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エースの力

キャメルとレム、そしてララや他のブルーノース学校の生徒達はただただ目の前の光景に唖然としていた。


突如キレたシン。

そこからはまさに一瞬の出来事であった。


キャメル達はシンがキレているところなど見た事がなかった。

普段ポーカーフェイスであり、無感情なシン。


目の前のシンはまるで別人であった。

味方であるにも関わらず、自分達までシンに恐怖心を抱いてしまっている。


シンのあまりにも速いスピードは目で追うことが出来ず、

気付いたら相手が倒れていく。


そうして僅か数秒のうちに、この場に立っている者はブルーノース学校の生徒だけとなっていた。

シン1人でレッドサウス学校の生徒10名を倒してしまったのだ。


薬を飲み強化した相手をシン一人でやったのだ。

トラリーだけは、シンならやれると思っていたが、他の生徒達は驚きを隠せずにはいられない。

キャメルとレムは実際に相手と対峙し、相手の力量は身をもって知ったのだ。

それでも、シンは一撃で全員を倒した。


改めてシンの強さをその目に焼き付けたのだった。


ララ「シン先輩・・・・・・ヤバすぎ。」


いつもは言葉を復唱してしまう癖を持つララも唖然といている。


レム「強いとは思っていたけど、ここまで強いとは・・・・・・

シン様が味方で本当によかった」


キャメル「本当にね、私達とは次元が違い過ぎるわね」


トラリー達3人も違う意味で我に返っていた。


ジョッシュ「おいトラリー、お前の兄貴ヤバすぎるだろ・・・」


メアリー「シン様・・・・・・素敵・・・・・・」


トラリー「対人戦は初めて見たけど、やっぱりシン兄さんは凄いや・・・・・・僕もいつか・・・・・・」


トラリーだけは、シンが手加減していた事を知っている。

本気を出してしまえば、シンの攻撃はブレスレットの蓄積量を大幅に超え、装備している者を殺してしまうからだ。




シン「お前達無事か? 恐らくだが、左右の相手も薬を飲んでいることだろう。右翼は良いが左翼は負けるかもしれない。よってお前達は急ぎ味方の本陣へと迎え。敵の旗は俺が落とす。

いいな?キャメル」


キャメル「わかりました!本陣の守りはお任せ下さい!

シン先輩もどうかご武運を!」


頷くシン。

周りから見ても少し早い程度で走る。

本気を出してしまえば周りの生徒達に気づかれてしまう。

その為、加減して走るのだ。




遠くを走るシンを眺めているとキャメルが口を開いた。


キャメル「皆! シン様の言う通り、左翼が抜かれれば守りは

手薄!急いで守りに行くわよ!」


キャメルの言葉に頷く皆。

こうして、キャメル達は味方本陣へと引き返していくのだった。


このシンの判断がブルーノース学校の窮地を救うのである。






少し時間は遡り、右翼ではリリアが他の皆を率いて進んで行く。


リリア「相手は強いから皆も油断しないように! 1年生は

ローズが狙う相手を一緒にやるのよ! 6年生も3人で1人を

狙って! 少しでも数を減らしいくのよ! ハンスとカフスは

適当にやって!」


リリアの指示に返事をする一行。


カフス「どうやらリリア様は俺の力を信頼して好きにせよとの事。」

ハンス「ならば、リリア様の期待に応えなくてはな!!!」

ローズ「いやいや、あんた達に作戦を伝えても理解出来ずに

無駄になるから適当にって言ってるのよ!」


油断してる訳では無いがいつも通りの会話をする3人。


その3人のおかげか6年生と1年生も緊張しすぎること無く、むしろ

場は和んでいた。




ローズ「リリア様!前方に見えてきました!」


リリア「えぇ、数は7人程かしら?私達より3人少ないわね。

・・・・・・あれ? おかしいわね」


突如リリアは疑問を浮かべる。

しかし、ローズ達にはこれといっておかしな点は見つからなかった為、リリアに聞いてみると、


リリア「ここはまだ敵と合流するであろう地点の半分近くしか行ってないのよ? いくら何でも相手のスピードが早すぎるわ」


ローズ達もハッとした。

確かにおかしい。


フィールド全体を5等分とし、真ん中を5分の3地点とすると

リリア達はまだ5分の2地点にいる。

それなのに、相手は5分の4地点にいるのだ。

あまりにも早すぎる。


そう考えていると奥からドデカい魔法攻撃が放たれてきた。


ローズ「嘘?! 去年はあんな魔法撃てる人間は居なかったはず!

しかも、全員があの威力?!」


生徒が扱えるようなものではない魔法を平然と放つレッドサウス学校の生徒達。

明らかに異常である。


リリア「皆私の後ろに!!! 炎の壁(ファイヤーウォール)!!!」


リリアの壁により敵の魔法は燃え尽きた。

いくら強化しようが四魔将であるリリアの魔力を超えることはありえない。


だか、1年でここまで成長する事などありえない。

そこでリリアは1つの可能性を見い出した。


リリア「・・・・・・違法薬、飲んだわね」


ローズ「えっ?」


リリアの言葉に驚くローズや他の者達。

だが、不思議と皆も納得する。

でなければこの変わり様はありえない。


リリア「作戦変更! カフスとハンスも前に出ないで!

ローズは念の為、1年と6年生を守ってて! アイツらは私がやるわ!」


リリアの言葉に皆が頷く。

確かに自分達が出たところで勝てる見込みはない。

それは、先の魔法の威力で実感していた。

その為、素直にリリアの言う事に従う。




1人前に出るリリア。


リリア「あんた達がそういう手を使うなら私も遠慮しないわよ。

獄炎の誘いヘルブレイズ・インヴィテーション!!!」




目の前に真っ黒な炎が出現すると、そこから炎の触手が飛び出し

レッドサウス学校の生徒を獄炎へといざなう。


いくら強化したところでリリアに適うはずも無く、皆が悲鳴をあげながら獄炎へと吸い込まれていく。


全員が獄炎へと入るとリリアは直ぐに魔法を解除する。


そこに残るのは倒れているレッドサウス学校の生徒達。

あのまま燃やし続けると殺してしまう為、入った瞬間に魔法を解いたのだ。




後ろでその一部始終を見守っていたローズ達は開いた口が塞がらなかった。


ムム「・・・・・・リリアお姉ちゃんすごい・・・・・・」


普段一緒に居るムムでさえ驚いていた。

何せ、あの強力な相手を一撃で倒してしまったのだから。

改めてリリアの強さを実感するムム達であった。


そして、リリアはここで1つの指示を皆に飛ばす。


一先ず右翼もリリアの力により勝利を収めるのであった。

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