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ジョーカー殿下

試合が始まり1時間が過ぎようとした頃。

ナレーターの声がブルーノース学校の控え室にも鳴り響いた。


ナレーター「第4回戦 レッドサウス学校の勝利です。

30分の休憩の後、第5回戦、イエローウエスト学校 対 グリーンイースト学校の試合を始めます。各学校は準備をしてください。」


これでブルーノース学校 2勝0敗 レッドサウス学校 2勝0敗

イエローウエスト学校 0勝2敗 グリーンイースト学校0勝2敗

となった。

ブルーノース学校、並びにレッドサウス学校の2位以上は確定した。

あとはどちらが1位を取るかの勝負である。




時間が過ぎると第5回戦イエローウエスト学校 対 グリーンイースト学校の戦いが始まった。


順当にいけばグリーンイースト学校が勝利するだろうと思われていた。

カルロスが防ぎきれたものの倒すことは叶わなかったのだ。

それに、あのまま時間が過ぎれば恐らくカルロスは敗れていただろう。


それ程、グリーンイースト学校の1位は強かった。


だが、その予想はまさかの結果に終わった。


第5回戦が始まりわずか数十分。

イエローウエスト学校の勝利に終わったのだ。

あまりにも早い決着。

しかし、ブルーノース学校の者達は見ることは出来ない。

何が起こったのか気になるが、それは後で見ていた親に聞くとして今は最後の戦いに気持ちを切り替える。




アグレシア「これが最後の試合となります。勝っても負けても悔いのない試合にしましょう・・・・・・そう言おうと思っていましたが、必ず勝ちましょう! 私達は強い。皆さん自信を持って気負う事無く戦いましょう! 我等は青き北の獅子!」


全員「うおおおおぉッ!!!!!!!!!」


アグレシアの激励に皆が応える。

泣いても笑ってもこれが最後の戦い。

皆、シンとリリアが居るとはいえ油断はしない。

昨年勝ったからといって油断など絶対しないのだ。

常に全力を出す。

それがブルーノース学校。


ナレーターの言葉が聞こえるとアグレシアに続き、ブルーノース学校の生徒達はフィールドへと向かった。






教皇「おい、ちゃんと娘達にはあの薬を渡したんだろうな?」


特別観覧席にてそう口にする教皇。

この席は教皇専用の席であり、他人が入ることは許されない。


「はっ! ご息女様にはしかと渡しました! あの薬があれば勝利は確実でしょう!」


教皇「ふっふっふっ。なら良い。アビスヘルムの奴らが殺られた時はどうしてくれようかと思っていたが、第2の策は

防げまい。ブルーノース学校の諸君。地獄を見るがいい」


そういうと教皇は不気味な笑みを浮かべてフィールドを

凝視するのであった。





「国王陛下、殿下が参られました!」


その言葉と同時に、国王の居る部屋へと入る一人の男。


「いやー父上申し訳ない。ついつい寝坊してしまいましたよ」


金髪でパーマ男。

外見は整っており、イケメンである。

彼は国王の息子であり王子のフェルナンド。




国王「フェルよ。お前のそのだらしない私生活はいつになったら直るんじゃ・・・・・・お前ももう16歳。少しは自分で管理せぬか」


国王は呆れたようにそう話すも息子であるフェルは笑っていた。


フェルナンド「まぁまぁ、イエローウエスト学校も私のおかげで無事に一勝出来た事ですしいいじゃないですか!

それよりも一緒に最後の戦いを見るとしましょう父上!」


開き直ったフェルナンド。

確かに、第5回戦であるイエローウエスト学校 対 グリーンイースト学校の戦いではフェルナンドが間に合ったことにより、僅か数十分で勝負は決してしまった。

『雷帝のフェルナンド』

これがフェルナンドの異名だ。

世にも珍しい、雷の魔法を操り雷の如く攻めるフェルナンド。


フェルナンドの1人無双でだ。

敵は誰もフェルナンドを止めることが出来ず、1人で何十人もの相手を倒してしまったのだ。


フェルナンドが最初から試合に出ていれば結果は違ったであろう。


国王「やれやれ、お前と言うやつは。やっと親善試合に出たかと思ったら遅刻するとはのう。来年こそは最初から出るのだぞ! でないと小遣いなしじゃ!」


フェルナンド「えぇー・・・・・・そんな横暴な・・・・・・。

まぁ、ブルーノース学校とは戦ってみたかったなって後悔はしてますよ。来年戦えるなら今日はよく観察するとしましょうか」


そういうと凄い集中モードでフィールドを眺めた。


国王「やれやれ、本気を出せばそこそこいけるというのに

どうもサボり癖が多くて困るわい。ブルーノース学校。

セレスは息災のようじゃな」


フェルナンド「ミネロヴァも元気そうですね!」


国王と教皇は兄弟であり、フェルナンドとミネロヴァも従兄妹である。


国王「あやつの娘か。哀れな子よのう。あやつの元で育ったとは思えない程、賢い子じゃよ。父親はあんなじゃがミネロヴァは、お前が支えてやるのだぞ。いつなん時壊れるか分からぬからな。」


フェルナンド「壊れる? まさか実の父に洗脳でもされているのですか?」


国王「弟は昔から邪な思想を持っておった。未だに国王になるのを諦めていないようだしのう。そして、権力者も嫌っておる。

前にいた聖女も、力をつけ過ぎた為に弟に殺されたと噂されておる。実の弟を避難はしたくないが、戦いは近いかもしれぬな。」


フェルナンド「父上・・・・・・」


国王はどこか寂しそうな顔をしていた。

国王は善王と言われており、戦争を嫌っていた。

だが、教皇は勝手に自軍を使って戦争を吹っかけたりとやりたい放題である。

本来なら罰すれば済むが、曲がっても弟である。

善王は優しすぎたのだ。




こうして、国王も教皇も最後の試合の行方を見守るのであった。

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