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ゼノンとメフィの2つ名

レッドサウス学校 対 グリーンイースト学校の戦いは

レッドサウス学校に軍配が上がった。


過去の親善試合の中でもレッドサウス学校の優勝数は

圧倒的に多かった。


レッドサウス学校は他の学校とは違い、勉学よりも実技に

重点を置いている。

まだ1年生という若い時期から、実技は叩き込まれるのだ。

スパルタ教育。

レッドサウス学校はまさにそれである。

学校というよりは軍隊だ。


その為、グリーンイースト学校に勝っても喜ぶものは誰もいない。

なんとも悲しい勝利である。

本来なら皆で勝利を喜ぶのが普通なのに。





レッドサウス学校校長「この勝利に喜ぶものは誰も居ないな? 去年はブルーノース学校に敗れてしまった。全くもって情けない話だ。私がいた頃は在学中、全ての学年でいちいであった。良いか、今年こそは奴らを倒せ。赤き炎を燃やし尽くせ! これは目標ではない! できて当たり前の事なのだ!」


レッドサウス学校校長の話にせいと達は「はい!」の一言。

1年生達も調教されていた。





そんな光景を上からメフィ達は見ていたがなんとも悲しい気持ちになっている。


メフィ「なんだか、子供達が可哀想ね。私の子供達があんな学校に行かなくて良かったってここから思うわ」


フレイ「あれは教育ではありません。洗脳です。校長や学校自体が変わらないと変わりません」


バリアン「勝利を喜び敗北に悔し涙を流す。当たり前の事を

やらせないとはな。これでは子供達の感情を殺すことになるぞ」


レイラ「ムムちゃん達はセレス校長のおかげでとても優しい大人へとなりますよ」


エリシア「どの学校に入れるかもきっとゼノン様が事前に

調べたのではないですか?」


皆がゼノンを見るとゼノンはふっと微笑んだ。


ゼノン「レッドサウス学校については調べたが、そもそも

ブルーノース学校に旧知の教え子が居たから任せただけだ。

だが、ブルーノース学校に入れて良かったと今は思っているぞ。」


シリュウ「フィルルは学校へ行きたいと思わぬのか?」


フィルル「学校は行かなくていいだよ! 学校に行くより

鍛治をする方がずっと楽しいだよ!」


メフィ「フィルルちゃんも学校へ行きたくなったらいつでも言うのよ? 子供が遠慮なんてしちゃダメだからね!」


フィルルを気遣うメフィ。

たしかに、フィルルもまだ子供だ。

きっとまだ遊びたいざかりの筈である。

だが、フィルルは変わっており何よりも鍛治が優先なのだ。

さすがはエルダードワーフと言ったところか。






家族で話しながら試合を観戦していると急に若者達が

ゼノン達を見て何やら騒いでいた。


「おい! あの2人はまさか!」

「嘘だろ?! なんでこんな場所にあの2人が居るんだ?!」


ゼノンとメフィ達以外の者達はなんの事か分からず

首を傾げていた。


当のゼノンとメフィは何やら険しい顔をしている。




そんな中、1人の男が大きな声で、


「初めて開設されたSSランク冒険者---『魔の皇帝(マジックエンペラー) ゼノン』様と『魔の女帝(マジックエンプレス) メフィ』様だぞ!」




その一言で周りにいた観客達が一斉にゼノン達を見るやいなや歓声が沸き起こる。




レイラ達は驚愕した。

まさか2人がそんな二つ名を持った有名人であるとは。

そして、聞いたことも無いSSランクという称号。


レイラ達も冒険者の仕組みは知っていた。


G〜Sランクまであり、人間界に居るSランクは全部で5人。

5人という数字はあまりにも少ない。

だが、それほど、Sランクになるということは難しい事なのである。

ちなみにその内の1人はブルーノース学校校長のセレスだ。

彼女も生まれ持っての天性、そしてゼノンの教えの効果により

Sランクの1席に着いたのだ。


Sランクの5人が人間界最強の5人である。

だが、ゼノンとメフィに渡された称号はSSランク。

2人があまりにも強すぎる為、そして、Sランクの範囲に

収まらないとの事で冒険者組合によって新たに開設されたのだ。




ゼノンとメフィはその2つ名が恥ずかしくて家族には黙っていたのだ。


だが、そんな2人を他所に家族や仲間達はゼノンとメフィを

尊敬の眼差しで見つめていた。


レイラ「お父様! お母様! 凄いです! お2人がこんなにも有名人だなんて知りませんでした!」


フレイ「冒険者になったのもつい最近の事ですよね?

流石としか言えません。」


バリアン「良かったじゃないか! これで、子供達も友達に自慢できる両親になれたな! ガッハッハッ!!!」



なんとも小っ恥ずかしい空気になってしまった2人。

2人も別に上を目指していた訳ではない。

ただ、任務をこなしていたらいつの間にかこうなってしまったのだ。

少しやり過ぎてしまったと後悔する2人。


現にゼノン達の周りには凄い人集りが出来てしまった。




ゼノン「メフィ・・・・・・失敗したな」


メフィ「そうね・・・・・・子供たちの自慢の親になろうと思ってやってきたけど、まさかこうなっちゃうとはね」


後悔するも時すでに遅し。

こうして、試合観戦どころの騒ぎではなくなってしまうのだった。

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