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ブルーノース学校の窮地

アグレシアがフィールドを何か心配そうに見つめていると

後ろからパウロがやってきた。


パウロ「何か心配事かい?会長」


ブルーノース学校、第3席のパウロ。

アグレシアと共に本陣を守る男であり、炎を扱う者である。


見た目は優男であるが、戦いになると性格が一変する

二重人格のパウロ。

今はおっとりしているパウロだ。


アグレシア「はい。なんだか不吉な予感を感じてしまって。シンさんとリリアさんなら大丈夫だとはおもうのですが、

カルロスが心配で・・・・・・」


パウロ「カルロスなら大丈夫だよきっと。曲がりにも僕達の学年第2席だよ? カルロスの守りを崩すのが大変なのは会長も知っているでしょう?」


アグレシアはパウロの言葉に頷く。

年に一度ブルーノース学校では序列を決める試合が行われているがカルロスとの試合は毎回時間が掛かってしまう。

カルロスの戦い方はひたすら守り、敵が疲れたところで

カウンターを食らわせるのだ。


そのカルロスの守りを破った者は12年生でアグレシアただ1人だった。


アグレシア「そうですねパウロ。カルロスを信じましょう。

ですが敵がいつ来てもいいように準備だけは怠らないで下さい。」


パウロ「分かってるよ会長。ソフィアは2年生の守りをよろしくね」


シン、リリアと同じ学年であり第3席のソフィア。

彼女も本陣を守る1人だ。


ソフィア「はい! ですが、シンくん、リリアちゃん、そしてカルロス先輩が負けるとは思えませんね!」


それは、アグレシアとパウロも思っている。

だが、目の前に見えてきたものによりその思いは崩れ去った。




パウロ「嘘でしょ・・・・・・カルロスが敗れたのか・・・・・・」


ソフィア「それもあの数・・・・・・」


アグレシア「15人居ますね・・・・・・恐らく、シンさんとリリアさんの場所は最低限にしてカルロスの所を多めに配属させたのでしょう。」



そう。アグレシアの言う通り、レッドサウス学校はカルロスの所を他のところよりも多く人員を配置していたのだ。


その数18人。中央を8人。左翼を7人。そして本陣の守りを3人としていた。

それでもカルロスは寡兵ながらに相手を3人葬り去ったが

数の違いがデカすぎた。

それに加えてあの、違法薬である。


いかにカルロスの守りが強くても限度がある。

最後は右翼を率いていたレッドサウス学校第1席であり

教皇の娘であるミネロヴァの手によりカルロスは倒れたのだ。

ミネロヴァに率いられ此方へ向かってくる15人の敵。




パウロ「なんか相手の様子おかしくない?会長」


アグレシア「そうですね・・・・・・確かにミネロヴァは強いですが1年でここまで魔力量が上がるものでしょうか。

恐らく何かをしたのでしょう。」


遠目から見てもミネロヴァの魔力量が膨大だということは

気付けた。

だが、シン達のように何をしたかまでは推測できなかった。


ソフィア「会長、パウロ先輩、どうしましょう」


ソフィアはあの数相手にどう立ち回ればいいのかわからなかった。

こちらの戦力はアグレシアとパウロ、そして自分と2年生である。

2年生など、戦力に数えられるほどではない。

つまり、3人であの15人をどうにかしなければならなかった。




アグレシア「2年生ではあの相手は無理でしょう。ソフィアは2年生を守りつつ旗の近くにいてください。パウロは私と共に迎撃を。」


パウロ「僕達2人であの相手をするのかい?無謀だと思うけど勝てるかな?」


アグレシア「別に勝たなくてもいいのです。時間を稼げば。そうすればきっとシンさんかリリアさんが相手の旗を取ってくれます。」


そう。勝たなくてもいい。相手の旗を倒すまで時間を稼げばいいのだ。

だがそれには、


パウロ「会長がやられたら意味無いでしょ?なら会長こそ

下がっててよね! 時間を稼ぐだけなら僕でも出来るからさ」


そういうとパウロはアグレシアの前に巨大な炎の壁を出した。


アグレシア「パウロ!1人で15人は無理よ!」


パウロ「大丈夫だって! 勝たなくてもいいんでしょ?

それに会長がやられたら元も子もないよ。早く言ってよ会長」


パウロの言う通りだ。

自分がやられてしまえばみんなの努力は無駄になる。

パウロの指示に従う他なかった。


アグレシア「ごめんなさいパウロ・・・・・・怒り狂え(ゴーマッド)パウロ」


パウロ「はい、我が主(イエスマイロード)





パウロの雰囲気が一気に変わる。


その場を飛び出し単騎で突っ込むパウロ。


パウロ「ヒッヒッヒッ!!! てめぇら燃えて消え失せろ!!! 地獄の猛火(ヘルフレイム)!!!」


黒炎弾をいくつも放つパウロ。


ミネロヴァ「ッ?!!! まずい。皆避けて。」


「何言ってるんですか! 薬を飲んだ俺達は最強ですよ!」


「そうだ!喰らえッ!!!」


ミネロヴァの忠告を無視して自分の力、いや薬の力を過信する生徒達。

反撃にと黒炎弾に魔法を放つも、自身の放った魔法は消え去り

それどころか自分達も焼かれてしまった。


「ぐあああぁッ!!!!!!!!!」

「何故薬を飲んだのにー!!!!!!!!!」

「うぎゃぁぁぁぁああああッ!!!」


3人まとめて戦闘不能にしたパウロ。

その光景にはミネロヴァも驚いていた。


ミネロヴァ「あんな男、去年まで居なかった・・・・・・一体・・・・・・」




そう。ミネロヴァの言う通り、パウロは去年まで居なかったのだ。

何せ、停学、そして牢屋に入っていたのだから・・・・・・。

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