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11年生Sクラス

リリアとシンは11年生のSクラスである。

クラスの人数は10人。

男6の女4である。


シンとリリアは学校生活を満喫とまではいかないが、

それなりに楽しんでいた。

この人物を除いて・・・・・・。


「さっさと席につけ。私の貴重な時間を無駄にするな。授業を始めるぞ。」




ブルーノース学校の先生の中で1番嫌われているクリスが2人の担任なのである。


シンはなんとも思わないがリリアはこの先生を大層嫌いっている。

そして他の生徒全員も。


「今日から新しい先生が私の助手となる事になった。おい。簡単に自己紹介しろ。」


高圧的な態度で助手の先生を呼び付ける。

クリスは常に他者を下に見る傾向があるのだ。




クリス先生が呼ぶと教室の外から1人の女性が入ってくる。

入ってきた女性を見て思わず吹き出すリリア。

目を見開くシン。




「皆さんどうもはじめまして。このクラスの助勤講師を務める事になったフレイと申します。気軽にフレイ先生と呼んでください。よろしくお願いします」


フレイを見た男子生徒は目をハートにしている。


フレイが助勤講師になる事はリリアとシンには伝えられてなかった。

メフィが驚かせたいと言うから黙っていたのだ。

案の定、2人とも驚いているから大成功である。




フレイが自己紹介を終えるとクリス先生が再び口を開くも、その発言は嫌味ったらしい言葉であった。


「長い! 簡単に自己紹介しろと伝えたはずだ!名前だけでいい! 所詮は助勤講師なのだからな。それに私に助勤講師など、元々必要ないのだ」


その言葉にリリアが睨み付ける。

家族であり、姉であるフレイが貶されているのだ。

本来なら燃やし尽くしてやりたい。

しかし、トラリーやムム達の為にグッと堪える。


しかし、殺気を出しすぎたのかクリスがリリアと目が合ってしまう。


「おいリリア。なんだその目は? クラスで2位、学年で2位

だからといって調子に乗るなよ。だから、貴様は1位にはなれないのだ。シンを見習え。黙って私の言葉を聞いていればいいのだよ」


怒りが爆発しそうである。

頭の中で何度もクリスを殺すリリア。


すると隣のシンが小声でリリアに呟く。


「馬鹿かお前は。トラリー達の為だぞ。あんな小物相手にするな。」


シンはいつも冷静である。

クリスが生徒達をバカにしようと眉一つ動かすことは無い。

最早眼中に無いのだ。

全てはトラリーとムムの為に。




「では授業を始めるぞ。5分も無駄にしてしまった。」


授業が始まると物凄い早さで進んでいく。

シンとリリアは追い付けているが他の7名は顔を歪めている。

恐らく間に合っていないのだろう。

辛うじて女の子が1人追い付いているが必死だ。

これは最早授業ではない。

10人中2人しか追いつけていないのだから。


そんな光景に見兼ねたフレイがクリスへ尋ねる。


「あのクリス先生。一つよろしいでしょうか?」


「助勤講師の分際で私の授業を止めるな。お前が

止めたこの時間で授業が10秒遅れているのだぞ。」


しかし、フレイはそんな嫌味な態度に反応すること無く続ける。


「そのやり方ではついていける者が僅かな気がしますが?

私が見た感じですとクリス先生の授業についていけている者は

2名。なんとか追いすがっている者が1名。残りの7名は置いてきぼりです。これでは、残りの7名に酷な気がするのですがもう少しゆっくり進めてはどうでしょうか?」




「バンッ!!!」


教卓を叩くクリス。


いきなりの大きな物音にシンとリリア以外の生徒はビクッと驚く。


「おい貴様。助勤講師の分際で私の貴重な時間を止めるなと何度言えばわかる!!! 私の授業についてこれないのならそれはSクラス失格なんだよ! シンとリリアが普通なのだ!!! そもそも

何故、下の者に合わせる必要がある? 置いて行かれたくなければ必死に勉強して追いつけばいいのだよ!!! 分かったら二度と口を挟むな助勤講師が!!!」


フレイは耐久値が高い為、気にしなかったが、リリアはクリスを睨み付ける。

そして、それに気付いたクリスはリリアにも当たり散らかす。


「おいリリアまたか! なんだその目は!」


「私も間違っていると思います! いつもいつも!

これじゃあ、私とシンと先生の3人だけの授業じゃない!!!

先生ならもっと生徒のことを考えなさいよ!!!」


思わずタメ口になってしまったリリア。

隣に座るシンはやれやれといった表情である。


「お前はバカか。あんな小物相手にするな。全てはトラリーとムムの為だろ」


シンがリリアを諭すが既に遅い。

リリアの言葉にクリスは血管が浮き出るほど怒り心頭であった。


「リリア貴様!!! 成績が少し優秀だからっていい気になるなよ!!! お前はそういう所があるから所詮2位止まりなんだよ!!!

そして、シン!貴様もだ! 何が小物だ! たかが生徒の分際でいきがるな!!! これだから最近のガキ共は困るのだよ!

だが、これも貴様らだけの責任ではない。 

全ては親が悪いのだろう。

親がダメだから子であるお前達もそうなるんだ。所詮スライムの子はスライムなのだよ!」


クリスの言葉に教室が凍り付く。

シンとリリアが物凄い殺気を放っているのだ。


自分だけならまだしも親をバカにされた。

彼等が敬愛するゼノンをバカにされたのだ。

殺してやる。2人の頭には最早それしかない。




「パンっ!!!」


フレイが急に手を叩いた。

いきなりの行動に思わずシンとリリアも我を取り戻し冷静になる。


「クリス先生。言い忘れていましたがシンとリリアは私の弟と妹です。私の大事な弟妹です。そして当然親も同じです。

つまり2人の親は私の親。私の家族を侮辱する事は流石に許せません。

なので、これから私と勝負しませんか?勝った方が相手に一つ

命令を下せる。貴方が辞めろと言えば私は助勤講師も辞めます。

どうでしょう?」


いきなりの提案に驚くシンとリリア。

本当なら自分達が殺りたかったが、あそこまで言わせてしまってはもう割り込みはできない。


そして当のクリスはというと


「私と勝負だと?! ハッハッハッ!!! 笑わせるな!!! この学校を首席で卒業しエリート街道まっしぐらのこの私と勝負だと?

いいだろう!!! 貴様の吠え面を拝んでやる! 早速やるぞ!

みんな付いてこい!!! 場所は演習場だ!!!」


クリスの指示の元Sクラス全員とフレイはクリスと共に演習場へと向かう。


相手との力量差もわからないクリス。

その時点で敗北は決定している。


これからクリスは悲惨な目に合うがこの時のクリスがそれを知る由はないのであった。

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