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世界最強の魔王 〜戦いに疲れスローライフを目指すも何故か 人間の子育てをすることに〜  作者: ディアン


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セレストの出会い

ナレーター「只今をもちまして親善試合を終了致します。

それでは、これより表彰に移ります。各学校のリーダーは

壇上へお上がりください。」


全生徒が壇上下へ並んでいると、リーダー4人が壇上へと呼ばれた。


ナレーター「表彰を授与していただく方は、魔法局局長の

ロベルト侯爵にお願い致します!」


客席から眺めるゼノン。


ゼノン「ほう?」


メフィ「ねぇゼノン?あの人って確か・・・・・・」


ゼノン「うむ。ロベルトだ。まさか、こんなところで目にするとはな。」


メフィ「あんなに偉い人だったのね! ゼノンの知り合いの人間って有名人ばかりなのね!」


S級冒険者であり、ブルーノース学校の校長であるセレス。

聖属性魔法を極めし聖女であり、今は娘の1人であるレイラ。

そして、侯爵であり魔法局局長であるロベルト。


確かにゼノンの知り合いは皆が有名どころであり権力者だ。


ゼノン「ふっ、たまたまだ。」


メフィ「他にも居るんじゃないの?」


メフィの言葉にふと考えるゼノン。

確かにあと一人・・・・・・いや、二人の人間を助けた事がある。

元気にしているのだろうか。ゼノンは久しぶり感傷に浸っていた。




ロベルトが壇上に上がり、4位から表彰が渡される。

2位のレッドサウス学校が終わると、最後はいよいよブルーノース学校だ。


アグレシアが壇上へ上がると、生徒達、そして観客席から

歓声が沸き上がる。

トラリーとムムも精一杯声を張り上げていた。


ロベルト侯爵「ブルーノース学校の諸君! 去年に引き続き優勝おめでとう! 君達のチームワーク、そして個人の力はとても素晴らしいものであり、大人にも引けを取らない働きであった!そして、皆を率いたその統率力!見事と言う他あるまい! よくぞ、皆を勝利へと導いた! おめでとうアグレシアくん!」


賞状とトロフィーがアグレシアの手に渡される。


アグレシアは一礼すると後ろへ振り向き、トロフィーを

自分の頭上へと天高く掲げだ。


アグレシア「このトロフィーは皆のものです! 本当にありがとうございました!!!」


湧き上がる歓声。

ブルーノース学校の勝利に会場は大いに盛り上がった。




観覧席にて


ゼノン「セレス。まずは祝辞の言葉を述べよう。おめでとう。

お前の生徒への想いが実った結果だな。」


セレス「いえ、この勝利は生徒が頑張って手に入れたものです。

そして、ゼノン様の子供達のおかげです。本当にありがとうございました。まさか師匠に次いで、師匠の子供にまで助けてもらうとは・・・・・・本当に感謝をしてもし切れません。

ゼノン様、本当にありがとうございます」


セレスは少し涙を浮かべながらゼノンにお辞儀をした。


ゼノン「兎にも角にもご苦労であったなセレス。

子供達が待っているぞ。早く労いの言葉をかけてやるがいい」


ゼノンがそう言うとセレスは一礼して生徒達の元へと向かった。




メフィ「セレス校長は本当にいい方ね。あの子達のトップがあの人で良かったわ」


ゼノン「うむ。本当に人間の成長は早いものよな。」





〜回想〜


今より60年以上前。

教皇が若い時には、大将軍の地位についていた。

父親が国王だった事もあり、特権乱用を重ねていたのだ。

ちなみに、今の国王は前国王の隣で時期国王としての教養を学んでいた。

その為、過激派の教皇は魔族界に限らず色々な国へと戦争を仕掛けていたのだ。


そして、戦争が熾烈を極める中、人間界と魔界の境にて、ゼノンは自ら敵情視察をしていた。




ゼノン「人間とは愚かであるな。負け戦とわかって尚、戦いを挑むか。いや、下の者は上の者に従っているだけ。上の者が無能であるが故に、無駄に命を散らしているのであるか」


死体だらけの平野を歩くゼノン。

その時だった。




「うぅっ」




ゼノン「ッ?!!!」


ゼノンの耳に今にも散ってしまいそうな弱々しい声が聞こえてきた。

その声のする方へ向かうとそこには、


ゼノン「むっ? 小さな女子おなご? 何故こんなところで・・・・・・回復ヒール


傷だらけの女の子に回復魔法を施すゼノン。

次第に身体の傷は全て綺麗となる。


女の子「うぅ、あ、ありがとうございます? あ、あなたは魔族ですか?」


目の前にいるのが人間では無い事にすぐ気付いた。

何故なら頭に二本の角があり、目は赤い。

幼少期より教えられた言葉。


『魔族は悪であり、人間の敵』


中には魔族が人間を好んで食べると言う噂まで流れていた。


だが、女の子は困惑している。

自分の傷を癒し、助けてくれたのは人間ではなく、魔族である。

むしろ、人間は自分を見捨てて逃げて行ったのだ。

その為、女の子は怯えながらもお礼はちゃんと言った。




ゼノン「うむ。私の名はゼノン。お前は何故ここに一人でいた?」


セレス「私の名前はセレスと言います。少しでも魔法が使える者は、戦争に駆り出されるんです。それで、私も参戦したのですが

魔族があまりにも強くて、人間達は皆殺られたのです。そして、

残った偉い人は皆逃げました・・・・・・。」


ゼノン「なるほどな。」


セレスの言葉にゼノンは考える。

魔族は上の者、強い者が率先して前線をいく。

殿だって上の者がやるのだ。

だが、人間は違う。上の者は離れた所から指示するばかりで

前線で戦うのは皆、一般の者達。


上が変わらなければこの戦いは終わらない。

ならば、上にいく人間を善人に任せればいい。


セレスを育て、ゆくゆくは人間のトップにでもついてくれたなら

戦争は無くなるか、もしくは減るだろう。

そう考えたゼノンは即決した。


ゼノン「セレスと言ったな? 私は魔王が一柱である。だがな、

私は戦争を無くしたいと思っている。この世界はあまりにも多くの戦争が行われ人々も大地も疲れてきっている。故にお前を私が育て上の地位にたってもらい、人間界の歯止めとなってほしいと思っている。どうだ?セレス」


まだ小さいセレスには難しい内容であったかもしれない。

しかし、セレスも答えは一つだった。


セレス「私も戦争が嫌いです! 戦争のせいでお父さんは死んだし、お母さんも死んだ。私は強くなって戦争を止めたい。

戦争を止める為の力が欲しいです!」


涙ながらに力強くそう話すセレスにゼノンは頷く。


そこからゼノンは暇さえあればセレスに魔法のいろはを教え

そして、セレスも生まれ持っての天性なのかどんどん魔法を

吸収していった。


特に風の魔法が適正であり、冒険者になると瞬く間にSランクへと上がり、更には『烈風のセレス』という二つ名までついたのだ。


しばらくするとブルーノース学校から推薦があり、校長の座へと着くのだった。

学校の校長は国にとってもかなり重要な役職であり、かなりの特権を有する事ができる。


ゼノンの思惑通り、そしてセレスの頑張りもあり、セレスは無事に上へと登り詰めたのだ。




これがゼノンとセレスの出会いである。




〜回想終了〜


ゼノン「ふっ。本当に大きくなったなセレス。」


ゼノンの見る先には生徒達に囲まれ共に笑いあっているセレスの姿。

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