
「っう、サイラにまで言われたらもうダメだ・・・・・・」
「まぁ、異性の見知らぬ人と一緒に風呂に入るのが楽しいと考えるのは、普通とはちょっと違うとオレも思うけどね」
「当たり前だっ!」
「とりあえずこの武器返すからこっちこい」
「こっちにこい・・・だと?どんだけ必死に私の体を見ようとしているんだ、とんだ変態野郎だなコータは」
オレか?オレが悪いのか?
「おまっ、この武器そっちに投げんぞ!」
そういいながら湯船に沈んだそれを手探りで持ち上げる。
それは刃渡り20cm位の短剣だった。
これを投げただけであれほどの衝撃が起きるとは・・・・・・何か別の力が加わってるな。って、そんなあぶねーモンを投げたのかよあいつは・・・・・・。
「わ、悪かった、ほんの冗談じゃないか、だからソレを投げるのはやめてくれ」
「分かったよ」
全く性質の悪い冗談だ。
「じゃあ体洗い終わったら近くまでこいよなー」
「分かった」
「私もそっちに行きます」
「サイラは恥ずかしくないのか・・・・・・?」
「特に恥ずかしいと感じることはないですねー」
「・・・・・・そうか、サイラは逞しいんだな」
サイラが隣に居たら頭を撫でていただろう。
そしてサイラ達は体を洗い終え、梗汰の近くまできた。
「ほらっ」
梗汰は短剣をニーナの方に向かって軽く投げる。
ニーナはそれを黙って受け取ると”変われ”と呟きペンダントに戻した。
「ふぅ、オレはもう大分ゆっくりしたからもう出るよ、あんた等体洗うの長すぎ」
「レディはこれくらい当たり前なのだ」
「ニーナさんは私の体までしつこく洗ってきました」
「おま、そっちの道はさすがにアウトだと思うぞ」
「違う!コータは何を考えているんだっ、サイラも!レディとしてあれくらい洗うのは当たり前なんだぞ!」
「そうなんですかー」
「そうらしいな、ニーナの中では」
「・・・・・・コータ」
哀しそうな顔で呟くニーナ。
これ以上やったらさすがに可哀想だな。
「冗談だよ、まぁオレはもうでるよ」
そう言いながら梗汰は立ち上がる。もちろん腰には素早く布を巻いた
「では私達はしばらくゆっくりさせてもらおう、アズールが入ってこないように言っておいてくれよ」
「りょーかい」
「あれ、コータさんその顔の赤いのはもしや・・・・・・!」
「え?」
そう言われて顔を手で拭う、手にはべっとりと赤い液体が付着しいていた。その赤い液体は頬、顎と顔を伝い温泉にポタ、ポタと垂れていた。
まさか・・・
梗汰がその先を考える前に、梗汰の意識は反転した。
梗汰は今日一日、まだ慣れない精霊術を使い続けた反動が今出てしまった。緊迫した状態が続き、それが今気を許した事で、今日一日の負担が纏めてきてしまったのかもしれない。
バシャーン、風呂場に小さな水しぶきが上がり、小さな赤い波紋を作った。