圧巻のシン
ナレーター「それでは4校対抗、親善試合、第1回戦を行います。ブルーノース学校、イエローウエスト学校の選手達は
フィールドに上がってください。」
いよいよ始まる親善試合。
緊張する選手たち。
観客のボルテージも高まる。
アグレシア「皆そんなに緊張しなくて大丈夫よ。親善試合でやることも授業と同じ。自分達のやれる事をやりましょう」
アグレシアの激励に皆が大きな声で返事をする。
シン「トラリー、離れるなよ」
トラリー「はい!シン兄さん! ジョッシュ! メアリー!
絶対遅れるなよ!」
ジョッシュ「わかってる! シンさんの前で無様な姿は見せねーぞ!」
メアリー「・・・・・・シン様。」
やる気十分のトラリーとジョッシュ。
若干1名怪しいものもいるが大丈夫だろう。
リリア「ムム、 それにあなた達も私の傍を離れないでね!」
ムム「うん!リリアお姉ちゃんが怪我したらムムが治してあげる!」
リリア「ふふっ、ありがとう♪ その時はよろしくねムム♪」
ミレディ「リリア様が怪我する事なんて有り得るんでしょうか?」
シンリー「私達も少しでも役に立たないと」
ムム達も観客の気迫に気負われずにいた。
アグレシア「シンさん、リリアさん、カルロス。頼みましたよ」
それぞれが配置につき隊長格に話しかけるアグレシア。
シン「あぁ」
リリア「アグレシアさんは後ろでドカンと構えてて!」
カルロス「その通り! 俺達に任せろ!」
一昨年とは違い、昨年に引き続き頼もしい仲間達がいる。
アグレシアに不安はなかった。
この3人ならやってくれると信じているから。
ナレーター「両校正々堂々よろしくお願いします!
それでは始めッ!!!」
はじまりの合図と共にシン、リリア、カルロスが三路より
進行を始める。
その3人の後ろを予め決めていたグループが追尾する。
シン「もうじきフィールドの中心部だ。そろそろ敵と対峙するだろう。魔法を撃てるものは後方より援護し、近接出来るものは俺に続け。」
一同「はいッ!!!」
レム「はぁーーーまたシン先輩と戦えるなんて光栄だなぁ」
キャメル「アンタ男の癖に何色気づいてんのよ! でも、シン先輩の班に入れたのは確かにラッキーね!」
ララ「シン先輩シン先輩シン先輩シン先輩シン先輩」
キャメル「ちょっとララ! アンタキモイわよ!!!」
この個性的な3人は10学年代表の3人である。
前年度もシンと同じ班で戦った者達だ。
シンも微かに覚えているが対して会話をした記憶はなかった。
メアリー「やっぱりシン先輩はモテモテね! 私も負けてられないわ!」
ジョッシュ「おい! シン先輩に見とれてやられんじゃねぇぞ?」
トラリー「僕もシン兄さんにいい所を見せるんだ!!!」
5年生達「俺ら・・・・・・存在感ない?」「だね」「うん」
奥から黄色い制服を着たもの達がぞろぞろとやってくる。
その数はシン達よりも多い。
キャメル「シン先輩! 相手の方は中央を厚くしてきたみたいですね!」
この班の副官ともいえるポジションにいるキャメルは、ここぞとばかりにシンに話しかける。
シン「あぁ、15人いるな。これでは守りは少ないだろう。」
キャメル「きゃっ!!! ですよね!!! 相手の大将は何を考えているんでしょうね?!」
返事をして貰えたことに感動するキャメル。
そんなキャメルをレムとララがじっと睨む。
レム「キャメルばかりずるいぞ! 僕だってシン先輩に伝えようと思ったのに!!!」
ララ「キャメルずるいキャメルずるいキャメルずるいキャメルずるいキャメルずるい」
嫉妬する2人を他所にキャメルはシンに尋ねる。
キャメル「作戦は去年と同じでいいですか?」
シン「あぁ、キャメルとレムは近接、ララは魔法、5年生達も魔法が主流だったな? トラリーとジョッシュは俺と前に出ろ。メアリーはララに付いて魔法で援護しろ。わかったな?行くぞ」
キャメル「シン先輩が名前を読んでくれた・・・・・・」
レム「っていうか覚えてくれてた!!!」
ララ「ララ感激ララ感激ララ感激ララ感激ララ感激!!!」
メアリー「シン様にお名前を・・・・・・はぁん」
ジョッシュ「俺、シン先輩に名前教えたっけ?」
トラリー「シン兄さんが指示出しやすいように僕が教えておいたんだよ」
ジョッシュ「そういう事か!!! っしゃあ! いくぜ!!!」
5年生達「俺ら、まとめられたな」「だね」「うん」
イエローウエスト学校
ドレイク「今年こそアイツをぶっ飛ばす!!! 人数の差で畳み掛けろ!!!」
この集団を率いるのは12学年次席のドレイク。
体格のいい男で身体強化魔法を得意とする男だ。
全学年でもトップクラスの実力者だろう。
現に去年も優勝候補の一角だったイエローウエスト学校。
そしてドレイクも最優秀選手候補だった。
シンがいなければ。
ドレイクはその剛腕を武器としシン目掛けて殴り込む。
ドレイク「死ねッ!!!」
シン「お前がな」
しかし、シンはその攻撃をくるりと躱すとそのままドレイクの顎を持ち上げ頭から地面に叩きつける。
叩きつけられたドレイクは白目を向き失神していた。
キャメル「・・・・・・すごい・・・・・・」
あまりの速さに驚く面々。
シン「なにを惚けている。お前達がやらないなら俺がやるぞ?」
その言葉にブルーノース学校の面々はハッと我に返り
イエローウエスト学校の生徒達へ攻撃を仕掛ける。
ドレイクを失った衝撃が強かったのかイエローウエスト学校の生徒達は統制がとれず、やられたい放題であった。
キャメルは双剣を、レムは槍を持ち相手を次々とダウンしていく。
トラリーとジョッシュも負けじと剣で自分より上の学年相手に善戦していた。
トラリーに至っては軽々と倒している。
ララや5年生達も前衛に負けじと魔法を放って援護していた。
シン「トラリーもここまで成長したか。さっさと終わらせて敵の本拠地を目指す」
こうしてシンの活躍により中央戦はあっという間に決着が着いた。
「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」