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レッドサウス学校第1席

3人を瞬く間に倒す男パウロ。


アグレシアの家は伯爵家であり、パウロの家は男爵家であった。

昔からパウロの家系はアグレシアの家系に従属しており、

身辺警備も兼ねていた。

パウロはアグレシアと同じ歳という事もあり、パウロも昔からアグレシアのボディーガードとして傍に居たのだ。


だが、2人が7年生の時に事件は起きた。


2人が帰り道を歩いていると同じ学年の男の子が他の学校の上級生に過剰な暴力を振るわれていたのだ。

男の子が泣こうが痛がろうが、その暴力は止まらなかった。


更に、周りの人達も我関せずといったように見て見ぬふりをしていたのだ。


アグレシアはすぐ様駆け寄る。

パウロはやれやれと思いつつもそこがアグレシアのいい所だと思い後を追う。


アグレシア「やめなさいあなた達! この子は7年生ですよ? こんな自分達より年下の子をあなた達は寄って集って・・・・・・恥ずかしくないのですかッ?!!!」


相手は5人。それも恐らく10年生位で年上だ。

だが、アグレシアは怯むことなく啖呵を切る。

弱きを助け強きをくじく。

アグレシアのモットーである。


しかし、当然相手もはいすみませんでしたと、謝る程できた人間ではない。

むしろ、アグレシアを標的に変え殴ろうとしてきたのだ。


「てめぇ、急にしゃしゃり出てきて何言ってんだ?! 生意気だな!」


「ボコッ!!!」



アグレシア「パウロッ?!!!」


パウロはアグレシアの前に立ち、相手の拳を受け止めた。

そのまま相手はパウロ目掛けて殴る蹴るを繰り返す。

パウロが血を吐こうがその暴力は止まらない。


アグレシア「お願いもうやめてッ!!!」


アグレシアは必死に相手の袖を引っ張るも、女の非力な力ではどうする事もできなかった。

それどころか・・・・・・「うるせぇ!邪魔だ!!!」「ドカッ!!!」



アグレシアを振り払うかのように裏拳でアグレシアの頬を殴った。


パウロ「うぐっ・・・・・・ハッ?!!! アグレシアッ!!!!!!!!!」


初めて人に殴られ困惑するアグレシア。

気付けば自分は地面に伏せていた。

殴られた衝撃で吹き飛ばされたのだろう。

頬がジンジンする。


アグレシア「パ、パウロ・・・・・・その子を連れて逃げて・・・・・・」


それでも尚、自分よりもパウロや男の子を気遣うアグレシア。


パウロはボロボロになりながらも怒りに震える。


パウロ「アグレシアッ!!! 言ってくれ!!!」


いきなり叫ぶパウロ。

突然言ってくれと催促するパウロ。

その言葉はパウロの家系に引き継がれる特異体質である。

何故かは知らないが昔からそうだったようだ。

その言葉を主と認める者に言われると力が増し、魔力も格段に上がるが理性は無くなり戦闘狂へと変わってしまう。


当然アグレシアも親からは聞いていたが半信半疑であった。

言葉1つで人格が変わるなんて、そんな事あるわけないと。


だから、言ってしまったのだ。

こんなことになるとは思わず・・・・・・。


アグレシア「怒り狂え(ゴーマッド)パウロ・・・・・・」


『ドックン』


遠くからでも聞こえてくる心臓の音。

そして、パウロの雰囲気が明らかに変わった。


先程までボロボロとなり苦悶の表情を浮かべていたパウロ。

だが、今目の前にいるパウロはとても楽しそうに笑っている。

口元には血を垂らしながらニタニタと笑っているのだ。

その姿は恐怖の象徴であった。

アグレシアでさえ、恐怖を感じずにはいられない。




そして、次の瞬間1人が燃やされた。

在学生に限り、学校以外では原則魔法の使用は禁止されている。

だが、パウロは平然と魔法を放ったのだ。

それも殺す勢いで。

燃えている男は絶叫しながら悶えるも、なんとか味方の水魔法で

鎮火された。


しかし、いきなりの魔法に不意をつかれ、大火傷を負い倒れる男。

他の4人は恐慄くも、パウロは止まらなかった。




アグレシア「パ、パウロ・・・・・・だ、だめよパウロ!

そんな事をしたら貴方が捕まってましう!!! 戻ってパウロ!」


アグレシアの制止も耳に入らず結局残りの4人も重症を負わせることになってしまった。


しばらくすると、騒ぎを駆けつけた衛兵が来て、パウロは停学となりそのまま牢屋へ入れられる事となった。


通行人の証言により、男の子を守る為だったとはいえ

過剰防衛とみなされ5年の禁固刑が決まってしまったのだ。


そうして、今年になりようやくパウロは外へ出る事が出来たのだ。


アグレシアの言葉でのみ、パウロは人格が変わり強くなるが

それでも素の力も強く第3席まで登り詰めた。

人格の変わったパウロならアグレシアよりも優に強い。




そんな中、パウロがまた相手を1人倒していた。


ソフィア「パウロさんは無事でしょうか・・・・・・」


目の前には巨大な炎の壁があり見ることは出来ない。

だが、アグレシアは無事である事を確信していた。


アグレシア「パウロが敗れればこの炎の壁も消えます。

つまり、まだ無事なのでしょう。パウロ・・・・・・どうかご無事で」




パウロ「もっと燃えろよお前らッ!!! 蝶の爆発バタフライエクスプロージョン!!!」


何匹もの蝶がパウロの手から放出される。

その蝶に危険を感じたミネロヴァは皆にすぐ様指示を出す。


ミネロヴァ「その蝶に触れないで。私がやる。水の精の歌ローレライ・レクイエム


ミネロヴァの前に水の精霊が飛び出すと、歌を歌い始め、口から

何体もの小さな水の精霊が飛び出す。


水の精達は火の蝶を倒しながらそのままパウロ目掛けて突き進む。

パウロの蝶がやられるところを見ると、魔力の実はミネロヴァの方が上である事がわかった。

だが、今のパウロは止まることを知らない。


パウロ「炎獄の化身(イフリート)来いッ!!!」


パウロは自分の必殺技とも言えるイフリートを召喚する。

大人でもこの魔法を使える者は、数える程しかいない。

そんな大技をパウロは使う。

何故なら、全力でいかないとやられるからだ。

理性は無いものの本能で感じ取ったのだ。

ミネロヴァは危険だと。


パウロ「やれ炎獄の化身(イフリート)!!!」


パウロの言葉にイフリートは、右手に巨大な炎の球体を作り出す。

その円球は後ろにいるアグレシアとソフィアにも見えていた。




パウロ「死ねぇッ!!!」


ミネロヴァに向かって炎の球体が投げられる。

あまりのデカさにミネロヴァ含め、残りの仲間も避けられる事は出来ない。

現にミネロヴァ以外の者たちは、目の前の光景に恐怖で慄いている。




「ヒュンッ!」




ミネロヴァ「水の槍(ウォーターランス)グングニル」


ミネロヴァの投げた、たった1本の槍はイフリートの放った炎の

円球を貫き、そのままパウロへと突き刺さる。


パウロ「なっ?!!!・・・・・・かはっ!」




パウロはミネロヴァの手により一撃で倒れてしまったのだった。

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